2010年3月10日

電車男のFGノット

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EZノッターSサイズで5号のリーダーを結んでいた数ヶ月前まではそうでもなかったのだが、SSサイズを使って、PE0.8号にリーダー2号でFGノットを結んだとたんに、何かに火がついたごとく、毎晩やたらと結んでいる。用もないのに結んでいる。だから、せっかくの新品のPEラインがどんどん短くなっていく。

大体、こんな細いラインでFGノットを結束できるというのが、しかもそれが自分の仕業であるというのが、ちょっと信じられない。おそらく日本中で何十人かは同じ症状に陥っていることとと思われる。「むやみにFGしたがる病」だ。幸い、最近、誰かと釣りに行ったりということはないのだが、19日からの天草オフで、ワタシがどんなフルマイをするかは、もう目に見えている。

「エギングやるんでしょ。PEの結束は何?FGノットで結んであげようか?」
「え、電車結びなんだ。大きいの取れないかもよ。FGノットで結ぼうか?」
「FGノット覚える?思ったより簡単だし」
「おれのノット見てよ。ほら、PEがリーダーに食い込んでるでしょ。カチカチだし」

大きなお世話というものである。これが他人ならよけて通りたいのだが、残念ながら自分の話だ。

そもそも数ヶ月前までは、「なーんが、ラインシステムやらしぇからしか。エギングばやるとになんで08やら使わんといかんとか。男なら2号やろう。電車結びやろうもん」と、博多弁で吠えていたのである。

それが、君子のジャガーチェンジ。自分ではできない、面倒くさい、やろうとも思わないというものが、ふと出来た瞬間に、世界の景色が変ってしまった。そのくらい、PE0.8のFGノットというのは、自分にとってえらいことだったのだ。

ある業界関係者によると、今、もっともラインシステムの壁に直面しているのは、関東のベテラン沖釣り師の面々であるという。テトロン8号くらいから始めた彼らは、PE5号、3号の時代を経て、昨年あたりから、一つテンヤのブームで一気にPE0.6号という世界に突入した。最近では0.4号まであるという。

こうなると、FGノットなりPRノットなりの摩擦系ノットを、何かひとつ覚えなくては仕方がないのだが、しかし、摩擦系ノットというのは、YouTubeを見ても解説図を見ても、そう簡単に頭に入るものではない。頭に入ったとしても、指がうまく動くものでもない。指がうまく動いたとしても、うまく強度が出るとは限らない。最後の締め込みを考えれば、子供、老人、女性にはちと無理がある。

結局、どうするかというと、今のところどうしようもないようである。

ワタシにしても、たまたまEZノッターが手元にあり、たまたま開発者が身近なところにいるので、どうにかなっているだけのことで、これがなければ、以前のままの電車男であったのだ。解説図を見ながら、死ぬ気で何か名もわからないノットを結び、あとは切れるまでそれを使うというのがせいぜいで、現場で結べるのは電車結びのみであった。

それにまた。これが不思議なことなのだが、EZノッターというのは一度使い方を覚えてしまうと、それを使いたくて仕方がないという症状が出る。投げ釣りが、釣りを離れてオモリを遠くへ飛ばすことをもってスポーツ性と唱えているように、ラインシステムを組むことも、それ自体がひとつの趣味として成立するのではないかとすら思ってしまうのだ。

そんなわけで、今夜も5つほどFGノットをこしらえた。どうも釣りに出かける前に、リールのPEラインがちびてしまうのではないかという気がする。

2010年3月 6日

スーパースワンの作り方(3)

引き続き、Joe's(ジョー)さんのためのスーパースワン情報。たぶん、これが最終回になると思います。

●組み立て方

長岡スピーカーは、ほぼ必ず、図面に組み立て順が記載してありますので、これに従ってください。順番を間違うと、途中で組み立てられなくなるものもあります。

カット済材が届いたら、組み立てを始める前に各パーツに図面に記載してある部材ナンバーを鉛筆などで書いておきます。合板には裏表がありますので、裏面(木目があまりきれいでない方)にナンバーを書いておくといいでしょう。MAKIZOUさんだと、あらかじめナンバーを打ってあるそうです。

