APACHE64というロッド
いつの間にか、けったいなものが家にある。ということがある。
富美丸がとまっている日向市の港の近くにエースという釣具屋があって、ここは大規模店には珍しく、聞いたことに明確にてきぱきと答えてくれる。一般論は言わない。この場、この季節、この魚に実際に役に立つ、実用一点張りの答えを与えてくれるので、それを聞くだけでもここに行く甲斐がある。
で、最近の「輝け、いつのまにか家にあるけったいなものグランプリわが家地区予選第1位」は、APACHE64という、なんだかサーバーソフトみたいな名前の鯛ラバロッドである。
6000円~くらいだったから、この種のロッドとしては高くも安くもない。最近は釣具の世界も価格破壊が進んで、鯛ラバ入門ロッドは大体そんなものだ。それはいいのだが、この竿はメーカーがどこだかわからない。APACHEというのがメーカー名だとすれば、64というのが商品名になるのだが、そんなわけなかろうと思う。
しかも180cmと書いてある。モノのわかったメーカーなら絶対にこういうことはしない。ゲーム系の竿なら、フィートで表示するのが常だから、64と書いてあれば、普通は6フィート4インチと思うのだけれど、それがまた180cmなのだ。6:4調子ということかなとも思ったけれど、そんなこともない。第一、書くならレギュラーファーストとか、なんとかスローとか、気の利いた表現を使いそうなものだ。
これはもう、あれだ。国産では絶対になかろうと思う。どこかの国のヒトが、見よう見まねで作ったにちがいない。しかもメーカー名を名乗れない事情すらあるのだ。いよいよ怪しい。
WEBで調べてみたら、この竿の情報はただの一つもなかった。今、なんらかの形で店頭流通に乗っているもので、WEBにひとつも情報がないというのも異様である。さらに調べていくと、APACHE AH-64 という米国の攻撃ヘリコプターがあることがわかった。出どこは知れた。どこかの国の親米的な軍事オタクが、ひっそりと、にひひひひとか笑いながら作っていたのだ。
で、このロッドがなかなかいいのである。80gの鯛ラバくらいではびくともしないし、魚の食い込みも良く、ワンピースで短いせいだかバランスもとれて、竿ぶれもない。これから鯛ラバを始めようかという時には、いいロッドなんではないかと思う。素性の怪しさを気にしなければ。
このけったいなロッドが、なぜ家にあるかというと、例のエース釣具で勧められたからだ。
「鯛ラバやりたいんですけど、なんかおすすめの竿はありますか」
「これか、これですね」
「どうちがうの」
「鯛ラバ専用なら食い込み重視で、こっちがいいけど、インチクもやるならこっち」
「じゃあ、インチクも使えるそっちの方をください」
というわけである。同時に勧められたダイワのリザルト150というベイトリールも、使ってみればなかなかいい調子である。安いものを買ってうれしい、という趣味はぼくにはないのだが、わけわかんないけど使えるものというのは、何か小さな発見をしたようで、ちょっといいかなと思う。
コメント
怪しさ・妖しげにこそ色気を感じるのではないかと(笑)
釣りのポイントにしても、あそこは怪しい妖しい・・・とか言います。
あれは怪しいとかこいつは妖しいとか、そうなると自ずと興味が湧くもんです。
怪しい・怪しい=色気 であると断言できそうです。
特に男は・・・・・(笑)
Posted by ロッカーT at 2011年2月21日 23:38
この怪しいタックルで、いつまでも釣りを楽しめるような
心のユトリを持ち続けていたいもんだと思いますね。
ぼくがステラなんか持っても、似合わないだけでなくて、
あんまり意味がないものなあ。
今日は、怪しくない和船を見に行ってきました。
Posted by JUN at 2011年2月22日 00:54
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