大いなる西部

『大いなる西部』(ウイリアム・ワイラー監督/1958)。

いやー、この映画。すっかり観たつもりだったけど初めてだった。映画音楽全集西部劇編みたいなものを、中学の頃によく聴いていたので、映画もテレビか何かで観たもんだと思ってた。

一言でいうと、ものすごい映画であります。いわゆる西部劇というよりも壮大で緻密な人間ドラマ、ってことになるんだけど、とにかく画面にも運びにも少しのゆるみもない。人の心の奥を照らしながら、深入りはしない大人の映画。

グレゴリー・ペックもよか男でしたが、ヘネシー一家の親分をやったバール・アイヴスに、その登場の瞬間から、ワタシはやられてしまいました。この人にやられた人は多かったらしく、この年のアカデミー助演男優賞を受賞しております。風貌は、ちょっと友達の三本岳さんに似てないこともない。

ラストの決闘シーンからエンディングまで、数分間、台詞なしでみせてしまうウイリアム・ワイラー監督(翌年は『ベン・ハー』公開)。その力量のものすごさ。いい映画を観た後はたいていそうなるように、エンドロールが終わってしばらく、ソファから動けませなんだ。