TPPへの反対は29%
地元の新聞社が18、19日に行った意識調査で、宮崎県民のTPPへの反対は28.9%であることがわかった。賛成は20.4%、どちらでも良いが25.2%、TPPを知らないが21.3%となっている。
先日、「TPPに総反対でいいのかな」と書いたわけだけれど、反対が29%しかいない状態で県議会、宮崎市議会が反対の決議をして、農業団体の反対集会で知事はじめ政治家が反対を表明するというのは、やはりどこか民意の反映という部分でおかしい。
国政についても、結局、民主党は内部議員の反対にあってTPPへの参加の道のりを示すことができないままでいる。どうもこれは、選挙制度そのものに問題があるのではないか。
GDPで1%、就業人口で3%の農業が、政治的には巨大な力を持ちすぎているというのは、このような国際的な問題になった時に、国益という部分でどうなんだと思う。地方に住む者としては、国会議員が人口比率だけで選ばれてはかなわないということもたしかにあるのだけれど、その地方に住む者から見ても、TPPへの政治の対応には、どこか構造的な欠陥とか弱さがあるように感じられる。
選挙の現場からいえば、自民党が衰退し、公共事業がしぼんで、組織選挙が成り立たなくなってきた中で、少ないながらも確固としたまとまりをもつ農業団体の票は、むしろ存在感を増しているということがある。
そこへ、農業の利益をこれだけ損ないますという農水省の試算が出て、その試算の検証もしないままに「これは大変」と多くの地方政治家が反対に回り、その結果「地方の少数の声を国政に生かす」という現状のシステムの負の部分が露呈したといえるのではないだろうか。
同じ構造が、国政にも県政にも市政にもあるということが、この10月以降に明らかになってきたわけで、現状、この落としどころをどうするかというのは、誰にも出口が見えないのではないかと思う。政治改革をするためには、政治の安定が必要である。という、痛しかゆしの矛盾が、こんなに切実に感じられたことはない。
ちなみに私の答えは、上にはないけれど「どちらともいえない」なのだった。損なわれる農業の利益をどう補填するのか、あるいは調整するのかといった道筋が見えない中で、どっちか答えろというのはちょっと無理があると思う。
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