2009年11月30日

横峯さくらさんのこと

横峯さくらさんにお会いしたのは、2005年の春。宮崎市内のホテルで、父良郎さんと二人でインタビューを受けていただいた。この時、まだ19歳。前年にプロデビューして、小柄な体から繰り出すあのもの凄いオーバースイングと、父と二人でキャンピングカーで移動しながらのツアー参戦が話題になった頃だった。

さくらさん本人のインタビューだったのだが、話の大半は良郎さんが持っていってしまい、会話しながら、これは記事になるんかなと不安なほどだったのだが、彼がレスラーの前田日明を非常に好きだということがわかり、こちらも悪のりして、しばらくプロレスの話が続いてしまったりした。

ちょうどこれから、宮崎市のトムワトソン・ゴルフコースに隣接するシーガイアのコテージで生活を始めるということで、これから寝ても覚めても練習漬けの毎日が送れると、うれしそうだったことを思い出す。目標は、まずツアーで1勝すること。将来の夢は賞金女王と、あの頃から語っていた。そう、まだ1勝もしていない横峯さくらだったのだった。

そのさくらさんが、29日、これも宮崎市で行われたリコーカップ最終日に、奇跡的なショットを連発して逆転優勝し、初めての賞金女王を獲得した。今年の賞金総額は1億7501万6384円で、史上最高額に達した。

前田日明といえば「パワーオブドリーム」という名著があって、おそらく現在は参議院議員になっている良郎氏も読まれていることと思う。娘は娘なりに夢を追い、父は父なりに夢を追い、その夢は重なる部分とそうでない部分とあるのだろうけれど、着実にというよりも、何のためらいもなく、まっすぐに夢に向かっていく、その力。人としての輝きというのは、そういう時に感じるものなのだということを学んだインタビューでもあった。

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