2011年1月23日

中国のGDPシェアと今後

中国が日本を抜いて世界のGDPシェア2位になったことについての追記。

日本が1969年以来、42年間保ってきたGDP2位の座を明け渡したことは、日本にとってと同時に国際政治の場において、今後微妙な(もしかしたら相当大きな)影響があるように思う。

GDPの大きさがそのまま国際社会の発言力につながるわけではない、という建前は建前として、実際にはその通りだろう。あらゆる先進国は、すでに中国市場にものを売ることで自国の経済を立てており、中国が抱える人権問題をはじめとするさまざまな矛盾には、強く指摘できない事情がある。

また、中国としても内部にいろいろ議論はあるようだけれど、現在のところ自国は、急激な民主化には耐えられないと考えているようで、企業やメディアへの統制はむしろ強化されてきている。

さらに昨日の日経からひくと、2009年現在と2030年の予測として、日米中のGDPシェアはこんな感じになる。日本8.8%→5.8%、アメリカ24.9%→17.0%、中国8.3%→23.9%。(内閣府推計)

予測はあくまで予測ではあるけれど、20年後には、中国はアメリカに代わるGDP世界一の国になり、そのシェアは日本とアメリカを足したものよりも大きくなっている。その時、中国が現在のように共産党独裁のままなのかどうか、あいからわず民主化が進まず、あらゆる規制・統制のうちに国家戦略を進める国であるのかというのは、世界にとって大きな関心事だろう。

今の国際ルールと称するものが、中国にとっての国際ルールに代わってしまう可能性すらあると思う。その矛盾。そして中国国内で多発する暴動やデモに見られるような国民間の矛盾。

中国の現在を日本の70年代に比べる意見があるけれど、ぼくはむしろ帝政ロシア末期に似ていなくもないと思う。ロシアは国内に起こった革命の矛先を、日露戦争に向けたような格好になったけれど、中国はうまく乗り切れるのだろうかと。

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コメント

知り合いの中国人(北京大学で経済学を教えている)からの話しですが、中国本土の経済人の間では、土地バブルの崩壊が近いって騒ぎになっているらしい。土地バブルとは言っても、土地は全て国保有なので、建物バブルと言うべき。

政府は必死になって軟着陸を目指しているらしいけど、投資してるのが一般庶民なので、歯止めが利かなくっているようです(過去の各種バブルも主役は一般庶民でしたけどね)。

建物投資が、ステイタスであったり競争であったりするんで、煽られるように投資額を増やしているようです。そんなんで歯止め利かないし、経済界からの警告も耳に入らない。バブルが悪い形で弾けると、GDPも何も無くなってしまいかねないって規模なのだそうな。

同様の記事は日経新聞でも度々取り上げられているけど、実態はもっと酷いもののようです。

かなり怖い話しですが・・

じゅん坊さん

うーん。それは怖い。
ちょっと想像したくないほど、世界に影響が大きいですね。

まあ、成長の地力はあるので日本みたいに20年も沈黙というのは
ないのでしょうが、今や世界のマーケットですから。

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