次に、各木口に軽くサンドペーパー(#240~#400くらい)をかけておきます。これは組み立てながらやってもいいです。

そして、粛々と組み立てを始めます(笑)。今、記憶をたどると、あまりむずかしいポイントはなかったと思いますが、音道が複雑なので、ここは図面をよく見てやってください。音道の最終過程で蓋をする時に、部材の精度が出ていないと凸凹になってしまうのですが、まあ、スキルのあるところにカットを依頼すれば、ほぼ大丈夫でしょう。

組み立ては、左右1セットずつやります。つまり、片方だけ先に完成させて、次に片方に取りかかるのではなくて、ネックならネックを2つずつ作っていきます。これをやると、互いに組み合わせた状態で一緒にオモシを載せたりできますので。

部材の接合は、木工ボンドと釘を使うわけですが、まずボンドであらかた固めておいて、その上で釘でシメるという感じになります。とにかく水平・垂直を出していくのが大事なのですが、木工ボンドだと微調整しながら進めることができます。はみだした木工ボンドは、濡れタオルなどその都度丁寧に拭き取っておきます。

木工ボンドは、アメリカ製のタイトボンドがおすすめです。これは日本製とちがって、硬化後にカチカチに固まります。ただ、ちょっと硬化が速いので作業は手早くやりましょう。濃すぎる場合は水で少し薄めてもいいです。

木工ボンドを塗った後に、本や鉄アレイなどを利用して、オモシをかけるのですが、これは少しずつ重くしていくといいです。クランプやハタガネをたくさん用意できるなら、その方がいいのですが、あまり長寸の部材はないので、なくてもなんとかなります。釘は、合い釘が確実ですし、作業効率もよく、見栄えもそこそこ。化粧板やネックなど外から見える部分は、真鍮釘を使うと見栄えが良くなりますが、これはお好みで。

●ターミナル・結線・吸音材

ターミナルは、なるべく径の大きなスピーカーケーブルを使える、しっかりしたものを選びます。私は、コイズミ無線のT-100Sだったと思います。内部配線は、スーパースワンの場合、非常に短いので簡単です。スピーカーとの結線は、直づけでもいいですし、ファストン端子を使ってもいいですが、長岡さんによると音的には直づけの方がいいということです。吸音材は、フェルト吸音材を指定の位置に。

●仕上げ・塗装

組み上がったら、全体に軽くサンドペーパーをかけます。番手は#240~#400くらいかな。とにかくガサガサしたところが残らないようにすればいいです。指定ではヘッドの各辺を、丸くラウンド仕上げにするようになっていたと思いますが、これは見栄えの問題だけですので、そのままでもかまいません。

塗装は、どうやってもいいので、ご自由に。木目を生かして格好よくやろうと思えば、オイルステインを雑巾などで染みこませた後に、クリアを塗るのがいいのですが、この場合、木工ボンドの拭き取りが甘いと、だんだら模様になります。

一番手軽なのは、素地の上に、水性ウレタン(クリア)を塗る方法です。これだとボンドの拭き取りむらがあっても目立ちませんし、水性ですから屋内でも作業できます。少し薄めにした塗料を塗り、完全に乾いたらサンドぺーパーをかけ、その上に重ね塗り、という感じで3回~4回ほど塗ればいいでしょう。繰り返すごとに塗りやすくなっていきます。

もっと手軽なのは、マットブラックに塗ってしまう方法です。シアターで使うには、スピーカーが目立たない方がいいので、けっこう黒スワンも多いかもしれません。でも、これはほかの色への塗り直しはむずかしいかも。

