2007年11月26日

映画>続社長太平記

『続社長太平記』(青柳信雄監督/1959)。

森重久弥の社長もの。このシリーズは日本映画専門チャンネルで、年間通して上映されているので、タイトルだけはいつも見ているのだけど、初めて通して観てみた。

森重社長、「ぱーっといきましょう」の三木のり平営業部長、クールな小林桂樹福岡支社長。それに旧海軍で巡洋艦艦長だったという加東大介福岡支社総務部長、なんて役どころ。彼らが東京と福岡を、YS11で何度も往復して、夜ごとの宴会に精をだすというお話。当然、バーの女性だの芸者さんだのがからんでくる。

映画の内容はともあれ(悪いものではないけど)。1959年というのは、ぼくらの同級生の大半が生まれた年なのだけど、考えてみれば終戦から15年しか経っていない。もし、あの戦争で20歳で未亡人になった女性がいたとしたら、当時、まだ35歳かそこらで、自分の生き場所を探してがんばり、ようやく地歩を築きつつある、なんて時代だったのだ。この映画にも、そんな女性が登場する。越路吹雪演じる服飾デザイナーとして。

そしてYS11に乗って、福岡に行き、宴会に興じるということ。社長はバーのマダムを口説き、支社長は芸者に恋をし、総務部長は未亡人デザイナーとしっぽりした仲になり...。なんて物語自体、何かばかばかしいながらも、明日への希望にみちた空気というものを感じるわけである。1959年は『三丁目の夕日』の時代でもある。サラリーマンであること自体がエリートといえた、もしかすると最後の時代なのかもしれない。

ばかばかしいけど、嫌いになれない映画。また、あの町並みを見てみたい気がする。

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