ラジオ・デイズ

ラジオで育った最後の世代、といっていいのだろうと思う。 小学4年生の時、小さなヤケドをいくつかこしらえながら半田ゴテをふるって作った鉱石ラジオ。電池もないのに、なんで聞えるんだと今でも不思議は不思議なのだが、そのイヤホンだけで聴くことができたマッチ箱くらいのラジオで、落合恵子の深夜放送を聴いたのが、あれはたぶん、大人 …

映画>ヤッターマン

おそらく、ぼくらリアルタイム世代にとって、タイムボカンシリーズというのは、今の子どもたちが名探偵コナンを追うほどの熱中もなく、あるいは団塊の世代が平凡パンチを思うほどの郷愁があるわけでもなくて、何気なくそばにあったものが、ふと気づいてみると、たしかに自分たちの時代を語る何かであったのだというような、そんなものなんだ …

原辰徳さんのこと

プロの選手が主体になって以来、監督の名をつけて呼ばれないことになった初めての野球全日本チームが、WBCで優勝した。世界ランキング不動の1位であるキューバを2度完封し、デレク・ジーター主将とデーブ・ジョンソン監督が率いるアメリカにも勝ち、最後は韓国を制しての優勝は、なかなかすごいことだと思う。 この一ヶ月間、いろいろな …

映画>我が家の楽園

『我が家の楽園』(フランク・キャプラ監督/1939)。 映画をなかなか観ないのだが、映画にまつわる本はけっこう読んでいる。最近、山田宏一とか蓮見重彦なんかも読んだ。田中小実昌の映画のエッセイはとても好きだし、ドナルド・リチーの「黒澤明の映画」は、ここ1年くらい、ずっと枕元に置いてあったりする。 で、そういう人々 …

スピーカーについて

ここ15年ほど、市販スピーカーの世界から目を離しているうちに、どうも世間ではトールボーイ型のエンクロージャーが幅をきかせるようになっていた。 15年前は、小型2ウエイのブックシェルフが花盛りで、そいつを出来のいいスタンドに載せて鳴らすと、素晴らしい音場感が楽しめるのだという、そんな方向だった。今にして思えば、それは8 …

スーパースワンの後継

深夜、CHAPさんから電話。 「オーディオベーシックに、フォステクスの10cm限定ユニットの記事が出てる。スーパースワンの後継ユニットにどうだ」 ふむ。考えてみると、わがスーパースワンは制作からすでに15年ほどの歳月がたち(ほんとかよ)、常識的にいって、そろそろユニットはへたってくる頃ではある。スピーカーユニットと …

映画>黄金狂時代

『黄金狂時代』(チャールズ・チャップリン監督/1925)。 この映画のレビューも3回目くらいになる。とにかくこの作品は、構成もギャグも完璧。最後まで笑い転げていればいいのだけれど、一方で高慢のもたらす残酷さ、無教養がもたらす残酷さを、あんなに端的に描いた作品もないと思う。つまり、人の優しさは、自省や謙虚さや教養の …

映画>艦長ホレーショ

『艦長ホレーショ』(ラウール・ウォルシュ監督/1951)。 だいぶ体調も元に戻り、仕事も一山越したので、映画を観てみようと思った。いや、そう思ってから、かれこれ2か月くらいたつ思う。なかなか、その気力が湧かなかった。 コップについだ水があふれるくらいの、なにがしかの臨界点というのがあって、要するに映画を観る状態 …

釣りにいきてー、か?

何年ぶりかにルアー雑誌を読んでみた。さすがに昔ほど、フィールドテスターなんてのが幅をきかせる時代ではなくなったようなのは、慶賀の至りなのだが、まだ釣りの分野の書き手というのは、あまり育っていないように思える。 釣りがうまいだけの素人さんに、記事を書かせてはいかんだろうと思う。いや、そういうのもいてもいいのだけど、全部 …

独断と偏愛

避けたい言葉というのがいくつかあるが、「独断と偏見」というのは、たぶんTOP5に入る。70年代頃に、この言葉が出てきた頃には、まだカジュアルな感じが勝っていて、それなりに使えたけれど、あれから、もう何年たってると思ってるの。 わけのわからない子どもが使うのなら、仕方ないとしても、われわれの業界の打ち合わせの席などで、 …