談志の死

1週間ほど前に「落語のイリュージョン」という日記を書いた時に、そんな予感が、というか、おそらく誰もがそう感じていたことと思う。5月にあった弟子キウイの真打披露に出られなかったと聞いた時点で、覚悟はしていた。 10年ほど前に「談志を呼んでみるかい」と、ある興業関係の人から声をかけてもらったことがある。つまり、私が骨を …

落語のイリュージョン

落語にイリュージョンという概念を持ち込んだ立川談志は、たしかにその時点で周囲の噺家とはかけ離れたところにいたと思う。 思えば、この人くらい落語と現代というものに悩んでみせた噺家はいない。師匠に教わった通りに、ろくに言葉の検討もしないで古典をやっているだけの「本格派」や、ただ現代の事物を落語に置き換えただけの「新作派」 …

古典落語12席

こないだ人吉・洛柿亭の囲炉裏端で、三夜ほど仲間と飲んでいて、落語の話になった。まあ、話は釣りとかギターとか酒とかジャズとかスピーカーとかお灸とか、多方面に及ぶわけだけれど、たまたま落語の話になったわけだ。 主にワタシとしげさんの間で、主に三遊亭圓生論で盛り上がったのだけれど、それを聞いていた勝三郎さんが「私も少し、体 …

昼酒談志のこと

雨の日曜日に朝から重たい電話をしなくてはならず、気がふさぐので、じゅん坊さんを見習って昼酒をかっくらってみることにしました。で、今、酔っぱらいつつあります。と、酔っぱらいがいうわけですから、すでにだいぶ酔っておるのでしょう。 雨の日曜日の昼に、ただ酔っているのも変ですので(と思うところが、まだまだじゅん坊さんほどニン …

小三治を聞くこと

池袋演芸場二之席の、昼間のトリは柳家小三治。並んで、喬太郎の名も出ている。こりゃもうどうしたって行かなきゃでしょうということで、こないだの上京の時に、寒い中を池袋まで出ていった。 池袋演芸場には不思議な因果があって、過去に二回出かけて、二回とも木戸の前まで行きながらよしてしまった。どうもフが悪いというのか、切符売り場 …

落語>立川談志 71歳の反逆児

『立川談志 71歳の反逆児』(NHK BSハイビジョン)。 去年の夏、情熱大陸で見たので現在の談志がどういう状態であるのかは知っていた。でもね、わざわざ老いと病いに煩悶する姿ばかり出さなくてもいいんじゃないのか。とは思う。 70になりゃ、それは噺が飛ぶことだってあるだろうし、それについては談志は悩むにちがいないし、 …

落語>文珍、市馬、権太楼、圓蔵、鯉昇、扇辰

最近テレビで観たやつを、ふたたびまとめて。 「御神酒徳利」柳家権太楼(「落語の極」 BSジャパン) 落語ブームが起こるまで、寄席を第一線で支えた爆笑王は、まちがいなくこの人だった。冷え切った落語会を、長いこと引っ張ってきたこの人は、今でもトップランナーの一人であることは確かなのだけれど、その地力や功績からして、今の …

本>文楽の「あばらかべっそん」

「あばらかべっそん」(桂文楽 旺文社文庫 1980)。あまりにも有名な文楽の芸談エッセイなのだが、ずっと絶版になっていて、ようやく読むことができた。 生い立ちから横浜の薄荷問屋での奉公時代、桂小南への弟子入り、後の師匠である五代目左楽、名人円喬、オンナの話、芸の話と盛りだくさんで読み応えがあった。正岡容による聞き書き …

落語>ひとまとめに

最近、TVで見た落語の印象を、ざっとおさらい。 『新春落語研究会』 BS-i 「落語研究会」の2006年ベスト10というような趣向で、正月に2日間にわたって放送。 <上席> 「狸の釜」柳家花緑 「親子酒」三遊亭歌武蔵 「幾代餅」古今亭志ん輔 「そば清」春風亭昇太 「甲府い」橘家圓太郎 花緑は、最近マクラがあんまり …

落語>六代目小さん「紺屋高尾」

六代目小さんの「紺屋高尾」。NHK「日本の話芸」。 そもそも、なんちうか。誰がいったい三語楼を小さんになんか推したんだ。と、誰もが言いたいだろうけど、なったものを今さら野暮は言いたくないから黙ってるわけで、それでもこういうものを聞かされてしまうと、野暮は承知で言いたくもなるわけです。 わたくし、この「紺屋高尾」、こ …