ナチョ・リブレ 覆面の神様

『ナチョ・リブレ』(ジャレッド・ヘス監督/2006)。

『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックが、覆面のルチャ戦士となって修道院の窮状を救う。となると、タイガーマスクそのままなんだけど、アメリカにもメキシコにも伊達直人はいないだろうから、遠慮なくコメディとなる。

いいなあ。こういう、かるーくて、後になーんにも残らない映画。感動もなければメッセージもないし、人物の掘り下げがどうこういう筋合いのものでもない。もちろん、嫌なところもまったくない。

この映画を傑作だという人はたぶんいなさそうなんだけど、このくらい作品を後味引かずに軽く仕上げていくのも、これはこれで、なんかよほどのことではないかと思えてきた。ぼくにとっては、疲れたココロをほっとさせてくれる映画ではあった。メンソールの刺激も、マッサージの快感もないけど、いつのまにか効いているのですね。エレキバンみたいな映画でした。

で、ルチャ・リブレ(自由な戦い)は、ルチャ劇場ともいうべきメキシカンプロレス。テクニコ(ベビーフェイス)とルード(ヒール)に分かれて、高度な体さばきや独特の関節技、ストレッチ技を見せてくれるわけで、たとえば一時の新日スタイルとは対極にありそうなんだけど、ぼくはけっこう好きなのだ。時々、録画がテレビで流れたりするけど、あの会場の盛り上がりは素直にいいなあと思う。

プロレスと書いたけど、映画の主人公が最初に挑戦するのは、その一歩前の段階で、いわばアマチュアのプロレス。町の腕自慢みたいなのがプロをめざして戦う、ルチャのマイナーリーグみたいなものだった。そういう仕組みがあるんだとしたら、これもちょっといいなと思う。ローカルヒーローもきっとたくさんいるんだろうな。

ところで、エンディングは両者リングアウトのはずなんだけど、なぜか主人公の勝ちがコールされる。これ、よくわかんなかったけど、まあいいか。