●スピーカーケーブル

オーディオ用スピーカーケーブルは、百花繚乱、百鬼夜行、各社から多種多様のものが出ています。コストパフォーマンスが高いとされているものでも、2000円/mくらいするのですが、長岡さんはこれでも高いとして、強電用のキャブタイヤケーブルを使っていました。DIYのお店で切り売りで売っていると思います。直径は3.5スケアが標準でしょうか。これだと300円/mくらいです。なるべく被覆の硬いケーブルの方がいいそうです。

●熟成

作ったばかりのスワンに、新品のユニットをつけて音だしをしてみます。たいていは、あまりのひどい音に落胆、憂慮の嵐になりますが、心配はいりません。たぶん、低音は出ない、高音はキーキーいう、箱はボーボー、コーコーと鳴る状態のはずです。

これは二つの方法で解決します。一つはとにかく音楽をかけてユニットを慣らすこと。これは30分、1時間、3時間と経つごとに、目に見えて良くなっていきます。エッジがこなれて、周波数帯域は上下ともにどんどん伸びて、透明感が出てきます。まあ、最低数十時間は鳴らしてください。

もうひとつの解決方法は、時間です。複雑な構造の箱ですので、組み立ての際に部材は反りを無理やり押さえ込まれ、全体に大きなストレスを受けています。箱を放置しておくだけで、だんだんストレスが緩和されて、それが音に現れてきます。具体的には、ボーボー、コーコーいう箱鳴りが減ってきます。また、木工ボンドや塗料の水分が完全に乾くのにも、それなりの時間がかかります。

スーパースワンは最低3か月、まあ普通は6か月くらいで本来の力を発揮し始めます。そしてある日、おや、と目を見はるような音が鳴っていることに気づきます。こうやって音の変化を楽しみながら育てていくのも、バックロードホーンの楽しみのひとつですので。

2010年3月 3日

見ない夢は・・・

ここ10年かそこら、夢は現実化するんですよー、といったようなポップな哲学?がさまざまな書籍や手帳やテレビ番組になって、それがまた毎年のようにバリエーションを生み出して、最近では「引き寄せの法則」なんてのがブームになっていたりする。

悪いことではないんだけど、どうもどこか無理をしてるんじゃないかという気もする。たとえば、夢に日付をつけろという。10年後に自分で起業した会社を上場する、なんていう夢を実際にかなえた人もいるのだから、そういう人の話を聞くのはきっと有益にはちがいないのだろうけど、その10年後の自分のあるべき姿から、時間を巻き戻して微分していけば、今日、本日何をなすべきか明確になるであろう。だから、ほれ、今日からそれをやりなさい。向かっていこうではありませんか、あなたの夢へ。

なんという教えは、どうもどこか人間的ではない。そういうメソッドもあるのかもしれないが、「自分」てものが、そうやすやすとコントロールできるものなのかなと。

一方で、夢というのはかなわないから夢なんだろうと弱気なことをいう人もいる。こういう人にとっては、たぶん夢はかなわないのだろう。というか、夢そのものを持ち得ないのかもしれない。人は自分の思う通りの道を生きるというのは、こういう場合、残念ながらゆるぎない真実のような気がする。

夢をイメージという言葉に置き換えてみると、人は自分のイメージ通りの人生を送るが、それはネガティブなイメージほどそうなるともいえる。どうも、ポジティブな力よりも、ネガティブな力の方が強い。これは、困ったものだと思う。

だからといって、なんでもかんでもポジティブに考えようとして、目の前の現実から逃げているような人もいる。これはこれで、また困った話である。夢の見方を間違っているのではないか。

夢が現実化するというのは、どの程度真実なのかわからないが、ポジ・ネガ含めてその人が自分や自分の未来に対して抱いているイメージは、相当な確率で現実化する例を、これまでたくさん見てきた。昔は夢もあったけれど、年々、現実に侵食されてきてねー、などと聞くと悲しい。

夢と現実を対比させることで、自分の現実をネガティブなものとして定義してしまっているので、どこか逃れられない沼にはまってしまっているように思える。つまり、夢という言葉を聞くたびに、自分を狭くて苦しい隅っこに追いやってしまっているのではないか。夢と書いて、リアルとフリガナをつけるくらいの図々しさも大事なのではないか。

