2010年4月13日

FE103En-S試聴のこと

fe103EnS.jpg

フォステクスが突如としてリリースしたFE103En-S(限定800本)は、90年代に長岡鉄男設計のバックロードホーン、とりわけスーパースワンを作った人たちにとっては、まさに天恵となるべきユニットである。はずだ。と、多くの人が信じている。

どのように天恵であるかというと、スーパースワン開発のきっかけとなった超強力ユニットFE108Sが発売されたのが1992年。その後、6N-FE108S、FE108ESときて、最後の直系ユニットFE108ES2が発売されたのが2000年頃だったから、つまり、「スーパースワンに交換可能な最新型ユニット」が、10年も前のやつだったのだ。しかも、生産はそれぞれ数百台というものだったので、発売時期を逃してしまうとなかなか入手が困難だった。

昨年、MG100HR-Sというものが、バックロードホーンに使えるという触れ込みで登場したのだが(限定700台)、なるほどマグネットは強力そうだけれど、Mo(振動系質量)が5.4gと大きく、こいつはむしろバスレフ向きなんではないかと、少なくともスーパースワンにはどうなんだろうと、私を含めて日本中で1500人くらいが小首をかしげたはずである。実際、これをスーパースワンに入れてみたところ、美音は美音であるけれど、非力の感は否めないようだった。しかもこいつは、1本29925円もしやがったのだ。

もはやスーパースワン使いは、手持ちのFE108S系ユニットが寿命を迎えるのとともに、風吹きすさぶ荒野に、牛の骨とともに倒れて朽ちるしかないと思われていたところに、こりゃもう、どうみたってFE108Sの直系でしょうというような、シンプルなフレームとコーンをもつFE103En-Sが、突如として登場したわけである。

現用の6N-FE108Sと比較すると、エッジが波打っているのと、フレームにネジ穴が8つついているのと、振動板がESコーンに変って白っぽくなっているのと、センターキャップに黒い縁取りがあるのがちがうくらいで、そのたたずまいは、ファミリーというよりも双子というくらい、よく似ている。

で、こいつがどんな音なのか、スーパースワンに片チャンネルだけつけてみた。

fe103EnS2.jpg

曲は、アート・ペッパーの「Meets The Rythm Section」から「You'd Be So Nice To Come Home To」。これをモノラル再生して、片チャンずつ聴き比べようという作戦だ。新ユニットの方は、買ったまんまなのでエージングゼロの状態である。

試聴。

エージングゼロのフォステクスユニットを聴く時は、ある覚悟というか、想定している音があるものなのだが、ESコーンに変ってから、それは基本的に裏切られる。紙コーン時代の、カンカン、キンキン、カサカサした印象はほとんどなくて、いきなりまともな音がする。

私は実はESコーンの音にあまりいい印象がなくて、どうも紙のコーンとは別の意味での付帯音がつきまとう感じがすることが多いのだが、これはそういう「ESくささ」がほとんど感じられない。いつも聴いているスーパースワンの音と、よく似ている。

旧ユニット(6N-FE108S)に切替えると、さすがにこちらの方が高域は澄みわたり、ダイナミックレンジが豊かで、低域は押し出しがある。つまり、FE103En-Sの方が、中高域が少しつまり、そのためダイナミックレンジがもの足りず、低域は少し柔らかめ。ということになるのだが、その差は大きくない。

というか、新品のまっさらなユニットなのに、まともに音楽が聴けてしまう。これがいいことなのか、悪いことなのか、よくわからない。世間で紙くさいと評判の昔のフォステクスユニットが、いざエージングが進んだ時の、それをちゃんとしたアンプで鳴らした時の、自然な艶とか透明感、瞬発力というものが、ESコーンに訪れるのかどうかは、経験がないのでわからない。

