夢の大相撲

あれから、WEBを見たり手元の相撲関係の本をめくってみたりした。 そもそも...、という話をすれば相撲が国技であるというのが間違いの元だ。これもそんなに古い話ではなく、三田村鳶魚によると江戸時代に相撲が国技であるとは誰もいわなかっ

大相撲のケッフェイ

賭博事件で警視庁が押収した力士の携帯電話から、「星のやりとり」を思わせるメールが出てきて、八百長ではないかと騒ぎになっている。相撲協会は放駒理事長がさっそく謝罪。10人の力士を呼んで事情を聴いたりもした。 前にも書いたけれど、相撲界

ヤマハブラザーズのこと

いつの頃からか、おそらくPRIDEが始まってからこっち、といってもいいのだと思うけれど、プロレスはかなり高度なイマジネーションがなくては、楽しめないジャンルになってしまった。あるいは、観客のイマジネーションという、助け船にすら耐えら

相撲とりは相撲とり

力士65人全員解雇というわけにもいかないので、日本相撲協会は過去5年間に賭博に関与したと自ら申告した力士について、厳重注意でとどめる方針なのだそうだ。暴力団の賭場でやったとか、ノミ行為に関与したとかという話であれば、全員解雇というよ

ラッシャー木村のこと

ラッシャー木村は、洋酒集めが趣味だと75年頃のプロレス雑誌に載っていた。全盛期である。金網デスマッチの鬼である。"北海の獅子王"ラリー・へニングだとか、アスファルトなみの背中をもつジプシー・ジョーなどと激しく血を流し合いながら抗争を

青木真也と金本知憲

スポーツの噺を二題ほど。 朝、目が覚めてなんとなくネットを見ていたら、今日、ナッシュビルで開催されたSTRIKEFORCEが、全米地上波生中継されるとのこと。アメリカの格闘技イベントも盛り上がってるなあと思ってたら、なんと日本でもニ

セーム・シュルトについて

なんだってこの人ぁ、またこんなに不人気なんだろうね。というくらいの不人気の帝王がセーム・シュルトである。K1-GPで4度優勝というのは、アーネスト・ホーストと並ぶ1位タイの記録であり、おそらく引退までの間にこの記録が破られる可能性は

バダ・ハリの革命

今年のK1-GPは、まれに見る面白い大会となった。準々決勝4試合、準決勝2試合、決勝1試合の計7試合のうち、実に6試合が1RKOで決まるというのは、あきらかにファイターたちの戦い方や意識が変わったということだろう。 戦略的にはトーナ

内藤大助vs亀田興毅

えらく雰囲気が盛り上がっていたので、一応、書いておかないとなということで。亀田家といえば日本を代表するヒール一家であるわけだけど、ワタシは基本的にああいう生き方には共感する。 何もない家庭に生まれ、将来もおぼつかなく、ただ、夢だけを

K-1 Dynamite 2007

年末に紅白というものを見なくなって久しい。ぼくの紅白は山本リンダで終わっているので、美川憲一も小林幸子も知らない。もちろん、Gackt もポルノグラフィティも知らないのだ。大みそかに、ちらりと見た画面で「なんかアマチュアバンドみたい

内藤大助VS亀田大毅

この日は友だちと新宿で飲んでいて、試合を見られなかったのだけど、かなりひどいものだったらしい。試合結果はワンサイドで内藤。大毅は例の亀田スタイルで、頭部のみをガードして前進、左フックを振り回すも当らず。内藤の変則的なリズムに翻弄され

亀田は好き?

亀田二兄弟(三男はまだアマチュアだ)の試合が近づくたびに、飲み屋のカウンターだの打ち合わせの合間だのに「亀田は好き?どう思う?」と話しかけられることが多い。 「好きでも嫌いでもないけど」と、ほんとうのことを言っても納得してもらえない

天山広吉改造計画

若手だった山本広吉時代から稀にみる素質とナチュラルな強さが注目を集め、凱旋帰国直後の24歳で、当時のエース級だった長州力をフォール。まさに鳴り物入りで、トップへの道を走り始めた天山広吉が、もう一皮むけきらない沼にあえいで久しい。 何

徳山と三沢と天山

18日は格闘系の特異日だった。まずWBCスーパーフライ級タイトルマッチ12回戦、王者川嶋勝重×挑戦者徳山昌守。結果はご存知の通り徳山の判定勝ち。ジャッジによっては9ポイント差と、ほぼフルマークに近い差がついたけれど、実際、ジェネラル

橋本真也とコリノ

TVではハッスルもゼロワンもなかなか観られないので、ここ数年、橋本の試合はあまり記憶になかった。その中で、強く印象に残っているのは、2001年10月、フロリダ州のどこやらの町でスティーブ・コリノとか称する細身のお兄ちゃんが保持してい

スイングするということ

レスラーの才能について考えていくと、「間」というものに行き当たる。これは今さら、ハリー・レイスが馬場のボディスラムを受けて立ち上がる時の、あのゆるい間のことではなく、ハンセンのエルボーを受けた猪木が、リング下に降りてしばらくやり過ご

天才とは外道のことだ

外道とは、もちろんレスラーの外道氏である。 プロレスを壊すものを、ほんのひとかけらも持っていないという意味で、また、何がプロレスかをよく知り、それを体現しているという意味で、邪道・外道こそ少なくともここ5年ほどのプロレス界における屋

プロレスを壊すもの

「プロレスとジャズには大きな共通点がある。観客がいないと成立しないということだ」と、かつて山下洋輔は喝破した。まさに慧眼というべきである。つまり、見世物だということ以上に、観客とプレーヤーの相互作用によってもたらされる「一回きりのそ

プロレスについて

橋本真也の死で、プロレスという一項を立てた。実はぼくはかつて、いわゆるプロレス者だった。1972年からアントニオ猪木を見続けてこれたことが、ぼくの内のどこかで何かを醸してきたことは間違いことだろうと思う。 もはや、プロレスを語ること

トンパチの死

レスラーが死ぬのは悲しい。 ディック・マードックやムーンドッグ・ロニー・メイン、アドリアン・アドニス、デイビーボーイ・スミスなんて人が比較的若くして死ぬたびに、あんなやつらでも死ぬんだと驚きつつも、いいようもない悲しさがあった。 大