2009年2月14日

デパスおよび村田新八

深夜、頭が動くぎりぎりまで仕事したり、仕事してなかったりして起きているので、このところ、毎晩、デパスを飲んでいる。頭がマブチモーターみたいに、ぶんぶん回っている状態で、さあ寝ろといわれても眠れるものではない。どこかでスイッチを切らなくてはならない。そういう時に、このクスリは重宝する。

お酒を飲むといいぞといってくれる人もいるけれど、眠るために酒を飲み始めると、あとあと難儀なことになりそうなので控えているのだが、デパスと酒と、どっちがナンギなのか、よくわからない。

もともと、肩こりに処方されるくらいおだやかなクスリで、ほとんど副作用の心配もなく、睡眠誘導剤、精神安定剤としては、初心者歓迎送迎無料今なら入会金サービス、みたいなノリで、どんどん使われているものらしい。そんなのが効くのかなと思うのだが、以前、ひどく疲れていた頃に、なかなか眠れない日々があって、それならこれをということで出してもらったら、けっこうよく効く。朝、起き抜けには前頭葉のあたりが、ちくちくと痛いけどな。昔の安定剤みたいに、飲んだら最後、眠れはするけど起きたら夕方までぼーっとしている、なんてこともない。

なのだが、今夜は寝そびれてしまった。日中、かなり張りつめて原稿を書いていたので、もはや、どんな精神活動も不可能なくらい、脳はいきついてしまっているのだが、休ませてもらえない。もちろん、もう一錠飲むようなこともしない。そこまでして寝ることはないものな。

赤瀬川隼の「朝焼けの賦 小説・村田新八」読了。西南戦争で二番大隊隊長を務め、田原坂で息子を失い、城山で西郷とともに死んだ村田新八は、おそらく薩軍でほぼ唯一の「近代人」だったと思う。以前から、この人のことが気になっていた。

あの皮肉屋で辛口の勝海舟が「氷川清話」で「大久保に継ぐ傑物」と評した彼は、東京に残っていれば、いずれ大久保の後継者として首相になっていたことだろうけれど、西郷を説得して東京に連れ戻すつもりで帰郷して、そのまま巻き込まれてしまった。その矛盾と葛藤は、いたましいほどだったろう。そこに、赤瀬川も気づいて、その一点のみに着目して小説にした。

余談だが、「田原坂」に歌われている「美少年」とは、戦死した村田の長子の岩熊ではないかという説がある。

右手(めて)に血刀左手(ゆんで)に手綱 馬上ゆたかな美少年...。

たしか19かそこらだったはずだ。アメリカに留学して酪農を学び、帰郷後は法律の勉強に精を出していたらしい。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fishing-forum.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/129

コメント

眠れなかったら釣りに行けば良いのではないですか?
ベッドで迎えてしまった朝より、水辺で迎えた朝のほうが100000000倍いいですよね。

そうは言っても仕事があるわけですが(^^;)。

だよねえ、釣り。

時々、日曜の午後などに思いついてじゅん坊さんに電話すると、しょっちゅう多摩川でへら釣りをしていて、ちょっとうらやましいと思ってる。

釣りに行ける時間があることよりも、行きたいと思える釣り場があって、その心のゆとりがあることが。

近所の宮崎港で、タチウオやらサゴシやらがそこそこ釣れているらしいので、ルアーでも買いに行こうと思ってはおりました。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)