2010年6月20日

再現・小型船舶実技修了試験

友人のたぬきさんとMARI-Jさんが、二級もしくは一級小型船舶免許を、「一発受験」で受けてみようかという気になっているみたいなので、少しでもお手伝いできればと、昨日の修了試験の様子を、覚えている範囲で再現してみる。私の操作および解答の一部は、たぶん正解ではないからご注意。

小型船舶免許は、スクールに通って国家試験を受ける「受験コース」と、先生が徹底的に教えて、その日のうちにある修了試験に合格すれば、国家試験免除となる「教習コース」のどちらかで取得するのが一般的で、誰の助けも受けずに、独学で免許取得をめざす「一発受験」というのは、かなり珍しいケースとなる。

それに勇気を与えたのが、「1級小型船舶免許挑戦記というサイトであり、また、そこでも触れられていたいまから取るボート免許という本である。これは実技試験のDVDが付属していて、これを見れば試験の実際の様子がかなりイメージできるらしい。

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試験はじめ。

◎出航前点検

試験官「私が船首ロープを外すから、あなたは船尾ロープを外して持ってきて」
私「はい」

とロープを外して、しばらくたたずむ。ここで、出航前点検というものがあり、乗り込む前に「船首係留よし」「船首よし」「フェンダーよし」「右舷外板よし」「船尾係留よし」「船尾よし」「トリムよし」の後、「乗船します」といって乗り込む決まりのはずだ。

試験官「いいから乗ってください」

どうも出航前点検の一部を省略するつもりとみた。後で実は、ひっかけだったなんていわないだろうな、などと考えるほど複雑な頭ではないので、素直に乗り込む。後で、ああ、これが「解纜」だったのかと気づく。要はロープを解けさえすれば、何点かにはなるわけだ。お得である。

試験官「ここの手すりに、もやい結びを結んでください」
私「はい」
試験官「ばっちりだね」

試験官「計器の水温計が上昇していました。冷却水パイプには問題がないようです。どこをチェックしますか」
私「エンジンオイルが減っている可能性があると思います」
試験官「その可能性もあるね」
私「えーと。冷却水そのものが減っているとか」
試験官「はい。自分でチェックしてみてください」
私「(エンジンルームを開け)、冷却水よし」

試験官「離岸する際、強風が吹いています。ロープはどちらから外しますか」
私「う・・・。船首側です」
試験官「どうしてですか」
私「船尾側...かも」
試験官「覚えておいてください。係留する時は風上側から結び、解纜する時は風下側からほどきます。船体が風に振られて危険ですから」
私「はい。(習ってないんですけど。の言葉を飲み込む)」

試験官「Vベルトを点検してください」
私「(Vベルトを確認しながら)Vベルトよし」
試験官「バッテリーを点検してください」
私「バッテリー取り付けよし。液量よし。プラグ取り付けよし」
試験官「拡散消火器はどこにありますか」
私「ここです」
試験官「信号紅炎を確認してください」
私「信号紅炎よし」

試験官「メインスイッチを入れてください」
私「メインスイッチよし」
試験官「キーをONにしてエンジンを始動します」
私「(船尾に移動して)船尾よし。ドライブユニットよし。(操縦席に移動)。キースイッチを入れます。(指さしながら)パネルよし。水温計よし、油圧計よし、燃料よし、電圧計よし。ブロワーを回します。(エンジンルームを開けて)ブロワーよし。(ブロワーを切り)エンジン始動します」

エンジン始動。どがどがどが、と3700ccのディーゼルエンジンが回り出す。

試験官「1000回転で暖気運転をしてください」
私「1000回転で暖気運転をします。(リモコンレバーのクラッチを切り、レバーを下に下げる。さらにレバーを両手で持って、じわじわと1000回転まで上げる。。暖気運転終了します(レバーを中立に戻す)」


◎基本操縦

試験官「離岸してください」
私「(念のため、再度船尾を確認して)船尾よし。ハンドル中央。エンジン中立よし。前後左右よし。離岸します。(のろのろと走り出す)」

港の堤防の内側だから、かなり狭い水域。いきなりUターンになる。

試験官「左に変針して、あの堤防の前を通ってください」
私「左よし。左後方よし。左に変針します」

堤防などをかわすには「右小回り」が原則だが、大雨の後で漂流物が多く、適宜よけながら進む。堤防の先をかわして、しばらく直進。

試験官「エンジンを2000回転に上げて、あの塔に向かって進んでください」
私「はい。左右よし。エンジン増速、2000回転で正面塔に向かいます」

試験官「あの堤防にあるブルーシートが見えますか」
私「はい」
試験官「2500回転に増速して、あそこへ向かってください」
私「はい。左右よし。エンジン増速、2500回転。右よし。右後方よし。(エンジンを少し落として)、右へ変針します。(2500回転に戻して直進保持)変針終了しました。」

試験官「停止してください」
私「はい。後方よし。停止します。(ゆっくりと回転数を下げ)エンジン中立。停止しました」

試験官「あのフェリーの赤い煙突に向けて後進してください」
私「はい。(船尾に移動して)船尾よし。前後左右よし。フェリーに向けて後進します」
試験官「停止してください」
私「(後進からの停止はどうしたらいいのかわからなかったので、念のため)前後左右よし。停止します。エンジン中立。停止しました」

試験官「あの三つのブイを使って蛇行運転をします。赤い灯台の方から進入してください」
私「はい。前後左右よし。発進して蛇行運転を開始します」

蛇行運転のポイントは、進入時と終了時が同じ見通し線上にあること。ブイの10mほど脇を通ること。連続するブイの中心付近を通過することらしい。

私「第一ブイを右に見て蛇行開始します。(第一ブイの30m手前から変針。適当に通過して、第3ブイを通過後、見通し線上にある目標物に向かって直進)蛇行終了しました」


◎応用操縦

試験官「(ブイを指さして)船尾方向に落水者がいるようです」
私「要救助者確認。救助に向かいます。前後左右よし。右へ変針します。(Uターンして)右舷より救助します。(エンジン前進と中立を繰り返して超微速で接近。なるべくなら風下から。ブイが操縦席の真横にきたあたりで一瞬だけ後進にいれ、確実に中立に戻す)救助します。(ブイをひっかけて)救助しました。人命救助終了します」

試験官「(船が正面から走ってくる写真を見せて)この写真の状況で、操船してください」
私「右へ避航します。右よし、右後方よし。右に変針します。避航終了しました」

試験官「(船が左から走ってくる写真を見せて)この写真の状況で、操船してください」
私「当方が保持船のため、そのまま直進します」
試験官「よろしい」

試験官「あの岸壁の手前から5番目の柱に着岸してください。5m手前でけっこうです」
私「はい。右舷から着岸します。船尾ロープよし、フェンダーよし。(微速で船を岸壁に水平に保ちつつ、目標あたりに停止。)エンジン中立。(ひっかけポールみたいなものを突き出して)着岸終了しました」

試験官「後進で離岸してください」
私「(後ろに移動して)船尾よし。前後左右よし。後進で離岸します。離岸終了しました」

試験官「それでは、あの堤防に向かって直進してください。試験、終了します」

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たぶん、こんな感じだったと思いますが、間違いもあると思うので、あくまでも雰囲気の参考にどうぞ。

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