スーパースワンの作り方(2)
スーパースワンの作り方の続き。以下、友人のJoe's(ジョー)さんに向けての情報をまとめます。
●ユニット
ユニットは、まさに奇跡のタイミングでフォステクスから、FE103En-Sというものが、3月に限定発売されることがわかったので、これを使います。おそらく、FE108SUPERの直系といえるユニットではないかと想像しています。
●設計図・書籍等
スーパースワン(D-101s)の設計図は、『長岡鉄男最新スピーカークラフト(3) バックロードの傑作』という本に載っていますので、これを入手してください。
スーパースワンの前身であるスワンaの記事が載っている『スワンaとその仲間』も、できれば入手してください。こちらには、なぜこのような形のモノを思いついたかといったことが書かれてあり(夢に見たそうですが)、スワンというスピーカーの理解を深めるのに役立ちます。また、スワンa用に設計されたリアスピーカー『クレーン』の制作記事もあり、スピーカーマトリクスとは何かということが、よくわかると思います。
図面だけなら他に掲載している書籍があるのですが、詳しい解説がついているのは、上記くらいだったと思います。実際のところ、長岡バックロードホーンの基礎知識は、この2冊でほぼ網羅されています。いずれも中古本で品薄ですので、3000円以下なら涙を飲んで買いましょう(笑)。
●アンプ
アンプもこれから揃えるのですね。私は金田式のA級30W(70年代設計?)を使っています。金田式というのは、金田明彦という天才の手によるもので、もう30年以上も『無線と実験』誌にアンプ等を発表しており、今なお進化を続けています。
とにかく音のためには、素子の性能をぎりぎりまで引き出す設計をするため、安定動作させるためには、アンプを自作できるくらいの回路の知識が必要な感じだったのですが、最近はだいぶ安心して使えるようになったそうです。パーツセットは、大阪のテクニカルサンヨーで販売しています。
音は・・・一概にはいえませんが、とにかく駆動力がものすごいという印象があります。静寂の中から、突然、大スケールの音楽が飛び出してきて、また一瞬で静寂に戻っていく。リニアリティとかダイナミックレンジとかいう言葉だけでは足りない、余裕と奥行きを感じます。長岡スピーカーと同様に、現代の神話のひとつではあります。
金田アンプを使うには、テクニカルサンヨーでパーツセットを買って、当該機種が載っている『無線と実験』のバックナンバーを入手し、アンプ自作の経験のある人に制作を頼むというのが早道です。身近にいらっしゃらなければ、もしかすると友人の一人が引き受けてくれるかもしれません。
安全と使い勝手を優先するなら、市販のものでも十分いい音はしますし、真空管アンプ(これも多くはキット)なら、金田アンプほどデリケートではないので、制作を引き受けてくれる人が見つけやすいと思います。
●余談
スーパースワンの特徴として、良い録音は非常に良く聴かせるのですが、悪い録音はより悪く聴かせる傾向があります。アンプも同様で、基本性能の高いアンプとしょぼいアンプの差を、より拡大して聴かせてしまいますので(どんなアンプで聴いてもスピーカーの個性が勝ってしまうものもありますが、その反対です)、スーパースワンを使う場合は、アンプもある程度しっかりしたものを選んだ方がいいかもしれません。
質問などがありましたら、コメントでどうぞ>Joe's(ジョー)さん
コメント
JUNさん、解説ありがとう。
とりあえず『長岡鉄男最新スピーカークラフト(3) バックロードの傑作』と『スワンaとその仲間』の古書をアマゾンに注文しました。しめて5,716円。
スピーカーの材はMAKIZOUにオーダーしようと思います。しかし、なに気に首を突っ込んだ世界は途方もない。Joe's(ジョー)はオーディオマニアでもないから、ほどほどにしようと思っていますが、すでに6万円以上の出費。
アンプは市販のものを買いたいと思います。どんなもんがいいんでしょう。なるべく安くね。くれぐれもマニアじゃないという点を強調しておきます(笑)。
Posted by Joe's(ジョー) at 2010年3月 1日 13:09
Joe's(ジョー)さん
長岡さんの本で「こんなスピーカー見たことない」っていうの差し上げますから、mixyのメールからでも住所送って下さい。
僕は幸い嵌らずにヘッドフォンに逃げたので(^^;)、この本は要らないのです。
Posted by しん at 2010年3月 1日 13:52
しんさん。お久しぶりです。
釣れてますかぁ? と、オフィシャルな挨拶をしてと。
長岡本を譲ってくださるとのこと、ありがとうございます。
しかし、横浜のフィッシングショーでJUNさんに会わなかったら、こんな泥沼にはいらず、釣り三昧の生活が続いたのに。
あっ、先ほど嵐山光三郎から電話。「タコの介、3月末には冬眠から目覚めるからな。一発目は上越のマダイだ。三野さん(ミノカサゴ)は元気か。「つり丸」3/15いま読んでる。Twitterはやらんぞ」とのことでした。
ともかく、釣り、バラ、オーディオとややこしい趣味を3つ追いかけるハメになったJoe's(ジョー)です。
Posted by Joe's(ジョー) at 2010年3月 1日 14:29
Joe's(ジョー)さん
