映画>三文役者
『三文役者』(新藤兼人監督/2000)。
これで何回目になるのかな。まだ観ていない映画のDVDが手元に20本くらいあるというのに、いざ観ようとすると、その観ようとする気持ちが重圧になってクルシムという、わけのわからない状態になることがあって、それはたぶん、こちらの心身のコンディションの問題なわけだけれど、どんなにひどい状態でも最後のセレクトに残る映画が何本かある。新藤兼人が殿山泰司に捧げた『三文役者』は、そんな映画なのだ。
この映画については、すでに何回か書いたので、詳しくはこちらを。
http://jun.fishing-forum.org/2007/04/post-276.html
http://jun.fishing-forum.org/2008/05/post-57.html
http://jun.fishing-forum.org/2008/05/post-60.html
まあ、癒されるということでいえば、こんなに癒される映画はない。
最近、「最後のセレクトに残る映画」としては、『渚にて(1959)』が妙に引っかかっている。どこかで核の最終兵器が使われ、人類が滅亡しつつある中で、意味不明の通信を発進するアメリカのどこかへ、最後の希望を託して潜水艦が向かうというお話。
結局、それもはかない希望だったことがわかり、人類はきれいさっぱり滅亡するのだけれど、テーマが大変なわりには、画面も物語もからりと乾いていて、あの妙な乾き具合が心地よかったような気がする。
コメントする
(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)