2005年4月14日

田村隆一が気になる

武満徹の番組を観ていたら、彼の作品を使ったドイツの舞台で、
それは90歳の女性が自らの過去を振り返るといったような
ものなのだけれど、その独唱の詩を田村隆一が書いていた。

たまたま、昨日から「ぼくのピクニック」という彼のエッセイを
読んでいたのだけれど、詩人としての田村隆一を、ぼくはほとんど知らない。

ただ、10代の頃に熱中して読んだ堀田善衛の「若き日の詩人たちの肖像」に、
彼とおぼしき若者が出てきて、新宿の「ナルシス」に出入りしていた、
たぶん20歳前後の彼が、妙に格好よく、印象に残っていた。

その独唱の詩の出だしは、こんなのだった。

「時が過ぎるのではなく、人が過ぎるのだ」と
いつか私は書いたことがあったっけ。

妙にこの詩人が気になり始めた。

詩というものが、彼のいうように荒地から生まれるのだとしたら、
ぼくの住むこのうそ寒い、奥行きのない街は、
ほんとに、詩のふるさとといえるのではないかと。

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