2011年10月22日

鯛ラバとオオモンハタ

ここんとこ、釣りといえば鯛ラバである。昨年の暮れに初めてやって以来、結局、それ以外の釣りはほとんどやっていない。キスも胴突のカサゴも、川のハエもハゼも、なんにもやっていない。7月には、サンディエゴから船に乗ってメキシコ沖までマグロ釣りに行くということもあったのだけれど、ついに一度も竿を出さなかった。

なぜそうなったのかよくわからないのだが、ひとつには鯛ラバが、基本的に五目釣りだからということもあると思う。鮎やハエやハゼを釣るのに、本命と外道があるのは仕方ないにしても、たくさんの魚種がひしめいている海の釣りで、魚を本命と外道に峻別するような感覚は、ぼくにはない。季節ごとに、場所ごとに、釣れるべき魚が釣れてくれるなら、それでいいではないかと思う。

カワハギ釣りでも始めれば、また別の見方も生まれてくるのだろうけれど、それにしても食べておいしい魚であれば外道とは呼ばない。たとえばカサゴやウスバハギやアジは、ぼくにとって外道ではない。そいつらがいそうな場所で、そいつらが釣れそうな仕掛けで釣っているのだもの。

この短い期間に、鯛ラバで釣れた魚は、マダイ、チダイ、イトフエフキ、オオモンハタ、ホウセキハタ、アカハタ、カサゴ、ウルマカサゴ、アカヤガラ、シロサバフグ、ウスバハギ、ワニエソといった面々で、本来ならこれに、ブリ、カンパチ、ヒラマサ、サバなどが加わっていてもおかしくない。

この中で外道といえるのは、ワニエソくらいだろうか。あとはみな、うれしい魚たちである。姿よく、釣って楽しく、食べておいしい。ワニエソだって、たぶん薩摩揚げにすればうまいんだろうと思う。幸い、数十メートルの底から引き上げてきても元気にしているので、即座にお帰りいただくのだけれど、あとは基本的にみんなお持ち帰りである。

それから、鯛ラバは落として巻くだけの釣りなので、手前船頭の釣りとしては手間いらずだということがある。コマセの始末もしなくていいし、エダスも何にもないのだから手前マツリということもない。エンジンを切って、落として巻いて、釣れなければ船を動かして、またエンジンを切って落として巻く。

あと、これは門川の海で私がやった時に、という前提の話だけれど、釣れる数がちょうどいいということがある。半日やって、3尾ほどの刺身がとれる魚がお持ち帰りになる。退屈もしないし、お荷物になるほどの釣果でもない。

こんな具合に何が釣れるかわからないし、何が釣れてもいいという、まことに結構な釣りなのだけれど、門川の場合、その主役はオオモンハタである。行けば必ず1尾は釣れてくれる。最長寸で52cmのやつもいたくらいで迫力もあるし、遊泳力があるので、釣りとしても楽しい。

ひとつ心配なのは、ハタ類は成長が遅いらしく、たとえばキジハタだと40cmに達するのに10年くらいかかるという。オオモンハタも似たようなものだとすれば、今、鯛ラバという新しい釣りでどんどん釣れてはいるけれど、調子にのって釣っていると、釣りきってしまうおそれがあるのではないか。

こいつは、リリースしようにも深場から上げてきた時に、だいぶダメージを受けていることがあるのでむずかしい。1日に1尾釣ってしまったら、その後は意識的に砂地を流す釣りに切り替えるとか(マダイなら砂地でも食ってくるので)、何かの工夫がいるかもしれないと思う。

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