ただ、今のところ、新旧ユニットの差は意外なほどに少ない。あとはエージングでどこまで6N-108Sに迫れるのか、あるいはそれを上回る美点を持ちえるのか、期待と不安のうちに、しばらく経過をみるしかないわけである。ただ、素性はかなり良さそうだな、と感じている。

ひとつ面白い体験をした。FE103En-Sは、右側のスピーカーからモノラルで鳴らしたのだが、ドラムの低い方とベースは、センターからやや左側に定位する。サックスは右寄りではあるけれど、ぐっと手前の方に一歩出てきたところに定位する。低域に方向性がないとはよくいわれることだけれど、それほどの超低域というわけでもない。それがなぜ左寄りに定位するのか、よくわからない。

そしてこの定位の違和感は、左にセットしてある6N-FE108Sより、右のFE103En-Sの方が強く現われた。これが何を意味するのかも、よくわからない。オーディオは、時々、こういうオカルトのようなことが起こる。

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コメント

FE103En-S、振動板がES素材だけあって、純パルプ振動板にあった紙くささはあまりないようですね。
手持ちのユニットを引っ張り出してみると、6本のFE108Sのほかに、1度だけ限定生産されたFE108ES(IIにあらず)まで出てきて、FE103En-Sの購入をどうしようか迷いに迷っています。
JUNさんやJoe's(ジョー)さんには、わたしから購入をけしかけたようなものなので、なんともお恥ずかしい限りです・・・。(^^;

フォステクス史上最も壮絶サウンドのユニットが欲しいと半ば衝動的に、今の部屋ではちゃんと鳴らせないことを承知の上で買ってしまった6N-FE208SSなんてのもそのまま置いてあって・・・、困ったものです。

ひょせんさん

ユニットって、いつのまにか貯まりますね。うちにも5組ほど、たぶん使わないだろうなあというやつが眠っています。

FE108S系では、やっぱり6Nを含めてオリジナルが永遠のお手本のような気がしています。結局、これを超えたという話は聞きませんし。ただ、今度のFE103En-Sは、意外なほどオリジナルに近い鳴り方をしますね。

しかし、10cm限定ユニットが8本もあるのでしたら、何か使い途を考えないとですね^^;。

パルテノン関連のコメントにも書きましたが、今回は結局FE103En-Sを手に入れられなかった、ひょせんです。(^^;

> FE108S系では、やっぱり6Nを含めてオリジナルが
> 永遠のお手本のような気がしています。

FE108S、168SS、208SSは、その時点でのシグマ・シリーズの特徴をより伸ばす(というか、突き抜ける)方向でのスペシャル版(スペシャルといっても、八方美人の万能タイプではないですが。)だったのに対し、FE108ESII、168ES、208ESは、旧限定版の牙を抜いたようなスペシャル版として見た目のギミックにも凝った姿で登場し、それらの駆動力を減衰させた製品として現行Eシグマ・シリーズがあるといった感じですね。

以前、2ちゃんねる掲示板では、純パルプ素材やサブ・コーンが付いている振動板を目の敵にする書き込みが目に付きましたが、実際に製品を使っている人が書き込んでいるかどうかさえ分からないのに、メーカーが行うマーケティングでそういった意見を尊重されたことが、牙が抜かれた原因のひとつにもなっているのではないかと、疑っています。

今回のFE103En-Sは、旧限定版のようにレギュラー・ユニットをより高品位にするといった方向で製品企画がなされているようですから、FE108Sにあったようなキレや冴えが戻ってきたのでしょうね。

> 今度のFE103En-Sは、意外なほどオリジナルに近い鳴り方をしますね。

だとすると、FE108Eシグマの代わりにR-101のユニットにしてみたり、スーパースワンにFE103En-S、R-101にFE108Sとすると、より音場のつながりが良くなりそうですね。

ひょせんさん

ああ、やっぱり「牙を抜かれた」という印象でしたか。私も、少ない経験の中ではありますけど、あのスカッとした切れ込みはどうしたんだと思っていました。

ただ、ESコーンになって鳴らしやすくはなったのかもしれません。悪口をいう気は決してないのですが^^;、適当なアンプで鳴らしても特有の美音(と人はいう)が一応、出てくるようですし。

