薮入り
薮入りやなんにもいわず泣き笑い
てえ句がございます。
昔は盆正月の16日頃になると、奉公に出ている人たちが親元へ帰ってくる。
これが商家へ丁稚奉公している年端もいかない子供が、
三年ぶりに帰ってくる、なんてことになりますと、親も方も気が気でない。
前夜から夫婦でいろいろ、噂話をしていたかと思うと、
朝暗いうちから起きて、表を掃いてみたりする。
ご存知、三代目三遊亭金馬の『藪入り』は、ぽきぽきとした武骨な語り口が、
融通はきかないけれど人情に厚い親父さんの人柄をよく表していて、
げらげら笑いながらも、なぜか目に涙がにじんでくるという、
よい人情噺でありました。
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