2005年6月20日

TC-1入手

夕方、芥川仁さんのTC-1を、無理やり譲っていただいた。ほぼ、強奪に近い。

TC-1か、GR1かという問題については、まだ決着がついていない。ただ、結論としては「いずれ両方買う」ことにしたので、気楽にはなった。GR1はとうに生産中止になり、TC-1もどうやら生産中止らしい。そして、こういう嘘みたいに高性能なレンズを積んだ銀塩コンパクトカメラが、この先、どこかのメーカーから発売されるという希望は、ほぼ持てないので、もうこの際、両方買うのだ。これでいいのだ。

ここんとこ、TC-1とGR1のことを、ずっと考えていた。本屋で見つけた「使うリコーGR(田中長徳著)」を買い込んだ時には、この本で洗脳されて、いっそGR1に傾けばいいとも思っていたのだが、実際にはその逆だった。長徳さん、やはりモノ書きではないので、インタビュー記事がどうにも・・・・・・なのだ。読むハナから、覚めていってしまう。この本でヤラれた人も多いかと思うが、ぼくはむしろ冷静になり、この時点でTC-1とGR1の天秤は、ほぼ均衡してしまった。

どちらも、良いレンズを積んだ28ミリのコンパクト。ちがいは、細かいことをのぞけば、レンズしかない。しかし、そのレンズが相当クセモノなのだ。

身近な写真家でいえば、TC-1は黒木一明さんの世界に近い。カキーンと描写し、色のりも良い。周辺光量落ちのせいか、空など撮るととてもドラマティックだ。フィルムでいえば、間違いなくベルビア。宮崎の夏空を撮るには、これしかない。

GR1は、これが実に芥川仁さんなのだ。ぱっと見、強烈なインパクトを感じるというよりも、淡彩画のように画面の隅々にまで神経がゆきわたるような描写。しかも、その描写は鋭くはない。透明感があって、品がよく、きめが細かい。雨の京都を撮るなら、これかなという感じ。フィルムでいえば、むしろモノクロームか。

これはもう、どちらがどうという話ではない。どちらも好きなのだから、どちらも持てばよい。もうEOS-1とはオサラバする気持ちを固めているのだし、出番がかぶるなんてことも、ぼくに限ってはない。街歩きにはGR1、夏の旅にはTC-1、それ以外はその時の気持ち。あるいは両方持っていく。

ヘキサーの出番も、ちゃんと考えてあるのだ。

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