ひとつだけ、はっきりといえるのは、見ない夢はかなわないということ。夢をかなえようと思えば、夢を見なくてはならない。夢という言葉に抵抗があれば、先のようにイメージといってもいい。これをやりてえなあ。でもいい。やりてえなあと思っていれば、やりてえことが出来ていくためのタネが、案外そこらに転がっていることが見えてきたりする。

昨年の今頃、ラスベガスで開催される世界最大のフィッシングショー「ICAST」に、見物ではなく業者として出展できるようにならんかなあと考えていた。考えていたというより、漠然と夢見ていた。具体的なプランは何もない。

その直後に、国内のフィッシングショーへの出展が決まり、大阪で行われたイベントの初日に、アメリカの大物バイヤーから声がかかった。「お前さんたち、これをラスベガスに持ってこないか」と。

夢のような話であるが、実際のところ、どうなるかわからない。夢のような話というのは、夢のような話で終わることも確かに多い。でも、ひとつの夢が、とりあえず夢のような話にまで育った。もし、今年の夏に自分がラスベガスのコンベンションセンターに立っていたとしたら、何かひとつのことを証明できたということになるのだろうか、ならないのだろうか。

とりあえず、見ない夢はかなわない。ずっと夢見ていたことでも、それがかなうまで何十年という時間がかかるものもある。WEB魚図鑑のこと、釣りフォーラムのこと、まだまだ、ぼくの中には夢がある。夢を見続けていくことが、自分のひとつの仕事のような気がしている。

2010年3月 1日

スーパースワンの作り方(2)

スーパースワンの作りの続き。以下、友人のJoe's(ジョー)さんに向けての情報をまとめます。

●ユニット

ユニットは、まさに奇跡のタイミングでフォステクスから、FE103En-Sというものが、3月に限定発売されることがわかったので、これを使います。おそらく、FE108SUPERの直系といえるユニットではないかと想像しています。

●設計図・書籍等

スーパースワン(D-101s)の設計図は、『長岡鉄男最新スピーカークラフト(3) バックロードの傑作という本に載っていますので、これを入手してください。
スーパースワンの前身であるスワンaの記事が載っている『スワンaとその仲間』も、できれば入手してください。こちらには、なぜこのような形のモノを思いついたかといったことが書かれてあり(夢に見たそうですが)、スワンというスピーカーの理解を深めるのに役立ちます。また、スワンa用に設計されたリアスピーカー『クレーン』の制作記事もあり、スピーカーマトリクスとは何かということが、よくわかると思います。

図面だけなら他に掲載している書籍があるのですが、詳しい解説がついているのは、上記くらいだったと思います。実際のところ、長岡バックロードホーンの基礎知識は、この2冊でほぼ網羅されています。いずれも中古本で品薄ですので、3000円以下なら涙を飲んで買いましょう(笑)。

●アンプ

アンプもこれから揃えるのですね。私は金田式のA級30W(70年代設計?)を使っています。金田式というのは、金田明彦という天才の手によるもので、もう30年以上も『無線と実験』誌にアンプ等を発表しており、今なお進化を続けています。

とにかく音のためには、素子の性能をぎりぎりまで引き出す設計をするため、安定動作させるためには、アンプを自作できるくらいの回路の知識が必要な感じだったのですが、最近はだいぶ安心して使えるようになったそうです。パーツセットは、大阪のテクニカルサンヨーで販売しています。

音は・・・一概にはいえませんが、とにかく駆動力がものすごいという印象があります。静寂の中から、突然、大スケールの音楽が飛び出してきて、また一瞬で静寂に戻っていく。リニアリティとかダイナミックレンジとかいう言葉だけでは足りない、余裕と奥行きを感じます。長岡スピーカーと同様に、現代の神話のひとつではあります。