「紙臭い」という評価は、フォステクスのトラウマになっていたのかもしれませんね。私は紙臭さよりもES臭さの方が、つらく感じることがありました。市販の高級3ウェイ4ユニット・トールボーイのいくつかにある、どこか似ている音色と、共通のものを感じます。現代的な美音なのかもしれませんけど、私には強すぎるキャラクターなので。

というか…。これまで紙臭いのが我慢できなくてオクラにしたのは、6N-FE103だけで(特有のハイ上がりと相まって強調されたのかも)、それ以外のユニットでは、気になりませんでした。FE103Mは、また別格で、あの中高域は今でも好きです。

ひょせんさん、JUNさん。
ご両人の会話の5分の1しか理解できません。
でも、情熱は伝わってきます。
思えば、オーディオの世界を言葉で表現することの無謀さを、みなさんずっとしてきたわけですね。
同じことは釣りの世界でもあります。アタリの前のさわりというものをどう伝えるか。釣り雑誌での永遠の課題です。でも、言葉で伝えたいのですが。

Joe's(ジョー)さん

釣りの世界の近代における言語化は、まあ幸田露伴に始まるとして、井伏鱒二だの開高健だの、三遊亭金馬だの、何人か達人が出てはきましたけど、どうも、そこらへんから先に進みませんね。

たとえば、アタリっていうものが、なぜあのように釣り人の心悸を昂進させるものであるのか。投げ釣りで置き竿をしていて、ガラガラッと竿が引きずられる音がすると、炎天下の堤防で魂が抜けたようになっていても、全身の筋肉と神経が爆発的に反応して飛び起きますものね^^;。

あんな素朴で原初的な事柄すら、いまだに誰も書ききれていない。まだまだ、釣りの世界は言葉を待っているような気がします。

話が少々大きくなってしまいますが、スピーカーのユニットに限らず、「規制緩和による自由」が叫ばれるようになった頃から、目立って「牙を抜かれた」製品やコンテンツが台頭するようになってきたように思います。「規制緩和による自由」が、実はごく一部の人たちの利益拡大を目論んだものであって、実際には多くの人々の自由を奪うものであったためではないか、と思っています。
21世紀に入る頃から「自由のため」との触れ込みで導入された制度やシステムによって、なぜか世の中は閉塞する方向に一気に傾き、国や人間がどんどん縮んでいっているように感じるんですよね。


話を一旦小さくして(笑)、凹凸付きのES素材振動板に限った現象でいうと、
凸凹が付いたことで低域の大振幅に対しての強度が上がり低音感が得られやすくなった反面、中高域の高速で微細な振動に対しては緩衝材としてはたらいて微小信号が出なくなったのではないか。加えて、foが下がったことでも中高域の張り出しが後退し、低音質なソフトも聴きやすく。
また、ES素材では繊維のバネ性が強くなったことで、振動板自体が発生する振動(共振音)が増え、独特の音色が付帯するのではないかとも思っています。
上記によって、信号電流に含まれる歪み成分を含んだ微小信号の一部を消し、足りなくなった分は美音的な演出を付け加え、それでもメリハリが足りないと思う人は金属リングの共振を利用してさらに派手な演出を加えるという方向に進んでいったのでしょう。

長岡先生が設計した時点では、機器やソフトの超微細な差を暴き出す性格を持っていたスーパースワンやスーパーレアでしたが、凸凹振動板のESシリーズのユニットにそれを求めることはできなかったと思います。
もっとも、演出された音なんていうのは市販スピーカーでは常に使われているわけで、特定の演出が気に入ってしまえばそれが一番なのかもしれません。ただ、わたしは市販品で手に入るのであれば自作する必要なんかないのではないかとも思っているので、わたしの自作スピーカーにはマルチ・ウェイの作例がほんとんどありません。


