青木真也と金本知憲
スポーツの噺を二題ほど。
朝、目が覚めてなんとなくネットを見ていたら、今日、ナッシュビルで開催されたSTRIKEFORCEが、全米地上波生中継されるとのこと。アメリカの格闘技イベントも盛り上がってるなあと思ってたら、なんと日本でもニコニコ動画で無料ライブ中継されるという。
ちょっと聞いたことがない話なので、さっそくログインしてみた。視聴人員は限定10000名。これを超えると月額500円のプレミアム会員が優先され、無料会員は逐次追い出されていくというものらしい。私がログインした9時51分の段階で4000人くらいだったのだが、10時になると9000人ほどになり、ゲガール・ムサシvsキング・モーのライトヘビー選手権戦がいい試合だったので、思わずプレミアム会員に登録する。
ニコニコ動画だから、逐次コメントが書き込めるわけだけれど、このコメントの数がすぐに4万ほどになる。音と動画とともに、視聴者の一行コメントが乱れ飛ぶ状態なわけだけれど、いわゆる「運営」が一人ついて適宜リードするためか、コメントはわりとお行儀がよく、面白い形態だと思う。試合後は、アンケート機能をつかって視聴者が画面から判定投票したりする。
ライトヘビー級戦の結果は、テイクダウンをとりまくったキング・モーの圧勝となったけれど、試合として非常にレベルが高い。というか、両者とも運動量が半端でなく、あの濃ゆくて激しい状態で5分5Rを戦える日本選手はちょっと思いつかない。
次の試合は、青木真也vsギルバート・メレンデスのライト級選手権戦。これはもう、うってかわって世紀の凡戦になってしまった。といってしまってはかわいそうなのだろうが、とにかく貴重な地上波ゴールデンを使って全米に生中継するコンテンツとしては、全然失格だったろう。負けるにしても負け方というものがある。青木は、次につながらない負け方をしてしまった。
技術的には、ものすごく距離をとったところから踏み込んでパンチを放ち、また距離をとり続けたメレンデスの作戦勝ちというところだろうか。青木は片足タックル、両足タックルとも、届いた時には失速していて逆に前につぶされる展開。パンチも出ないので、タックルは時間が進むごとに読まれてまったく脅威ではなくなっていく。
それならばと引き込みを狙うが、かえって金網に押し込まれてパウンドを食らう。一本をとらないと勝てない展開のため、引き込みを狙い続けるのだが、有効な動きにはならず、それがまた出ていく勇気がないと受け止められて印象も悪い。結果として、最悪の負け方をしてしまった。解説者の笑い声とあくびが、こちらにも痛かったほどで、もうメインのダン・ヘンダーソンを見る気力もなくなってしまった。
青木も日本最強の選手なのだから、どうしたらいい、こうしたらいいなんて書くこともないのだが、単に実力差というものではない、根本的な戦略としてアメリカ仕様のものを築かないことには、この先はなさそうに思う。
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話は変って金本知憲。
昨日、たまたまついていたテレビで(応援の騒音もあって野球はメジャーしか観ない)、ノーアウトランナー1塁で8番バッターがバントして失敗。成功したところで次は投手の9番なのだから、おかしなことをするなあと思っていたら、やっぱり次の投手がバントしてツーアウト2塁になった。そこで次打者が三遊間を破って、浅めのレフト前ヒット。ランナーは3塁を回って本塁クロスプレーかと思っていたら「金本、投げられないー」とアナウンサーが絶叫した。
本塁返球どころか、中継のサードにすらまともに投げられない。右肩を痛めているという。調べてみると右肩腱板の部分断裂ということらしい。
これには、自分も覚えがある。とても野球なんかやっていられる場合ではない。右肩のつけ根上部のあたりが熱をもって、箸を動かすほどのことでも唸るような激痛が走るんだろうと思う。可動域も狭くなっているかもしれないし、たぶん、まちがいなく筋力がめちゃくちゃ落ちている。
私の場合、可動域を取り戻すまでに2年半かかり、筋力はまだ戻っていない。いかに金本といえども、今シーズン、先発出場はもう無理なんではないだろうか。DHのあるパ・リーグならまだなんとかなっただろうけれど。
そして今日、自ら監督に直訴して先発を外れ、彼が続けていた連続試合フルイニング出場の世界記録は1492試合でストップした。あらゆる意味で賢明だったと思うし、彼自身、むしろほっとしたのではないかと思う。
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