『歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』 マーク・ブキャナン著・ハヤカワ文庫 この本で学んだのは、「臨界状態(概念的な意味での)においては、平均が意味をなさない」ということ。そして、世の中のたいて
本>ホーキング、宇宙を語る
『ホーキング、宇宙を語る』読了。1か月近くもかかってしまったのは、途中で寝ちゃうからである(笑)。しかし、良い睡眠導入にはなった。 ホーキングは、この本を「誰にでもわかるように」書いたことは明白なのだけれど(理論物理学の本なのに数式
北杜夫について
この人が死んじゃったからには、何か書いておかなくては仕方ない。と思う。 15歳の頃に書き始めた日記には、あちこちのページに、手塚治虫のヒョウタンツギの絵が描いてある。 こんなのである。 たぶん、小6の時に読んだ「どくとるマンボウ航海
本>津軽三味線ひとり旅
『津軽三味線ひとり旅』(高橋竹山)。 初版は1975年。竹山の聞き書きによる自伝。字数はさほど多くはないのだが、内容が凄すぎて、面白く読んだとか楽しめたとか、そういう感想で終われる本ではなかった。心の奥にあった、ほとんどこれまで鳴っ
岩城宏之を読んでみる
中学校から高校に上がる前の春休み、というのかなんというのか、とにかく中学の卒業式を終えて高校の入学式を迎える休みの間の春の日に、FMラジオから岩城宏之のトツトツとした声が流れてきたのであった。なんでも、「若い人たちへの...」みたい
谷川俊太郎
コピーライターになりたいなあ、と漠然と考えていた80年代のある日に、ということは20代のある日ということなのだが、「鳩よ!」かなんかの雑誌に載っていた谷川俊太郎の『びわ』を読んで、何かものすごく視界が開けたような気がした。 ちょっと
本>方丈記私記
浸るような読書をしなくなって久しいのだが、寝しなに何かの活字がないと、わなわなと全身にフルエがくるという就寝時慢性活字中毒症が治ったわけではないので、そこらのものを手当たり次第に読むことは読む。 こんな風にあてどない読書なのだけれど
トマス・キッドの日々
男の夏は海洋冒険小説である。と、リキんでみるのだが、実はこのジャンルの作品はそう多くはない。しかも、ぼくの好きな18世紀英国海軍もの、となると、ぐっと少ない。だから、惜しみつつちょびっとずつ読んでいる。 この数週間は、英国のジュリア
本>ホーンブロワーその後
フォレスターの『ホーンブロワー』、あれから一気に順を追って5巻まで読んだ。『海軍士官候補生(1)』『スペイン要塞を撃滅せよ(2)』『砲艦ホットスパー(3)』『トルコ沖の砲煙(4)』『パナマの死闘(5)』という流れ。 全10巻なのだけ
本>ホーンブロワー・シリーズ
夏になると、ベッドで海の本が読みたくなる。いわゆる海洋冒険小説が妙に恋しい。『女王陛下のユリシーズ号』や『孤独の海』、『駆逐艦キーリング』も、たしか夏に読んだ。 で、以前からタイトルだけは知っていた『ホーンブロワー・シリーズ』を読み
本>失踪日記
失踪したいくらい忙しいので、ここに逃げてきた。たいした酒飲みでなくて幸いである。 吾妻ひでおにいかれていたのは、1978年頃から数年間。『吾妻ひでおに花束を』(1979年)も、当然持っていた。『不条理日記』と『メチルメタフィジーク』
本>赤塚不二夫1000ページ
和田誠責任編集「赤塚不二夫1000ページ」である。1975年に発行されたベスト版なのだが、いいタイミングで出されたとしかいいようがない。それ以降の赤塚さんは・・・なのだから。 ギャグ漫画は時代に鋭く反応しながら、その時代その時代の笑
本>下落合シネマ酔館
こないだ浦安のやまさき十三さんを訪ねた時、この本をもらった。十三さんと赤塚不二夫の映画に関するスラプスティックな対談集である。 やまさき十三さんは、『釣りバカ日誌』の原作者であり、ちょっとジャック・ニコルソンに似た渋い風貌のお方であ