2011年2月 7日

PCスピーカーの自作について

なんだか最近、youtubeやニコ動で音楽を聴くことが増えたので、こましなPCスピーカーを自作してみようかなという気になってきた。

まあ、パソコンで音楽を聴くというのは、オーディオ的には論外である。パソコン自体、ノイズのかたまりであるし、接続ジャック等は粗雑で粗悪、センターには巨大な共振を起こすモニターがあるし、スピーカーの設置位置から手前には机が広がっているので、音響的には床置きに等しい。ソースにいたっては、CDや無圧縮音源をのぞけば論外以下だ。

これだけ不利な条件があるにもかかわらず、実際、PCで聴く時間が増えているのだから仕方がない。ものには妥協というものも必要である。

一方、最近になって希望がもてる条件も出てきた。まず安い中国製のデジタルアンプが、そこそこいい音がすること。前にTOPPING TP-21の感想を書いたけれど、これはPCスピーカーに使うには十分以上の音質と思う。これまで、PCスピーカーを作ろうとすれば、アンプをどうするかが大問題であり、小型アンプを自作して組み込むか、小型アンプを外付けするかだったのだが、前者は技術的に難度が高く、後者は適当な製品が見当たらなかった。このデジタルアンプは、PCスピーカーの自作においては革命的朗報と思う。

もうひとつは、USBデジタルプロセッサーに安くていい製品が出てきて、デジタルノイズの心配が実用上なくなった。うちで使っているのは、オンキヨーのSE-U55SXだけれど、これを通すのと通さないのでは、決定的に音質に差がある。

小型デジタルアンプとデジタルプロセッサーがあれば、あとはもう自由にユニットを選んでパッシブなスピーカーを作ればいい。素晴らしい時代になった(笑)。

で、ユニットの選定ということになるのだが、一応、タマ数の多い8cm~10cmフルレンジから選ぶことにする。ギターや歌がきれいに歌えばいいので、帯域もそんなに欲張らなくてもいいのだけれど、やっぱり低音はそこそこほしいので、100hzは中域と同等に確保。できれば70hzまでなんとかなりませんか、というところか。

重視するのは音の透明感と切れの良さ。あんまり付帯音のきついスピーカーよりも、素直に出てくるタイプが望ましい。中域のイメージとしてはFE103Mなど素晴らしかった。あの中高域に、そこそこの低域が加わるのが理想といえば理想。

箱の形状は、投影図としてはトールボーイに近くなると思う。設置条件から横幅をとれない代わりに、高さと奥行きはそこそこあっても大丈夫。PCの周りというのは混雑するものであるし、定位を考えれば、ユニットの中心部は高さ20cm~25cmくらいにあった方がいいので、おそらく高さは30cm~33cmくらいになりそう。35cm以上になると、存在感がありすぎる。

ユニットの候補はこれからだけれど、今のところ、フォステクスの新作FF-85WK、FF-105WKは、従来品よりもバスレフに使いやすそうなので一応チェック。8cmではAURA SOUND のNS3-193-8A(4180円/本)、VIFAのTG9F(4500円/本、)DIY AUDIOのSA/F80AMG(4280円/本)、MarkAudioのAlpair6(8500 円/本)、10cmではDaytonAudioのRS100(4250円/本)、MarkAudioのAlpair7(9500円/本)なんてところか。これらは一切音を聴いていないのだけれど、これもまあ仕方ない。パークオーディオのウッドコーンも気になるのだけれど、音の傾向はどんなのだろうな。

あとはバスレフにするか、ダブルバスレフにするかだけれど、これは箱の奥行きに差は出てくるにしても、投影図のアウトラインに大差はなさそう。どのユニット、どの型式を選んでも現状より大幅グレードアップは確実なので、気楽といえば気楽である。

追記:

しかし、最近の欧米中台の各社ユニットの特性を眺めてみると、明らかにトレンドはワイドレンジ・低能率の方向。8cmでf0が100hzを切るというのは、当然を通り越して絶対要件のようでもあるし、かといってワイドレンジ=m0が大きいと決まったわけでもなくて、Alpair6Pなどはf0が71.647 Hzでm0を2.325gに抑えている。

フォステクスFE83はm0が1.15gと超軽量で、この軽量振動板プラス強力な磁気回路がフォステクスのアイデンティティでもあり、もちろん大きな利点もあることなのだけれど、そろそろ、これとは別の路線のものも作った方がいいのではないかなという気がしてきた。

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