2011年9月28日

トイレの100Wについて

トイレに100W電球をつけてみる。と書くのは、今の時勢になかなか勇気のいることである(笑)。しかし、やってみてごらんなさいな。いきなり世間が明るくなったような気がするものである。

「てやんでい。日に何度も使わねえ便所の節電なんかより、おれが明るい気持ちで生きていた方が、なんぼか世間の役に立たあ」と、立川談志なら啖呵を切るんだろうな。

これまでつけていた40Wの蛍光ボールが寿命を迎えたので(寿命10000時間とか40000時間とかパッケージには書いてあるけど、私には信じがたい)、替えを買いに行ってみたら、いつもの電気店にLED電球のコーナーができていた。

蛍光灯だと40W型とか60W型とかいうわけだけれど、LEDの時代ともなると、客観的にルーメンでいうのですね。同じ40W型でも明るさがちがうのが、これなら一目でわかる。

で、大体、400ルーメンから800ルーメンの範囲で商品があるわけだけれど、最高の800ルーメン(60W型と併記してある)で、4500円くらいする。

一応の目安として、「トイレには40Wで間に合う」ということになっているらしいのだけれど、もうひとつの常識として「人間、40を超えると倍の明るさが必要である」というのがあって、これを適用すると、私の場合、80Wとなる。60Wでは不足、100Wでやや過剰となるわけだ。

蛍光ボールと比較したLEDの利点は、スイッチを入れた瞬間に全力で明るくなるということ。蛍光灯の40W(800円くらい)では、スイッチを入れた瞬間はものすごく暗くて、ことに冬ともなると非常に暗くて、それからじわじわと明るくなってくる。

これが1400円くらいのクラスになると、「瞬時に明るい」とコピーが書いてあるけれど、明るいといってもフル出力の25%だから、まあかなり暗い。10W相当しかないのだから。

瞬時に明るくて、蛍光灯よりもちょっと省エネに役立つからといって、トイレの灯りに4500円を出費するというのは、これこそ無駄であろう。何かへの冒涜のような気さえする。

思わぬところで、迷いにはまってしまった。LEDか、蛍光灯か、あるいはもはや、それこそ風前の灯火である白熱電球か。

ちょうど今、技術的にハザマになっているのだろう。LEDが100W相当まで明るくなって2000円なら、文句なくそれにするのだが、ここはひとつ、400円の食卓用白熱電球を買ってみることにした。100Wである。おそらくここ数ヶ月、ほとんど売れていないにちがいない。

スイッチを入れる。瞬時に100Wの大出力でトイレはコウコウと明るい。なんて明るいのだ。私の目にも50Wくらいのありがたさが、わっといって押し寄せてくる。

世の中、無駄も必要であると思う。

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