2010年6月14日

小型船舶免許

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昨年5月に24フィートのディーゼル艇、「富美丸」を購入して、なろうことなら、このまま船舶免許なしで乗り切ろうかと考えていたのだが笑、そういうわけにもいかないので、免許をとることにした。

2級小型船舶免許というもので、総トン数20トン未満の船を、海岸から5海里(約9km)の範囲で乗ることができる。その上は1級で、こちらも船のサイズは一緒、ただし航行区域は無制限になる。とはいえ、富美丸は船自体が5海里までしか航行できないので、2級で困るということはない。

免許のとり方は大別して、受験コースと教習コースの二通りある。受験コースは自動車学校のようなもので、学科と実技を教えてもらった後に、国家試験を受ける。教習コースは学科と実技の教習の後に、修了試験があり、これに合格すると国家試験免除となる。費用は、宮崎周辺で調べたところ、受験コースが87000円、教習コースが127000円。

もうひとつ、誰の助けも借りずに一発受験という方法もあり、これは学科教本と例題集を猛勉強すれば、なんとかなるかもしれない。実技も教本があるので、一発合格は無理でも2、3回受験すればなんとかなる可能性はある。

たいていは、受験コースで取得する人が多いようなのだが、日程が一番近かったことと教習場所が自宅のすぐそばということと、少しでも面倒がない方がよかろうということで、教習コースを選択することにした。うかうかしてると、すぐに台風シーズンだものな。

そんなわけで12日(土)、13日(日)と学科の教習を受けてきた。場所は、サンマリーナ宮崎のクラブハウスで、うちから自転車でも10分くらいのところにある。さかなBBSの田中先生が、よくフィッシュウォッチングをされているところ。流星号さんも、ここのクルーザーでよく宴会をしているらしい。

で、学科教習とは何をするかというと、先生の側からすると「本文168Pに及ぶ学科教本を、2日間で教え、よほどのことがないかぎり修了試験に合格させる」ということに尽きる。1日6時間×2日の日程で、ひたすら船にまつわる法規だの心得だのを授業するわけだけれど、今回の生徒は2名であり、非常に濃ゆい時間となるのは必然なのだった。

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そもそも、受験コースに比べて高い料金となるわけなので、さぞ懇切丁寧で親切に教えてくれるのであろうと考える人もいるだろうけれど、懇切丁寧で親切は間違いないとしても、私が受けたJEIS(財団法人・日本船舶職員養成協会)というのは、いわゆる民間業者とはちょっと異なり、先生たちも元・海の男という人が多そうである。

現に私の先生も元商船乗りで、喜望峰もホーン岬も知っており、世界中の主な港で行ったことがないところはない、というような筋金の入った海の男であって、やはり、どこかポキポキとしている。社会人になって、こんなにまとまった時間、机に座って誰かにものを教わるということがないので、授業開始15分でネムクて仕方なくなったのだが、生徒が2名では眠るわけにもいかず、ポキポキと授業を受けるしかなかったのだった。

どうにか2日間の教習を終え、修了試験となる。4択のマークシートで50問中33問正解すれば合格というゆるさだから、まあ、普通に新聞を読めるくらいの知性があって、授業をちゃんと聞いていれば落ちるということはなく、合格率はほぼ100%という。仮に落ちても再試験をやってくれる。

この先生の体験では、これまでに4名の人が字をうまく読めなくて、そういう時には口頭で出題して解答させる制度があったそうだ。それでも全員合格したらしい。最近は、そういうやり方はできなくなったとのこと。

学科教本とは別に例題集というものがあり、50のジャンルに16問の例題が載っている。修了試験の50問は、ほぼこの合計800の例題から選ばれるのだが、とても800もやっていられないので、一通り授業で教えた後に、「この問題をチェックしておきなさい」ということになる。ズルというよりも、短時間で海の交通や法規を教えるには、非常に洗練されたシステムといった方がいい。

まったくわけがわからずに初日の1時間目を迎えても(ほとんどすべての人がそうなのだろうが)、翌日の夕方には、おおまかな概略くらいは頭に植えつけられているのだから、教育のシステムとして優秀だと思う。

そんなわけで、学科の修了試験は無事終了。自己採点では、たぶん満点とれていると思う。来週は実技で、今日、実技の先生が学科の試験問題を持って福岡から来ていたのだが、道場六三郎を無愛想にしたような人で、これもたぶん、なんかの海の男なのであろうと思う。

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コメント

僕の時は実技の試験官が最低の男でした。若い受験生が萎縮しちゃって、かわいそうでした。クレームを入れようとしたくらいです。ただし合格後(^^;)。

しんさん

試験官がよくないと、どうもこの先のマリンライフというものにも暗雲がたれこめますな^^;。そういう意味で、この世界の入り口の印象を背負ってるんだというような自覚が…、ないのでしょうね。

今年は春先から嵐のような天気が多くて、数日続いて、海が安定することが少なかったです。これからしばらくは梅雨だし、梅雨が明けたら暑いし^^;、そのうちに台風もくるしで、少しでも時間をみつけて船に乗らなくちゃなあと思っております。

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