2011年9月20日

釣りビジョンを見ること

最近、ケーブルTVで釣りビジョンが放映されるようになって、時々、見ているわけです。10代の頃から、TVはあまり見なかったので、ここ30年ほど(笑)、世間のTV方面の話題にうといのだけれど、とりあえず見ているのは、ディスカバリーチャンネルと、ヒストリーチャンネルと、ナショナルジオグラフィックチャンネル。そこに釣りビジョンが加わったと。

釣りもどんどん多様化していて、それなりに面白いのだけれど、全体に船釣りの分野が拡大してきているような気がする。それも、乗り合いでやる、伝統的な沖釣りから、マイボート前提の釣りの比重が高くなってきたようだ。

ジギングは、まあ専用船もあるからいいとして、インチクやタイラバ、ライトジギング、オフショアキャスティングなんてのは、乗り合いがまだ少ないから、大勢としてはマイボートでやらざるを得ない。

マイボートの世界は、オーナーの高齢化と、それを補う若い世代の不足で、むしろ縮小している感すらあるので、そういう意味で市場は本来狭いのだけれど、釣りのシステムとして新しい、魚が釣れるから絵にもなる。そこでTVが追っかけるとなるのだろう。ただ、沖に出ないと、なかなか絵になる番組も作りづらいのかと思うと、ちとさびしい気もする。

ブラックバスは、世間の熱はさめて久しいけれど、この番組は熱心である。釣りのジャンルとしてあるものだから、番組を作るのは仕方ないのだが、「うわ、見たくないなあ」というのが、川のバス釣りで。ダムの流れ込みの、ヤマメなりがいそうな水の澄んだ渓流域で、大きなバスがうろうろしているのを、見るのはつらい。

釣りとしては、絵にもなるし、テクニカルでもあるし、こんなところにバスが的な意外性もありで、番組を作る側からすれば当然のことなのかもしれないけれど、あの光景を見るだけで、違和感を通り越して、悲しみが湧いてくる釣り人もいることをわかってほしい。

あと、オフショアのルアーでいうと、彼ら、釣りすぎる。それと、サイズのことをいいすぎる。釣った魚を、リリースしすぎる。50mの底から抜き上げた魚をリリースするのは、どうなんだと思う。数や型や魚種をテーマにしなくても、見て楽しい釣り番組は十分に作れるはずで、ひとつくらいはそういうシリーズがあってほしいもんだと思うわけです。

時に、メーカーの色どっぷりの番組もあって、今日はメガバスのメガノリというのを見た。電動ジギングでタチウオを釣ったり、タコジグでイイダコ、ルアーでマダイと釣って、自社製品の話もそれとなくあるわけだけれど、これは意外に面白かった。出演者の言動が、がつがつしていないのがいいんだろうと思う。こういう色ものの番組でも、それなりに面白くて嫌みにならないのは、結局、釣り人の人間的な部分なのだろうな。

私に何か一本、企画してということであれば、「地の釣りマニア」みたいな番組がいいかなと思う。

明石のえび撒き釣り、姫路の団子釣り、大分のアミ団子釣り、四国の遠投ボラ釣り、まだやってるらしい庄内のクロダイ釣り...。タイラバだって、九州西岸の地の釣りだったし、インチクは日本海の地の釣りだった。エギングだって、もともとは鹿児島や大分の船からの釣りで、陸っぱりでやり始めたのは、ついこの頃の話だ。それがまた先祖返りして、ボートエギングなんてあるけどね。

世間に知れて、標準的なシステムが出来上がってから追っかけるだけでなくて、こういう地の釣りをたどるだけで、ずいぶん豊かな気持ちになれるんじゃないかと思う。

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