アンプはむずかしいですねー。ピュアオーディオの入り口クラスで、これなら間違いないだろうと思えるのを1つだけ挙げるとすれば、DENON のPMA-2000SE でしょうか。24kgの重量級。UHC-MOSのシングルプッシュプルです。私は、これの前身のやつしか聴いたことがありませんが、静かで瞬発力のある、しっかりした音でした。
あと、見た目も重視して、モノとして愛着も湧きそうで、ちょっと飲み屋なんかで話題にできるやつとして、真空管アンプのトライオード TRV-88SE というのがあります。音は聴いたことがありませんが、値段のわりに評価は高いです。KT-88のプッシュプルなんて、昔は夢のアンプでした。マッキントッシュのMC275なんて憧れたものです。必ずしも、いわゆる真空管らしい丸まっこい音ではなくて、エネルギー感のある音のような気もします。都内なら試聴できるところもあるでしょう。スーパースワンは低音のある帯域が過剰気味になるのですが(200hz前後?)、トーンコントロールがないので、このアンプの試聴ポイントもそこになると思います。まあ、気になれば背面に何か押し込めばいいですけど。
もうひとつ、最近の選択肢としてデジタルアンプがあります。この分野はうといのですが、従来の物量投入型ではなくて、すっきりコンパクトに収まり、しかも音がいいという話です。価格.COMを見ると、ONKYOのA-5VL が売れ筋1位になっていました。こちらは、デジタルトランスポートのND-S1と組み合わせて、PCやiPodに保存した音源をデジタル接続で聴くこともできます。時代を感じますね。先を見越せば、CD再生はいずれ過去のものになるのかもしれません。
Posted by JUN at 2010年3月 1日 14:34
JUNさん
アンプはデジタルアンプに傾いています。
PCから聞けるのもいいです。
Joe's(ジョー)
Posted by Joe's(ジョー) at 2010年3月 1日 17:30
Joe's(ジョー)さん
デジタルアンプ、面白そうですね。音源はCDから無圧縮で取り込んで、PC(HDD)から聴くPCオーディオというのが注目されていますが、こうなると、これからはCDプレーヤーがいらなくなる時代がくるのかもしれません。
Posted by JUN at 2010年3月 1日 18:45
僕もつるバラを10年ほどやっています。
冬の剪定を終えて、今はかわいい新芽が出ています。
今年は良いベイサルシュートが出るといいな。
株は4つしかないのに毎年200キロくらいの肥料を消費しています。
Posted by しん at 2010年3月 1日 20:06
JUNさんのブログだけど、気になったので
しんさん
年間200キロの肥料ってすごい。
つるバラはなんでしょう。
Joe's(ジョー)は50鉢くらい扱ってます。東京ではルーフバルコニーです。冬の鉢替えがまだなのにもう春めいて。剪定もまだ。
信州の田舎でもバラをやっていて、あっちはまだ冬だし、ややこしい。
最近はオールドローズにくらくら。
デジタルアンプの話でしたが、ごめん。
Posted by Joe's(ジョー) at 2010年3月 1日 23:16
本日、長岡本の「3 バックロードの傑作」が届きました。
もう、マニアの世界でアタマくらくらします。でも、頑張ります。
しんさん、「こんスピ」届きました。ありがとうございます。でも、Joe's(ジョー)はこんな世界に入ってはいけないと本をぱらぱらしながら思いました。Joe's(ジョー)にはバラがあるし。でも、頑張ります。
JUNさん。
スピーカーのなんたらのユニットの手続きが完了しました。3月末あたりに届くようです。でも、どうしよう。ちゃんちゃん。
Posted by Joe's(ジョー) at 2010年3月 6日 00:25
Joe's(ジョー)さん
スーパースワンは、カット済材を図面に書いてある手順通りに組み立てれば、特にむずかしいところはありませんので。先を急がずに、少し間をとりながら組み立てた方が精度は出るのですけど、まあ、お気の向くままに。
長岡さんの本は、文体とか着想が面白いですね。バックロードのD55の試聴記などは、そこまでいうかという感じですけど、「音」という曖昧なものにアプローチするのに、それなりにコンセプトを立てて迫っていくのが、読みものとしても楽しめた記憶があります。
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音は実物を聴いてもらう以外に伝えようがない。言葉で伝えようとすると、必ずウソをつけといわれてしまう。なぜってこのスピーカーを聴いたあとは 他のスピーカーを聴く気がしなくなる。D-70をも上回っているのではないかと思う。Dレンジの広さ、押し出し、圧力は比類がない。20センチ一発で40センチ4ウエイを凌ぐ圧倒的大音量再生が可能、一方微小信号にも強く、きわめて繊細で、とげとげしさは全く無い。ユニットが小口径、バッフル面積が小さいので音場感も良い。とにかく何を聴いても音楽が生きている。再生という言葉が生命の復活、蘇りを意味するのであれば、D-55こそ真の再生機であろう。
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これにやられた人は、多いのです笑。
Posted by JUN at 2010年3月 6日 18:30
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