2010年5月22日

映画>マスター・アンド・ウォリアー

『マスター・アンド・ウォリアー』(アイヴァン・バッサー監督/1995)。

タイトルがこれで、前・後編3合わせて3時間の大作で、パッケージに嵐の中の帆船が描いてあって、製作総指揮フランシス・コッポラとあれば、どんな壮大な海洋冒険映画だろうと、純粋なワタシなどはついよろめいてしまう。だもので、よろめきながらレジへ行き、よろめきながら家へ帰って観てみた。

いや、しかし、これはひどいダマシであった。船のシーンなど前半の15分くらいしかない。あとは、緑豊かなスコットランドの高地を、トマス・キッドシリーズでエビと呼ばれていた赤い服を着た英国兵士が走り、それに追われる主人公二人が走るというのが最後まで延々と続く。

そもそも、パクられた側の『マスター(航海長)・アンド・コマンダー(指揮官)』というのは、英国海軍の海尉艦長を指す用語で、これを聞くだけで、おそらくはまだ若くて、やり手の、快速小型艦の艦長で、主任務は連絡とかだけど野心はあって、提督から将来を嘱望されてたりするかっこいいやつが出てくるんじゃないかな、などと想像をふくらませることもできるわけだけれど、『マスター・アンド・ウォリアー』というのは、いったい何なのか、今だにわからない。

原題はKIDNAPPED(誘拐)だから、日本の配給会社がつけたタイトルだけど、つけた本人もわけがわかってないのではないか。こういうのには、へそ噛んでわびを入れてほしいと思う。

ドラマとしての出来も、ちょっとドタバタ感があり、無理やりなご都合主義も満載で、そんなに上質なものではないし、映画としてのスケール感も、まあBBC製作のスペシャルドラマといったレベルなのだけど、とにかくこのタイトルのひどさほど、ひどい内容ではない。

今夜は『2012』と二本立てで、まあ、どちらも「.........。」というところはあったにしても、それなりに飽きずに観ることはできた。いつも名作、感動作ばかりでは疲れるしね。

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