月下美人、咲くこと
近所の人が「明日には咲くじゃろう」といって、持ってきてくれた月下美人が、見事に咲きました。
その昔、めちゃくちゃに忙しく立ち働いていた編集室のビルの最上階に、建物のオーナーのご老人が住んでいて、「月下美人が咲いたから見に来い」とお達しがありました。こちらは、若くて忙しいので花どころではなかったのだけど、大家といえば親も同然、社長も行けというておるしという感じで、とりあえず見に行った、あの時以来であります。
それが、うちの床の間に咲いておるわけです。しげしげと見るとこの花、葉っぱから直接、花に至る茎が生えているのね。どうも普通ではない。大体、今夜咲いて明日の朝にはしぼむというのが、ただごとではないし、その香りというものも何か夜の闇を濃密に満たすうるわしきモノノケの残り香のような風情があって、昔の松本零士かと。
この花、咲いてるうちにホワイトリカーに漬けると、その姿を保存できるだけでなくて、あやしくもおいしい酒になるそうです。今回は、初会なのでそんな野暮はやめて、いつか馴染んだらやってみよう。
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