最近観た映画
『座頭市 あばれ火祭り』(三隅研次監督/1970)。
なにげにつけた日本映画専門チャンネルでちょうど始まるところで、普通なら観ることもないのだけれど、「撮影:宮川一夫」というクレジットにひかれ、ついでに「ハイビジョン化」という文言にもひかれて、観てみた。シリーズ21作目という、途方もないマンネリなのだけれど、いやいや、面白いものですな。
キャストが無駄に豪華なのも凄いもので。勝新太郎、森雅之、大原麗子、吉行和子、仲代達矢、西村晃...。変な格好をした若い衆が出てきて、研ナオコかと思ったらピーターだった。あの二人があんなに似てるというのも発見といえば発見。
『座頭市物語』(三隅研次監督/1962)。
その第一作目。ファンの間では比較的地味であるとか、見所が少ないとかいう評価らしいけれど、なんのなんの。ひさしぶりにわくわくするほど面白かったし、勝新太郎のいい男ぶりに驚いた。しばらくシリーズを観ていこうと思う。
『カンフー・パンダ』(2008年)。
これで3回目。超お気に入りというほどではないのだろうけど、3回も観るというのはそういうことか?「運命とは逃れようとする道筋にやってくるものです」などというウーグェイ導師のコメントが面白い。
『隠し剣 鬼の爪』(山田洋次監督/2004)。
『たそがれ清兵衛』(2002)の二番煎じだとか、二匹目のどじょうだとかいう人の心根がわからない。いや、実はわからないでもない。そういう人にとっては、最高の映画こそ映画であって、あとはゴミなのだ。二匹目のどじょうが、より太ったうまいどじょうであることも、ままあるのだし。それは作品の完成度とか、キャラの立ち方とか、全体を見渡した時の「立派さ」という点では『たそがれ』の方がずっと上なのだろうけれど、この永瀬正敏と松たか子の「がんす国物語」も、ぼくはずいぶんと好きだ。
欠点というべきか魅力というべきかわからないけれど、敵役の悪家老の緒方拳が、やはり緒方拳だけにどこか憎めない。最後の決闘シーンで戦う小澤征悦も、『篤姫』で西郷隆盛をやってたくらいで、斬るにはしのびない(笑)。そういう点で物語としてのカタルシスは不十分になるのかもしれないけれど、わかった上での山田洋次演出だろうと思う。これは落語なんである。人間の業の肯定というやつだ。それでいいじゃないかと思う。
『陰陽師』『陰陽師2』(滝田洋二郎監督/2001、2003)
野村萬斎という狂言師の俳優としての面白さと、安倍晴明に着目した原作の面白さにつきると思う。
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