2005年7月 5日

NSP>天野滋よ

ぼくは、友達の間では音楽好きということになっているけれど、その根っこのひとつは、NSPだった。ジャズ聴いてました、みたいに自慢できるようなものでもないし、プログレ少年でしたと自らのマイナー性や先進性を誇れるものでもない。むしろ気恥ずかしさと、ちょっとしたイタさまで感じてしまうような、NSPというのはそんなグループだったわけです。

でもね、気恥ずかしさとかはにかみというのは、15歳なら誰でもそうだったはず。その15歳のぼくの心を直撃して、こちらがすっかりすれっからしになっても、いまだにどこかそのままで50歳になってしまったようなNSPのリーダー・天野滋が、急死した。

ぼくにとってのNSPは、1975年の『夕暮れ時はさびしそう』の発売と同時に終わってしまっている。いうほど名曲だとは思わないし、シーンに何かのインパクトを与えたということもない。むしろ、73年の『あせ』『さようなら』あたりから、3枚のアルバムをリリースした頃までが、局地的ではあったにせよ圧倒的に大きな存在感を放っていた。

そう。彼らはコッキー・ポップの世界では、王様だったのさ。

普通の人が、曲を書いてもいいんだ。こんな風に歌ってもいいんだと。
初めて示してくれたのが、NSPというグループだった。

最近のお気に入りの曲だった『夕陽を浴びて』。

ギター弾いていると 君の後ろに沈んでく 夕陽が見えた
窓にそっと掛けて 君は今日のできごとを あれこれ思う

ほんの少しの沈黙が よけいに愛を強くさせ
少し無理でもしたくなる 君のために

ギター弾いていると 君が半分暗くなる 夕陽を浴びて

天野さん。あなたには3回お会いしました。75年の鹿児島でのライブ、85年のポプコンつま恋本選会でゲストで来られてた時、2003年秋の宮崎ライブ。そして恥ずかしながら告白しますが、ぼくが最初に覚えたスリーフィンガーの曲は、たぶん『ひとりだちのすすめ』だったと思います。さらに恥ずかしながら『昨日からの逃げ道』のリードギターは、いまだにうまく弾けません。

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