金田アンプを使うには、テクニカルサンヨーでパーツセットを買って、当該機種が載っている『無線と実験』のバックナンバーを入手し、アンプ自作の経験のある人に制作を頼むというのが早道です。身近にいらっしゃらなければ、もしかすると友人の一人が引き受けてくれるかもしれません。

安全と使い勝手を優先するなら、市販のものでも十分いい音はしますし、真空管アンプ(これも多くはキット)なら、金田アンプほどデリケートではないので、制作を引き受けてくれる人が見つけやすいと思います。

●余談

スーパースワンの特徴として、良い録音は非常に良く聴かせるのですが、悪い録音はより悪く聴かせる傾向があります。アンプも同様で、基本性能の高いアンプとしょぼいアンプの差を、より拡大して聴かせてしまいますので(どんなアンプで聴いてもスピーカーの個性が勝ってしまうものもありますが、その反対です)、スーパースワンを使う場合は、アンプもある程度しっかりしたものを選んだ方がいいかもしれません。


質問などがありましたら、コメントでどうぞ>Joe's(ジョー)さん

2010年2月26日

ドラマ>のだめカンタービレ

なぜかここ数日、ドラマ版『のだめカンタービレ』を見ている。今日までにレギュラーシリーズ全11話とヨーロッパ編(1)を見た。いや、見たなんていうものではなくて、前半の6話までは2回か3回見た。もう浸りきってしまっているほど見ている。

もともと、こういう音楽もののコメディには弱いらしくて、『スゥイングガールズ』や『リンダリンダリンダ』や『スクール・オブ・ロック』なんかは相当な回数を見た。コメディだから、ぎゃはははと笑っていればよさそうなものなのだが、演奏シーンでは決まってナミダ目になる。

『のだめカンタービレ』も、ラブストーリーとかコメディの部分はわりとどうでもよくて、練習シーンや演奏シーンがひたすら楽しい。音楽好きだったのだなと思う。

わずかなギターの経験からだけでも、演奏する側の自分が途方もないイモであることは知っているのだが、聴く側としては、もともとの素質はそう捨てたもんではなかったのかもしれないと思わないでもない。その道に進むチャンスも、ないではなかった。

今、思い出す情景があって、たしか小学3年生くらいの時。学年ひとまとめにしてクラシックを聴かせる授業があり、曲はなんだったか忘れてしまったけれど、我を忘れて聴き入っており、目を閉じて上体がゆらゆらと揺れていたらしい。

ふと目を開けると、先生が二、三人でこちらを指さしてひそひそ話をしているのを見た。子供心に恥ずかしく、何か傷ついたような気もした。要するに、感じやすく、流されやすい子供だったのだ。音楽に、簡単にどこかに持っていかれてしまう子供だった。

のだめや千秋をはじめ、このドラマに出てくる連中は、天才だったり元神童だったりする。少なくとも音楽の世界では大なり小なりエリートではある。そういう連中に憧れたことはついになかったけれど、その学園生活は、それだけ見ていても楽しそうだ。

プロジェクターとスーパースワンで見ているものだから、断片とはいえ、ピュアオーディオなみの音質で、いろんな曲が聴けるのも楽しい。

子供たちに見てほしいと思って勧めるのだが、もう漫画で読んでいるから別にいい、とかいう。

漫画で音が聴けるかよ。

2010年2月18日

スーパースワンの作り方

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2月13日の夜、フィッシングショーYOKOHAMA 出展のために横浜に滞在していたワタシは、ひさしぶりに古い友達のjoe's(ジョー)さんと会った。joe'sさんは本名をヒグチといい、ヒグチだからjoe'sだという今となってはなかなかわかってもらえない理由でハンドルをつけた方なのだが、つきあいは相当古い。

もともと、パソコン通信のニフティ釣りフォーラム時代、山田一郎SYSOPの下で一緒にSUBSYSをやり、その後、ワタシがSYSOPをやらせてもらっている間は、淡水釣り系の会議室を担当してくださっていた。その間、波瀾万丈、疾風怒濤の運営物語があるのだが、これも今となってはなかなか話してもわかってもらえないだろうから、今後も一切、誰にも語るつもりはない。