数年前に。自動車関連の雑誌から「エンスー・オーディオ」というテーマで簡単な取材を受けたことがあり、その時初めて「エンスー」なる言葉を知ったのですが、このエンスーに関連付けて考えてみると、凸凹振動板のESシリーズには「事前にお膳立てされ形作られ(メーカーによって与えられる)エンスー」があり、対価を支払って商品を手元に置くことに対する満足感があるとは思うものの、その先の「体験するオーディオ」という観点での自由さは感じられないというのが、これまで自分がESシリーズに手を出さなかった大きな理由なのかな、と、自己分析したりもします。
わたしには、売り手の事情を中心に企画された不自由な商品に見えたのでしょう。民放テレビ(特に在京キー局)のバラエティ番組やドラマに抱くイメージに似てもいます。


オーディオの話ではないですが、実は昨日初めてアンソニー・ホプキンス主演の「世界最速のインディアン」というバイクや自動車の世界最高スピードの樹立を題材とした映画を(DVDで)観て、この「エンスー」という言葉を思い出しました。「世界最速のインディアン」、なかなかの名作だと思います。(^^)

JUNさん パルテノンの件が収束して以来おひさしぶりです。

数ヶ月前フォステクスのAV用の7シリーズが廃盤になってしまいましたが、FE127Eのみコイズミ無線のオリジナル商品「FE127EII」として復活したようです。(すでにご存知だったかも)
http://www.koizumi-musen.com/10_06_14FOSTEXnew.html
ここしばらくは凱旋門の換装用ユニットに困らなくてもすみそうですね。(^^)

ひょせんさん

う。これ、知りませんでした。
教えていただいてありがとうございます。

現用の凱旋門は、さすがに最近のテレビには合わないので、
次期テレビ台は、ぐっと横幅のあるものになると思います。
このユニットを使えるといいのだけど、凱旋門やパルテノンの形状では
内容積が大きくなりますぎますね。

とりあえず、FFシリーズがどうなるのか。
適当な内容積で使えるバスレフユニットがないのは、困ったものであります。

ひょせんです。

FE127Eはローコストで使い勝手が良く、かつ、他のユニットでの置き換えが難しいということで、7シリーズの中では需要が多かったのでしょうね。
わたしも以前、6N-FE103の低域補強用のプラス・ウーハーとして、ブック・シェルフのバスレフ箱でFE127を使ったことがありましたが、スピード感や欲しい帯域の低域もそこそこ出て、特にアコースティック系の音楽でいい味が出ていたことを思い出します。

一方FFシリーズのほうですが、コイズミ無線のサイトでモデル・チェンジの告知があってからすでに数ヶ月経ちますが、その後何の情報も出てこないのが気になりますね。
いまのところ世間一般には、低能率・マイルド・サウンドの人気が高いようですので、その対極にあるようなFFシリーズですので、このまま廃版になってしまうんじゃないかと、少し心配もしています。

長岡先生が突然亡くなられてから早十年。サウンド・マニアが「これと同じスピーカーを作って(メイン・スピーカーとして)鳴らしてみたい!」と思える自作スピーカーがほぼ絶滅してしまった今現在、自作用ユニットの販売数が減少していることは十分推測できますから、品種を絞り込むようなことになるのも、仕方のないことなのでしょうね・・・。

ひょせんさん

今日、初めて家に遊びに来た知り合いが、スワンの音に驚いていました。
ユニットさえあれば、作れるのですけどね。
108EΣをおすすめするのは、ちょっと気がひけるし。

FE103En-Sは、そんなに凝った作りでもないようなので、
レギュラーシリーズ化して、スーパースワンだけでも永遠の定番として
残るようなことになってくれるといいのですけど。

