2011年9月23日

ティップランとスパイラル

ニュートリノが光より速く、それが質量を持つことは確かなようだから、どうも今の物理学でいうと、「負の質量を持つ物質が未来から過去へ飛んできた」と解釈せざるを得ないらしい。

ということは...、どういうことになるのかな、これは...。と、柳家小三治の口まねで考えてみたのだが、よくわからないので長年の疑問に帰ることにする。ティップラン釣法とスパイラル釣法は、どこがどのように違うのか。ということである。釣り人だから、頭の中は、こんなものだ。

で、ガイド本を買ってきた。その名も『ボートエギング最強マニュアル スパイラル釣法・ティップランエギング完全解説』。こんな釣り本を買うのは、鮎を始めた頃以来ではないかな。こういう微妙な話は、WEBではだめなのだ。やはりプロの仕事が介入する必要がある。

で、まず、違いよりも重なる点の方が明らかになってきた。

●ボートを胴流しさせる。
●エギを潮上に向かって落として着底。
●着底後、シャクリを入れて海底から数m離して。
●数秒間、船の流れで水平移動させ、竿先でアタリをとる。

このように抽出してみると、この二つの釣りは本質的にはまったく同じものであることがわかる。

由来について詳しくは省くけど、一応、スパイラルが2003年に能登の海で、ティップランは2007年に伊勢の海で、それぞれ完成、名乗りを上げたということになっているらしい。京都に住む友人によると、若狭湾ではもっと前からやっていたということだ。

あえて違いを探せば、この二つの釣りを誰が発信しているかということになる。スパイラルは富所潤氏、ただ一人といっていい。メーカーはブリーデンがついている。ティップランは、非常に多くの人が語る。メーカーは元祖はバレーヒルらしいけれど、エギや竿はこれもまた非常に多くのメーカーが出している。

いわば、ティップランによるスパイラル包囲網といっていいのかもしれない。それでも富所氏の所見の深さと技術の高さ、釣法だけでなく船の操船まで視野に入れたりする広さは十分に魅力的だ。

大体、この人はヤンマーとびうお24の中古艇に乗っているくらいだから、よくものがわかっていると思う。胴流しをしようとすれば、和船に勝るものはないのだから。

技術的には、スパイラルは「ハイピッチ2段ジャーク」に象徴される。ティップランは、じゃか巻きでもなんでも、適当に好きにやんなさい。という感じで、このゆるさがいいのだろう。ちなみに、エギングもジギングもほとんどやったことがない私は、2段どころかじゃか巻きもうまくできない。船釣りの人は、そんな人が多いような気がする。

要は富所氏とブリーデンに惚れればスパイラルをやればいいし、とりあえず新式のボートエギングを試したいという場合は、ティップランとなる。つまり、スパイラルかそうでないか、という選択になる。

なんてことを考えていたら、釣具屋で無意識のうちにエギを9本も買い込んでしまっていた。残念ながらブリーデンの製品は置いてなかったので、こちらに選択の余地はない。竿も2段ジャークなどやると、その日のうちに折れそうなものしか持っていないので、こちらも選択の余地はない。

かくして、スパイラルよさげだけど、とりあえずティップラン。という世の中の大勢が出来上がってくるのだろう。

ほんの一部の人にしかわからなさそうな話で、申し訳なし。要は、アオリイカ食いたいぞ、そのために楽して釣りたいぞ、というだけのお話。

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