ただ、ナミダ目になって歯を食いしばって耐えた日々があり、それに倍して、晴れて朗らかなヨロコビの日々もあり、その一切をお互いに路傍に置き捨てて、とりあえずそれぞれの道を歩んでいるわけである。

そのjoe'sさんの口から「スーパースワンを作りたいのだが・・・」という声がもれた。はるかな昔、わざわざ宮崎まで来られて、joe'sさんはスーパースワンの音を聴いたことがある。

スーパースワンというのは、故長岡鉄男師が設計したオーディオ用のスピーカーシステムで、10cmフルレンジを1発だけ使う。音源が一つなので定位は抜群、バッフル面積が最小のため音場感も抜群、さらにFE108Sという超強力ユニットのおかげで反応が速いため、とにかく音の立ち上がりが速い。

2ウエイ、3ウエイシステムに必須のネットワークが皆無なので、ネットワークによる音質劣化や位相のずれもない。ただし、このままでは低音がまったく出ないので、バックロードホーンで補っている。写真下部の箱の中は、折り曲げホーンになっており、ユニット背面から出る音のうち低音成分だけを増強して箱の背面から出す。

オーディオは音や音像、音場という、実体のない脳内イメージの世界であり、それをまた人の耳という、きわめてあてにならないものを頼りに、ああだこうだいう趣味であるから、好みは千差万別であり、これが世界一だという人も大勢いる代りに、あんなものはゴミ以下だという人も大勢いる。ワタシは世界一だとは思わないけれど、制作して15年もたつのに、なかなかこれに代わるものが見つからないで困っている。つまり、そのくらいの美点は認め、感じてもいる。

joe'sさんも、なにがしかの美点を認め、感じて、これを作ってみようかと思っているらしい。それならということで、何か書いてみることにした。

前置きが超長い(笑)。

スーパースワンは長岡師の600を超えるというスピーカーシステムのうち、人気投票で不動の一位を占める傑作である。ただし、発表は1992年で、その年にフォステクスで600個ほど生産されたFE108Sというユニットに合わせて設計されたものだから、この年に制作できた人は最大でも300人しかいないことになる。買ったきりオクラになったり、別の使い方をしたものもあるだろうから、実質200人というところか。

FE108Sは、その後、6N-FE108S、FE108ES、FE108ES2と、後継機種が発表されたのだが、それぞれやはり数百個という単位であり、現在、スーパースワンを作ろうとすれば、どうしてもユニットがネックになる。ありえないほどでっかいマグネットを背負った超高能率な10cmユニットなど、箱を自作することができ、しかもバックロードホーンが好きという人以外には使い途がないので、いかに名作ユニットといえども、フォステクスもそうたくさん生産するわけにはいかない。

こういうユニットを普通の密閉やバスレフの箱に入れると、それはシャワーを浴びるような爽快な音はするだろうけれど、低音不足で音楽を聴くのは無理だ。マグネットが強力すぎて、振動板をめちゃくちゃ強力に制動するため、共振による低音を稼ぐことができない。これらの限定ユニットは、バックロードホーン専用なわけである。そして、新品での入手は不可能。

オークションで買うとすれば、FE108ES2か、ちょっと小ぶりのFE88ES-Rが合いそうだが、出品が少なくなかなか高価だ。昨年700台限定でリリースされたマグネシウム振動板をもつMG100HR-Sは、やや非力のため、スーパースワンに入れると低域がゆるくなる傾向があるらしいので、これもベストではない。

そこで、妥協が必要になってくる。現行のユニットで普通に手に入るものとして、FE108EΣというものがある。FE108Sシリーズと比べれば、力不足は明らかではあるけれど、一応、バックロードホーンで使える。というか、レギュラーユニットではこれ一択である。美点もあって、とにかく高音が良く伸びる。振動板の材質が変って、昔いわれた紙臭さも少ない。