ひょせんです。

> 今日、初めて家に遊びに来た知り合いが、スワンの音に驚いていました。

初代スワンの発表から24年、スーパースワンからでも18年の月日が流れましたが、根ざしたものが「オーディオ業界の“流行の音”」ではなく「現実の音」だったことが、今もなお人の耳に深く浸透する力の源なのでしょうね。

> ユニットさえあれば、作れるのですけどね。
> 108EΣをおすすめするのは、ちょっと気がひけるし。

スーパースワンの場合、キャビネットとユニットの相性がまさにピンポイントで合致したようなすごさがあって、EΣだといろんな意味でそのポイントから外れてしまいますね。
もし次があるのなら・・・、FE103En-Sの限定発売を待つのが得策なんでしょうが、今あるユニットで考えるなら、むしろ普通の振動板形状のFE126Enを使って、それ用に設計したスワン型キャビネットと組み合わせたほうが、スワン本来の良さを出せそうにも思います。

> FE103En-Sは、そんなに凝った作りでもないようなので、
> レギュラーシリーズ化して、スーパースワンだけでも永遠の定番として
> 残るようなことになってくれるといいのですけど。

たしかに、せめて人気の高いスーパースワン用のユニットだけでも、キャビネットの設計時の思想が再現できるユニットを入手しやすい状態にしておいて欲しいですよね。
数年前にFE206ES-R(ダイキャスト・フレーム)やFE166ES-R(鉄板プレス・フレーム)といったES素材を使用した旧来の振動板形状の限定ユニットが発売された後は、今年のFE103En-Sまでこの路線の製品はまったくなかったですから、FE103En-Sもこれで終わりかも。
フォステクスの最近の新製品の動向からしても「高級ユニットは凹凸付き振動板」という構図を崩したくはないのでしょうね。

ひょせんです。
ちょっとだけ気になっていたフォステクスのFFシリーズですが、公式サイトを見ると、いつのまにか廃盤機種の仲間入りをしてしまってたことを発見して、軽いショックを受けました。(TT)
http://www.fostex.jp/p/listener/
昔UPシリーズから外観そっくりの現行FXシリーズになったみたいに、型番の変更をして復活・・・なんてことはないでしょうね。

ひょせんさん

FFシリーズは、どこかで自作のSPをちょっと聴いたくらいで、
ついに一度も自分では使ったことがなかったのですが、
こなれてくると、いい音だったようですね。

長岡さんの作品でもよく登場していて、FF125K×2発の大きなBHが
印象に残っています。

こうやって、なんだか少しずつ翼をもがれていくのは、さびしいですね。

FFシリーズは、165N、125K、85Kを使ったことがありましたが、テクニクスのF20シリーズの強烈さをやや和らげて繊細感を追加したような感じで、バランスが良かったと思います。振動板素材にケナフを採用して型番の末尾がNからKに変わった際に、目立って音が良くなりました。
125Kは1個4000円程度でメイン・スピーカーにも使えるような力のあるバックロードホーンが作れるので、ポップスなどを聴くにはかなりハイCPなユニットでしたし、シリーズの最後に登場した85Kは大型磁気回路にタンジェンシャル・エッジと見た目にもお金が掛かっており、FE83とは対極的な音作りがなされていて、選択肢が広がったことでも魅力的でした。
とはいっても、わたしもFFシリーズ使った回数はレギュラーのFEシリーズよりもずっと少なかったですし、市場全体としてもあまり数が出ていなかったのかもしれませんね。
趣味の嗜好品の分野で、どんどん多様性が失われていくのは、寂しいことだと思います。

ひょせんです。

廃盤になったとばかり勝手に)思いこんでいたフォステクスのFFシリーズが、新型のFF-WKシリーズとして発売されることが決まったようです。口径はFEと同じく8、10、12、16、22センチの5機種だそうです。

早くも今月のステレオ誌に最初に発売されるFF125WK(5145円)を2発使ったバスレフ・スピーカーの製作記事が掲載されいていました。WKシリーズはバスレフ向きの特性としたそうで、FF125WKの特性数値(マグネットの大きさも)現行のバスレフ向きフルレンジのFX120と似ています。

