2009年7月22日

日蝕ライブな午前10時58分

46年ぶりの皆既日蝕だというので、ちと気にはなっていたのだが、なんでもトカラにツアーに行くと船中二泊テント二泊で30何マンだとかいう話でもあり、さらに宮崎でも96%の部分日蝕は見られるということでもあったので、まあ、4%くらいはまけてやって家で見ることにした。

とっくに梅雨明けしているにもかかわらず、予報は雨のち晴れというもので、この時点ですっかりやる気は失せていたのだが、午前10時50分頃になると、あたりがなんだか薄暗い。テレビをつけてみると、すでに悪石島では夜のような闇につつまれており、これは相当びっくりした。

さらにチャンネルをNHKに変えると、太平洋上の船からと、硫黄島からのハイビジョン実験放送の二元中継をやっていて、これはまた、さらにものすごくびっくりした。あんな風になるのだなと。

ふと、ここで思いあたることが二つあった。

大体、日蝕が太陽に月がかぶさってできるものであるのはいいとして、「なぜ、太陽と月が、あんな風に同じ大きさに見えるのだ」というのは、今もってわからない。偶然といってしまえば偶然なのだが、1392000kmの直径をもつ太陽と、3476kmの直径しかない月が、どういう偶然に頼れば地球から同じ大きさに見えるのだ。

どちらかが、うんと大きいか小さいかすれば(そちらの方が、むしろ確率的に、かつ圧倒的に自然なのだが)、コロナもプロミネンスもダイヤモンドリングも見えたりはしないのだ。

もうひとつ。

これは、当たり前の連想なのだが、今の今まで気づかなかった。あれは、天照大神の岩戸隠れそのものじゃないかと。きっと、5世紀かもっと以前に、日本のどこかで非常に印象的な皆既日蝕が起こって、大変なさわぎとなり、まず、何かのタタリであるとして、そのタタリの原因に出雲神の祖であるスサノオノミコトを引っぱりだした。

古来、日本の神というのは、タタリ神ほど厚く祀られることになっているわけで、被征服?民族である出雲の神が、大和一ノ宮である大神神社に祀られているのは、そういう事情もある。ように思う。

同時に、高天原では八百万の神々が神集って、わいわい騒いでいるうちに、突然訪れた暗闇に舞い上がってしまったアメノウズメが、きゃほーなどと叫びながら衣類を脱ぎ捨て(何しろ暗闇だから恥もなにもない)、あたりを走り回った。

そのうちに日は復し、天照大神は再び世を照らしはじめ、裸で残されたアメノウズメは、そのはしたなさを責められるどころか、あなたの舞いは、実に非日常を現出したという点で神にも届く芸術であった。天の日を復したその熱をこそ、誉めたたえねばなんない。ということで、岩戸神楽が起こったと。

そういうようなことがあったにちがいないのだった。

さらにもうひとつ、思い出した。歴史上、稀にみる暦おたくな民族として、マヤ民族があるわけだが、彼らのいくつかある暦の中には、日蝕や月食をかなり正確に予知したものがあるらしい。

わが情熱の岩戸神話と比較して、なんという科学的冷徹さであろうかと思う。

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コメント

いつの日蝕(皆既ではなかったけど)の時だったか・・・・高校の時。

タイムマシーンで戦国時代に行って日蝕を利用して宗教団体を作って100円ライターとトランシーバーを売って大儲けしようと友人と駅のホームで立ち食い蕎麦食って語った事があります。
2人とも私立理系進学コースでした。

国立文系の連中はその時間は授業やっていたと思います。

こちらでは、約80数%の欠けだったそうですが、100%の皆既日食であれだけ暗くなるのに、80や90%では殆ど暗くならないのは何故なのかよく分かりませんでした。ま、快晴であれば若干明るさの変化は分かったのでしょうが・・・。
昔、小学生の頃などに日食があったときはそれこそ黒い下敷きや写真のフィルム、セロハン・・等々何でも良かったように思いますが、近頃は何かあったときの事前策かどうなのか分かりませんが、しきりに専用の日食グラスでないとダメだ・・・とメディアでも大々的に言ってましたね。曇ってたお陰でグラスも何もなしでクッキリ見ることができましたけど・・・。
次回は20数年後に日本の北陸、関東で皆既日食が見ることができるらしいけど、関西に在住のままだったら死ぬまでにはもう見ることが出来ないみたいです。
大して仕事もせず、毎年のように皆既日食を見に世界各地に出掛けられる沢尻エリカのようになりたいです。(^^)

子供の頃、皆既日蝕って言葉がわからなくて、怪奇なんとかなんだとばかり思っていました。言葉がむずかしすぎますね、子供には。

かと思えば、最近は新聞でも日食なんて書いてあって、うちはメインが日経なので、まちがいなく日本食品のことだと思うしなあ。「太陽が虫食いみたいに欠けるから日蝕と書くんだよ」と教えてくれた先生は、偉かったと思います。

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