多少の非力さは承知の上で、こいつを無理やりスーパースワンの箱に入れて、あとはしらんぷりをするというのも悪くない選択だろうと思う。または、スーパースワン(D101S)の前に発表された、スワンa(D101a)を作る。こちらはFE108EΣの先祖であるFE106Σ用に設計されたものだから、より向いているはずだ。ただし、前面の補強板がない設計のため、なんだかのっぺらぼうに見えてしまうので、これは別途つけた方がルックス的に収まりが良さそうだ。

ちなみに、バックロードホーンの場合、箱に対してユニットが非力(正確にはマグネットによる駆動力の不足でホーンをドライブしきれない状態)だと、ホーンが鳴りっぱなしになって押さえが効かず、そのせいで低域が過剰でしまりが悪く、中音が引っ込んで、全体にスピード感が不足する傾向がある。いわゆる中抜けのローブーストなのだが、それがどの程度のものかはやってみなくてはわからない。

で、スーパースワンの作り方。

1)スーパースワン、またはスワンaの図面を手に入れる。
2)その図面を持って東急ハンズへ行き、板材(シナベニア15mm)をカットしてもらう。カット材は宅急便で送ってもらうこともできるはず。もしくは、MAKIZOUなどスピーカー専門のカットメーカーに依頼する。
3)秋葉原へ行き、コイズミ無線でFE108EΣをゲット。ネットでも買える。
4)作る。

と、きわめておおまか流れとしては、こんな感じになる。
必要な小物、道具類は。

<ユニットまわり>
●スピーカーターミナル
●吸音材
●内部配線材
●半田、半田ごて
●プラスドライバー

<エンクロージャーまわり>
●木工ボンド(アメリカ製のタイトボンドがおすすめ)
●サンドペーパー(80番、120番、240番、400番、600番)
●塗料(透明ウレタンが無難かも)
●釘(合釘が便利かも)
●金づち
●電動ドリル(DIYでレンタルも可)
●各種オモシ

※注意点しては、腰を痛めないように気をつける(笑)。

<参考>
コイズミ無線
MAKIZOU
スワンaとその仲間

だいたい、こんなところです。joe'sさん。

ちなみにjoe'sさんは、現在はタコの介といった方が通りが良い。関東の沖釣り専門誌「つり丸」の樋口編集長がこの人で、ワタシはどういう縁だか、この人を初めて手漕ぎゴムボートに乗せて一緒に波をかぶったことがあったのだった。

2010年2月10日

フィッシングショーOSAKA

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2月6日、7日にインテックス大阪で開催されたフィッシングショーに、業者として参加してきました。

Gear-Lab(ギアラボ)という釣具の開発・ネット販売のサイトを2001年からやっていて、モノとして優れて、市場が待ち望んでいるだろう製品はいくつも生まれているのですが、これまではコスト的に、一般の小売店で販売できるものは、かなり限られていました。

昨年秋にリリースしたEZノッターが、その状況をちょっと変えてくれ、これは抜本的に改善するチャンスかもしれないということで、素材・構造を徹底的に見直して、エギング・ロックフィッシュ専用バージョン【EZノッターSS】を、従来品の半分以下の価格でリリース。まさにその時期に、フィッシングショーOSAKAが開催されたというわけです。

このへんは、フィッシングショーのために開発を急いだということもあり、一方で、EZノッターのおかげでフィッシングショーに出展するきっかけができたということもありで、タイミング的に運も良かったのでしょう。

関西地方をえらい寒波が襲った当日、会場のインテックス大阪は、朝から大変な熱気に包まれておりました。入場料1200円を払って釣具を見に出かけてくるというのですから、この数万人は生半可な釣り好きではないわけで、大昔の新聞的な定型文でいうと「不景気など、どこ吹く風」でありました。

居並ぶ巨大企業の豪華・絢爛・華麗なブースに比べると、わがブースはいかにもこじんまりとした手作り感あふれるものではありましたが、幸い、お客さんは絶えることがなく、新開発の【EZノッターSS】も好意的に受け入れてもらえたようです。