センター・キャップはFF125KやFX120と異なりメカニカル2ウェイとなっているので、スペックの上ではハイエンドは32kHzまで伸びているようです。
振動質量はちょっと重めになって中低音が厚めのサウンドになっているようなので、FE127Eのような散乱するサウンドとなるか分かりませんが、凱旋門の取替え用ユニットの候補にもなるかもしれませんね。(~o~)

ひょせんさん

すみません。しばらくPCが動かなかったりして、コメントをいただいていたのに、うっかり見落としてしまっていました。

新FFシリーズの情報を、どうもありがとうございます。ステレオ10月号の作例は、ユニットを2つ使ってツイータも足すもののようですね。素のユニット特性がどんなのか、フルレンジとしてどうなのか、気になるところです。

振動系質量が重くなるのは、使いやすさの点ではいいことかもしれませんね。バスレフにポンと入れて、ポンと鳴らせる、安めのフルレンジユニットが、フォステクスではあまりなくなっていましたし。

これから作例がいろいろ出てくるでしょうし、注目してみたいと思います。【パルテノン】にも朗報になるかもですね。

JUNさん おひさしぶりです。PCのトラブル大変でしたね。

ステレオ誌10月号のFF125WKを2発使った製作記事では、このユニットには価格的にちょっと不釣合いな感じのFT96Hが付けてあって、気になるFF125WK単体でのハイエンドの特性が分からなかったので、量産品の発売が待たれるところですが、実際の発売日が未だ告知されていないので、首がかなり長くなりそうです。(^へ^)

数日前に出た同誌11月号にはFF85WKを1発使ったダブルバスレフ(DB)の製作記事が掲載されていますが、こちらは作例の多い長岡式DBとは、内部ダクトと外部ダクトのチューニング周波数の上下が逆で、キャビの分割比も大きく異なっているため、ユニットの素性がちょっと分かりにくいですね。きっと、ユニットを買ってから自分で試せということなのでしょう。(^o^)

パルテノンの図面ではFE166Enを指定しましたが、このユニットに付いているようなサブ・コーンは、ちゃんと鳴らしこみが進めば普通のサウンドに落ち着いていくものなのですが、、そろそろ発表されるであろうFF165WKなるユニットでは、85WK、125WKと同様に、ボイスコイル直結のアルミ系のセンター・キャップになっているものと思います。

このタイプでは、過去にFF85K、テクニクスのEAS-10F20、同16F20使用のスピーカーを作って聴きましたが、音楽鑑賞のようなそう長くない時間なら陽気な輝きのある音を楽しむには壮快な気分にもなって良いのですが、パルテノンは長時間リビングルームで家族とテレビ番組や映画鑑賞するためのスピーカーですので、はたして適しているのか気になるところです。

ひょせんさん

凱旋門につけていたオリジナルFE127も、オーディオとしては聴き疲れのする、まあ、一言でいうと音楽的にはちょっと無理なユニットだったと思います。

ですので、FW165WKに可能性として想像できないこともない高音のキラキラ、キンキン、カンカンは、あるいはテレビ用としては大丈夫なのかもしれません。もしかするとテレビの音は、PAとして割り切れるものなのかなとも思います。

ひさしぶりにテストしてみたいユニットが出てきた感じですね。

JUNさん

FF125WKとFF85Kの製作記事の記述をみると、中低域の厚みが印象的とのことなので、これは新形状のりッジ・ドームの効果もあって、中高域は自然なバランスになっていることのあらわれなのかもしれません。

FF125WKは、ロングセラーの現行品であるFX120やF120Aにメイン・コーンのチューニングが近いようなので、箱の大きさ(小ささ)や1発での低域の再生レンジのことも加味すると、シリーズの中では一番安心して手を付けることができそうな感じがしています。
メイン・スピーカーとして使うことも考えると、バランスが良いのはやはり「ロクハン(16センチ)」ということになるんでしょうか。

