りんごチップとカルバドス
たとえば冷たい雨の降っている夜などに、一人で街を歩いていて、
古い傷のように人を思い出すことがあります。
思い出になるほどのことでもなかった小さなバーを探して、
ようやくそこにたどりつき、カルバドスとりんごチップなどという
たわけたものを前にすると、あの日の自分と今ここにいる自分が、
どうしても結びつかないわけで、こういう時の酒場というのは、
何かあらゆるものから、たぶん記憶からも切り離された
時が流れているのでしょう。
冷たい雨に降られて
にこにこと
ちょっとした痛みとともに
カルバドスの夜でした。
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