この週末は、パシフィコ横浜会場にも出展します。ちょっと体調がいまいちなのがナニですが、EZノッターのデモは福山氏におかませして、私はお客さんとの四方山話を楽しもうと思っております。

2010年1月15日

成人式

話が前後してしまうのだが、3日は長女の成人式だった。

と、淡々と書いてはみたものの、どうも実感というものがない。もっとも自分の成人式の時には、引っ越したばかりで案内の葉書すら来ず、一人で福岡のアパートにいたので、成人式がどのようなものなのか、テレビでしか知らない。

大体、11日に成人式というところが多かったはずなのだが、長女の場合はなぜか3日にあった。出身中学校の同窓生のみというこじんまりしたもので、出席者は100名ほどだったらしい。宮崎市内のホテルで式があり、その後、懇親会になだれこんだということなので、ほぼ同窓会だな。おれらから見ると、なんだかセレブなノリである。しかも親も相当数、出席したそうである。こちらはそういうのは、ばかばかしいので行かない。

うちの場合は、18で高校を出た瞬間に、家庭内では成人であるので、20歳になったからといって特に訓辞を垂れることもなかった。好きなように生きるがよい。そのために必要ならば、努力もすればよい。その実りは、みんな自分のものだ。

2010年1月12日

祖母死して

祖母が8日に亡くなり、9日は葬儀で鹿児島へ。享年101歳。

葬儀場へ行ってみると、見慣れた大ホールに椅子が並ぶ、あの荘厳なような寂しいような情景とはちがって、広めの和室に祭壇と棺が置かれ、その前で親戚が数人、弁当を使っていた。10数年前に会ったきりの叔父がおり、30数年前に会ったきりの伯父もおり、なんだか葬儀というよりもひさしぶりの新年会のようでもある。

やがて弟の家族が来たり、妹が来たり、ほかに数人で総勢20名ほどの規模。それが棺に向かって正座をし、お経を聞いている。

101歳(満99歳)だから大往生というのでもなかろう。祖母は数年前まで母の家で暮し、こまめに細工ものなど作り、それをひ孫たちにプレゼントしたりもしていた。やがてターミナル医療の施設に入ったが、これも老境にさしかかった母は、毎日そこを訪ねて給食だけでは足りない、刺身だの魚の煮たのだのを差し入れていた。

亡くなる前日まで、いつも通りに食事をし、話をしていたという。そして、食べたくないと言った翌日に死に、正月明けの土曜日に、離ればなれになっていた家族をひとつの場に呼び寄せ、なんとも明るいとすらいえる弔いをさせた。

願わくば花の下にて春死なん・・・。

この西行の歌すら、稚気とか若気の至りと思わせてしまう堂々たる往生。西行が初めて小さく見えた。ひっそりと生き、木が枯れるように死に、その死に際に、ほのぼのとした花を咲かせた。西行の花よりも、それは美しく尊いもののように思える。

この祖母の家は、昔、鹿児島の鴨池で電器屋をやっており、そこへ遊びに行くと、いつも熱いミルクを飲ませてくれた。コップの表面に膜が張っているような、ごく熱いミルクで、その膜をよけながら飲みつつ、商売もののゲルマニウムラジオなどをいじっていたのだった。

2010年1月 2日

謹賀新年

新年あけまして、おめでとうございます。

元旦は朝から夜までサイトの更新とメルマガ書きで、結局、いつもの日よりもよく働く日になってしまったのだが、月初はいつもこうなのだから仕方がない。

とにかく月日の流れが早く、何の心の準備もできないままに正月になった。実感としてはようやく今日あたりクリスマスかなという。いや、12月10日くらいかなという感じなのだ。

ただ、大みそかには神棚を酒で清めてノリトをあげた。真新しいサカキも差した。これだけのことで、心のどこかがリセットされるような気がする。

ニホンのお正月もだいぶ味わいが変わってきた。明治神宮の青空球児・好児がいなくなったせいかもしれないな。