いずれにせよ、発売されたら手頃な箱をひとつ作って音質を確かめてみたいですね。(^o^) 

ひょせんさん

少し、ずしっとした音になっているのでしょうかね。22cmなどは、よりウーファーに近づいて、もしかしてLE-8Tみたいな感じになっていないかなあと妄想しています。

バスレフ回帰のユニットになると面白いですね。突き詰めずに適当にやっても、適当にいい音がするというのも、大人なオーディオかもしれませんし。

JUNさん

わたし、実際の音を聴いたことはありませんが、LE8TはフォステクスのUPシリーズの原型となったようで、その後FX200(すでに廃盤)にマイナー・チェンジしていますから、FW125WKがFX120のメイン・コーンの諸特性に近いことからすると、FW225WK(?)なるユニットもLE8Tの路線になる可能性もありぞうですね。(^o^)
ただ、やはりメカニカル・2ウェイのセンター・キャップと、今回初採用となる二層抄紙振動板が、どの程度全体の音に影響しているか、気になりますねぇ。

ユニット・ショップのサイトでのモデル・チェンジの告知から、旧シリーズ製品の在庫一掃、オーディオ誌での製作記事の掲載と、ここまでかなりの期間が経ちましたが、正式な発売日までにはまだ時間が掛かりそうなので、妄想が膨らみますね。
バスレフ用の新型ユニットとしてサウンド的にも期待が膨らみますが、鉄板プレスのフレームながらもユニット全体のグレー調に統一された色彩にも、妙に魅力を感じてしまいます。(^^)

ひょせんさん

おお。私の予備知識のない妄想は、へたすると当たってしまうのかもw。

フルレンジの良さ。という言葉には非常に幅があるわけですけど、ここ20年くらいのフォステクスは、フルレンジにしか出せない価値を、クオリティを高める方向で追いかけてきたように思います。

これはこれでもちろん刺激的ですし、素晴らしいことなのですけど、一方でもう少しスローな意味での「フルレンジの良さ」が恋しくなることがあります。

私の場合、P610やゲンコツは思い出というよりも、時代の景色としてそこにあったもので、心に残っているのは、憧れとしての、あるいはかなわなかった恋のトラウマとしてのLE8Tなのでありました。

白いコーンのUPシリーズ、ほしかったけど、あれすらも買えなかったですから…。「ほんとにちゃんと鳴っている」LE8Tがどんな音なのか、実際のところ、私は知りません。なにせ、あの頃、箱はほぼ全員自作で、その箱も、今思うとろくなものではありませんでした。

FF225WKが、そんな時代のイリュージョンをまとって登場してくるようなことがあれば、これは会いに行かねばならないなと。バッフルの色は、JBLブルーでしょうか。悪のりですかw。

JUNさん

バスレフ向きフルレンジの場合、それぞれの人の心の中にそれぞれの理想形が形付けられているような傾向があるように思いますね。新シリーズのグレーのカラーと、JBL調のクールなバッフルの色、とても似合いそうです。(^^)

ところで、わたしの前回の書き込みで明らかな誤りがありました。
訂正します。(^_^;
  誤 FW125WK → 正 FF125WK
  誤 FW225WK → 正 FF225WK


同じフルレンジ党でも、バックロード・ファンはバックロードにしかないの音の雰囲気にある程度満足してしまって、多少F特に凸凹があっったりしてもあまりうるさいことを言わない楽天的(というか、ノーテンキ?)な人が多いのではないかと(わたしなんか、そう)思うのですが、バスレフ向きのフルレンジとなると、理詰めでいろいろシビアな評価をしてくる人も多く出てきそうな気がします。
実際に新シリーズでスピーカーを作る人の数も多くなるでしょうから、発売までの時間が長いのは、より多くの人に受け容れられるように音決めに時間が掛かっているのかもな、なんてことも思います。

