2011年12月10日

Facebookの実名登録について

アカウントを取得して2年近く放置していたFacebookを、ぼつぼつ使ってみようかなと思ったのは、ここ数ヶ月で急速にパソコン通信だのmixiだのでつながっていた昔からの仲間が、Facebookでアクティブになってきたからだ。

私のネット歴は91年から始まっているので、商用インターネットより古い。ネット黎明期のパソコン通信時代は、ハンドルネームという匿名で登録する人が大半だったのと、95年くらいからのWEB草創期からずいぶん長い間、日本のマスコミが「ネットの被害」をことさらに言い立てたことと、それに伴う個人情報保護の考え方がやや過剰に定着したこともあって、ネットユーザーは自分の身元をさらすことを極度におそれてきた。

Facebookに限った話ではないのだが、たとえばアメリカではずいぶん前から、ネットに実名を出すのに、ほとんど抵抗感がないように感じていた。ちょっとした「釣り自慢」のコンテンツですら、実名と居住地が書いてあったりする。

私はWEB時代になった95年から、サイトに実名を出してきたのだけど、それで困ったということはない。むしろ、ひさしぶりにコンタクトをとってくる人と旧交を温めるとか、そういう、ヨイことばかりだった。何か身を潜める理由があれば別だけれど、大半の人はそんなこともなさそうだ。

「嫌なやつに読まれたくない」という話も聞くけれど、自分が嫌なら相手も嫌だろうから、そんなものは読まないと思う。「犯罪にまきこまれる」と真顔で心配する人もいる。マスコミの弊害だともいえるが、当人の冷静さの問題でもあろう。

ともあれ、Facebookが日本に登場した時、最大の壁になるといわれたのが、この実名主義だった。mixiは反論しているようだけど、この9月にはユーザー数でmixiを逆転したという調査もある。

おそろしいほどの変化なのだけれど、その変化が起こった時点はわかっても、その理由はよくわからない。ある時、ある瞬間に、実名への恐怖が一斉に消え去ったのだとしかいいようがない。

長く放置していて、ひさしぶりに使ってみると、なんじゃこれはというくらい仕様が変わっている。現在も、ほぼ日替わりでバージョンアップを続けているらしい。Twitterはじめ、他サイトのヨイトコどりの嵐である。よくわからないことも多いので、今、手探りでいろんな機能を確かめたりしている。

Twitterが性に合わないものであることは、すでにわかった。6年ほど前からやっているブログも、もともとがコミュニケーションを念頭におかずに、好きなことばかり書いているので、公開はしているけれど、私の場合、すでにストレージの一種になっている。

そういえば、ブログは更新しないと検索エンジンに上位表示されないとか、つまらない強迫観念が流行ったこともあったっけ。あれも理由のない流行だった。なぜ、上位表示されないといけないの?と。

mixiは思いのほか使い勝手がよくて、閉じた身内のコミュニケーションには非常にヨイことがわかったのだけれど、Facebookの日々洗練されていくインターフェースを見ていると、なんだか未来はこっちの方にあるんではないかという気がしている。でも、ブログとのRSS連携を遮断したのは、逆行ではないかな。取り込むだけ外部を取り込んで、ひとつの巨大なプラットフォームになればよいのにと思うのだけど。

国内でやるならmixiで十分、海外を視野に入れなければFacebookを使う必要はない。という1年前の常識は、早くも崩れた。

最大の壁だった実名登録への抵抗が、こんなに早く崩れるのだから、この世界は相変わらず動いている。仕掛ける側も、それを使う側も。

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