2010年4月 9日

自転車を選ぶこと

2006年夏の自転車事故から、4年たった。
http://jun.fishing-forum.org/2006/09/post-267.html
http://jun.fishing-forum.org/2006/09/post-266.html

肺炎は10日ほどでおさまり、2週間後に鎖骨の手術をして、動かなかった右足も1か月後くらいにはなんとか普通に近い状態で歩けるようになり、その頃にはどうにか寝返りもうてるようになったのだけれど、右肩は術後に始まったリハビリの甲斐なく、半年たっても1年たっても使いものにならなくなっていた。

どうも肩の腱板が切れたか、切れかかったかしていたようなのだが、事故当時はあちこち骨折しており、肺炎を併発して、脂肪塞栓のオソレとかで、医者も見落としていたようだ。そもそもMRIを撮るのに横になることができなかった。切れた腱板が自力で治ることはないそうなのだが、1年後でも右腕は90度ほどに持ち上げるのがやっとの状態だったから、これはやっちまってるのだろうなと思っていた。

ところが人の体というのは、えらいものである。それから徐々に、ほんとうに薄紙をはがすように回復を続けて、2年半後には、とうとう右腕をぐるりと1周、回せるようになっていた。右腕を満足に使えない状態が2年半も続いたのかというよりも、よくもあんな状態から手術もしないで自力で回復したものだという思いの方が強い。それに、使えないなら使えないで、やがて慣れもするものだ。

今でもキャッチボールを上手投げでやるのは無理だし、腕立て伏せも1回か2回しかできないので、原状復帰とはいえないのかもしれないが、機能的にはまったく完全に回復した。そうなると気になってくるのは運動不足である。もともと運動が足りないのに、この4年間はほんとに何にもできなかった。

そこで、自転車に乗ってみることにした(笑)。

事故の後、自転車ブームはさらに加速しているのだが、今はまだまだ過渡期であると思う。スポーツ志向が強すぎる。日本人の何割かはそういう人種なのだが、真面目すぎるし、熱中しすぎる。たかが自転車であろう。そんなにしゃかりきに乗らなくてもいいのではないか。と、入院して少し哲学も変った(笑)。

しゃかりきに乗りたい人は乗ってもいいけれど、もともと、のんきに乗るつもりで生まれたクロスバイクというジャンルが、あまりにスポーツ志向になっているのは、ジャンルとして先鋭的というよりも、文化として発達途上であると思う。

さすがに、その反省もあって最近ではコンフォート系のクロスバイクも出てきた。本来、こちらが先に出てこなくてはならなかったのだろう。私が転んだJAMISのCODA SPORTのように、一瞬の手放し運転も許さないようなクイックな操作性などは、不要というよりも危険ですらある。

実はJAMISは、まだ保管してあって、タイヤなどのゴム系とチェーン、ワイヤー類を交換すれば、乗ることはできるのだけれど、さすがに同じ自転車でもう一度転ぶことはできないので、新しいのを買うことにした。それに、あの手の自転車を乗りこなすだけのものは、まだ戻っていそうにない。ハンドルが一文字というだけで、一昔前ならロードレーサーの作りだものな。しかもロードレーサーのように、まっすぐ走るようには出来ていない。

で、選んだのが、GIANTのGLIDE R2 というチャリだ。
http://www.giant.co.jp/giant09/bike_datail.php?p_id=L0718080&action=outline
2008年にラインナップに加わったばかりだから、新コンセプトということになるのだが、ここらへんが本来あるべきクロスバイクの概念に近いと思う。ロードとMTBの中間タイプとして生まれたのがクロスバイクだけれど、これはぐっとMTB寄り。それでも車重は13kgしかない。700x38cのスリックタイヤをはく。全体の印象としてはMTBの匂いは薄くて、クロスのスポーツ性が高まりすぎた反動で、ちょっと日和った方向にシフトするために、わざわざフロントサスをつけた感じ。

フロントサスは、以前なら絶対に選ばなかった。あんなもの重くなるだけで無用の長物。エネルギーもロスするし、いいことなんか何もない。というのが、フロントサス無用論の骨子で、私も以前はそう思っていた。今でも、特別に何かの役にたつとは思わない。

フロントサスを選んだ理由は、自分に対するブレーキというかイマシメでもある。ここらへんの、ちょっと日和ったくらいのバイクで、のんびりいこうぜよ。ということである。だから、精神的には非常に役にたつと思う。

タイヤの700x38cというのは、そこらへんのママチャリより太いので、これは交換を考えるかもしれない。それでも、幅が広くても接地面は狭いタイヤもあるので、あくまで現物を見てからのこと。このくらい太いと乗り味が良くなるという利点はあるし、車道と歩道を乗ったり降りたりしながら、本屋に通ったりするのにはいい自転車だろうと思う。

1週間ほど後に到着の予定。とりあえず近所の裏路地でも走ってみることにする。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fishing-forum.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/975

コメント

自転車は私もMTBが初めてで、いきなりロッキーマウンテンという玄人受けするブランドの物をいきなり買い付けて喜んでました。私はいずれにしてもMTBの機能そのものが欲しかったのでフロントサス、リヤサス、油圧ディスクブレーキ、シマノディオーレ以上のコンポ・・・っていうミーハーな選択の仕方で選んだのですが。^^;

時代はロードバイク一色で、雑誌にMTBの記事を見つけるだけでも苦労するようになってしまいましたね。全身キッチキチにロードレーサースーツで身を固め、一心不乱に漕ぐのは私は恐らく付いていけないのです。
MTBのように、多少舗装路では遅くとも、何処でも走れる、楽しく走れる、・・・そういう要素が大好きなんでしょうね。それには、やっぱ機能美・・が外せなかっただけなのですが、後から後悔する性格上、最初から上位クラスを購入するのは、私の場合は大前提なのかもしれません。(^^)

サルモサラーさん

ロッキーマウンテン、おそろしい値段がしそうですね^^;。私は高校生の頃、ちょっと自転車少年だったので、20代になってからもブリヂストンのスポルティーフとか、久留米のイワイオリジナルのロードとかを足がわりにしていました。

で、40代になってクロスバイクという言葉が出始めると、すぐに飛びついたのですが、この有様であります^^;。ドロップハンドルのランドナーがほしいのですけどね、ほんとは。ほぼパンクの心配もしなくていいし。

子供の頃、セミドロップハンドルに乗っていた世代というのは、今にして思うとかなり狭いようですけど、自転車にちょっとした特別の思いがあるように思います。20世紀少年の世代なんですね、このあたりは。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)