FEや旧FFシリーズを使った長岡先生設計のスピーカーで、ハイ上がりとなっていたり低音不足の傾向がある、12センチ・バスレフのBS-69「ボトル」や10センチ・DBのBS-85「ミッキー」、16センチ・DBのDB-8、これぞ音場創生スピーカーと言えるR-101「ヒドラ」など、新シリーズを使えば高低のバランスの採れたスピーカーになって、それぞれのサイズなりのメイン・スピーカーとして十分活躍しそうな気がします。

ひょせんさん

いろいろ、ヒントをありがとうございます。普通、ユニットの低域と反応の速さはバーターになるわけで、FEシリーズなどその典型かもしれませんね。

また、反応の速さと能率、および音色の明るさはニアリーイコールな気もするのですが、FE83という大いなる矛盾を経験すると、これも絶対ではなさそうですし。

新FFシリーズについては、期待と希望と妄想がふくらんでしまうわけですが^^;、確かに低域はFEシリーズより稼げそうですし、これの16cmなどそこそこ面白いユニットなんではないかなあと楽しみです。

そもそも、このところ、16cm以上のフルレンジのバスレフというのは、P610MBを50リットルくらいの箱に入れたやつを、10年くらい前に作って聴いただけで、それもエージングの途中でした。長いこと、7cm~12cmしか聴いていなかったことに、自分でも驚いております。

JUNさん

気になるFF-WKシリーズですが、フォステクスのサイトの最新カタログのPDFファイル

http://www.fostex.jp/user_file/fostex-sh/etc/SpeakerComponent2010_11.pdf

が先日更新されていたようで、その4ページ目にFF-WK全モデルのF特をはじめ仕様詳細が掲載されていました。しかし、すぐにも発売されるのではなく、発売予定は来年の1月末とあります。

JUNさん注目のFF225WKは定価9,800円(10,290円 税込み)とあり、20年ほど前発売の前モデルFF225Kから変更点が多いにもかかわらず価格はほぼ同額ということで、ま、このあたりは良心的だと思います。

JBLのLE8Tも少し調べてみると、ボイスコイル径が51ミリと大きく、ワイドレンジ・ウーハー・タイプのフルレンジ。初代モデルは大型アルニコ・マグネット。30年くらい生産し続けて、発売後16年目の1978年の定価が33,500円。同時期に38センチ口径のD130が4,9500円だったことからして、舶来品ということだけで物の値段が高かったことを抜きにしても、かなりの高級ユニットだったようです。
特定の音楽ジャンルを聴くには非常にその個性を発揮したようで、JBLの音創りのうまさもあっての人気の高さだったのでしょうね。(^_^)

現在、手頃な値段で手に入る大口径のバスレフ向きフルレンジの数が非常に少ない中、カタログにはFF225WKの標準バスレフは28リットルとありますから、ブックシェルフなら、幅30センチ、高さ50センチ、奥行き28センチ程度、フロア型だと幅25センチ、高さ90センチ、奥行き20センチ程度と、20センチ・ユニットとしては部屋に置きやすい常識的な大きさに収まります。
ハイエンドはLE8T同様にやや抑え気味のF特ですから、現代的サウンドを狙うなら、適当なドーム・ツイーターで2ウェイ化するのも良さそうな感じもします。

とにもかくにも、どんな方向性の音質になっているのか気になります。(^^)

ひょせんさん

フォステクスカタログのこと、ありがとうございます。
発売は1月末予定ですか。

f特を見ると、さすがに小口径の方が使い勝手がいいような感じですが、
こればかりは鳴らしてみないとわからないことも多いですね。
音色も、ちょっと今の段階では、はっきりとしたイメージができなくなってきております。

案外、これ、8cm~10cmだと安いデジタルアンプと組み合わせて、
PC用のスピーカーにも使えるかもしれませんね。FEよりも低域は出そうですし。

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