子供たちが「銀くじらの干し物が食べたい」という話をしていた。

「あたしはセミ天定食、食べたい」
「しょり、しょりって」
「あいよ、セミ天定食いっちょう」
「紅まぐろは?」
「紅まぐろより、やっぱり銀くじらの干し物が」
「おれは、オクワ酒屋のリンゴ酒ってどんなんだろうって思ってたな」
「みんなでねずみトランプをして」
「ねずみトランプ、作ったよ」
「なんと」
「全部で51枚あって、猫カードが7枚あって、あと同じ絵柄が4枚ずつ11種類ある」
「ルールは?」
「アタゴオルで覚えた」
「作ったのか」
「作った」
「そらすごい」
「銀くじらの干し物~」

まさか自分の子供たちが、ましてあの年齢で「アタゴオル物語」に熱中するとは思わなかった。二十歳前後に好きだったますむらひろしの物語。なんだかこれ、宮沢賢治だよなあということで、かなり面白がって読んでいた。

「星みかんもいいね」
「あの浮遊感がたまらないらしいね」
「葉っぱみたいなもんだろうか」
「葉っぱって何」

これは、わからん方がいいかもしれない。