本>失踪日記
失踪したいくらい忙しいので、ここに逃げてきた。たいした酒飲みでなくて幸いである。
吾妻ひでおにいかれていたのは、1978年頃から数年間。『吾妻ひでおに花束を』(1979年)も、当然持っていた。『不条理日記』と『メチルメタフィジーク』が大好きで、美少女系とか少年誌系は、あまり好きではなかった(ほんとである)。
以前紹介した河内健二という男も、たしかアジマニアだったと思う。彼が作る脱力系ゲームなどをみていると、その血は今でも脈々と流れていることがわかる。
ゲームタイトルからして、
・ガガガカート
・あぁ食われるぅ
・嗚呼神速の卓球よ
・隣の部屋の魔王
である。素晴らしい。
なかでもシーソーゲームは・・・。
Ezwebに乗り換えたくなるほど力が抜けていく・・・。
そういえば最近、吾妻ひでおを見ないけど、また自販機本かなんかで好きなことやってるのかな。自販機本の売れ行きは大丈夫なのかな。そういえば。
などということを、1年に1度ほど思いだすだけだったのだが、こないだTVの新刊本の番組で、書店の店頭に『失踪日記』が平積みされている映像がちらりと映った。一瞬、吾妻という字が見えた気もした。まさかと思って検索してみると、吾妻ひでお『失踪日記』という本が出ているではないか。2秒でアマゾンにつなぎ、2秒で商品にたどりつき、ワンクリックでご注文。所要時間5秒で本を買ったのは初めてだ。
本の内容については何もいいますまい。これを読んで泣いたファンも多いというが、ぼくはよくぞ生還してきてくれたと、その喜びの方が大きかった。線も丁寧で、いい頃の吾妻ひでおのものであり、堂々と吾妻ひでおの内容であり、これが売れて映画とかになって、蔵でも建てて、気が向けばアサヒ新聞とかに4コマの連載でもして、一生ゴハンのために働かなくてもいいようになればいいと心から願った。他人のために、こんなことを願うのもたぶん初めてだろうけど。
吾妻ひでおはぼくのアイドルであり、ひとつの時代の記号でもあった。今はただ、この人がいとおしいような気がする。無気力プロばんざい。
『失踪日記』吾妻ひでお イースト・プレス 1197円
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