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そんなわけで、畏れおおくもわがオクサンの名を冠した釣り船『富美丸』が、6月2日にデビューしたわけである。

本来、デビュー戦は、釣りフォーラムの友だちがやってくる6月5日(金)となっていたのだが、「それはいいですけど、ほんまにちゃんと動くんですか。人を乗せる前に、いろいろ、細かいチェックとか試運転をしといた方がいいのとちがいますか」という、流星号さんの賢い指摘があり、「それはそうだよね」ということで、とりあえず動かしてみることになったのだ。

急遽、休みをとって駆けつけてくれたあららさんと三人で、日向の港へ行く。着いたら、どんどん船に乗り込んで、気になっていた部分の掃除だの、ステッカー剥がしなどの作業をやる。黙々とやる。

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流星号さんは、「酒造ってるみたいや」といいながら、デッキブラシをぐりぐり回して、汚れがこびりついたイケスをきれいにしてくれ、あららさんは、古いステッカー類をスクレーバーと熱湯とアセトンと「強力ステッカー剥がし・風神」などを使いつつ、ごりごりごりごり、と削っていく。

やがて掃除も終ったので、船の隅々に焼酎をかけ、船の神様、海の神様に祈る。わが家に祀られる神々およびご先祖様にも祈る。ついでにヒポポタマスとヒョウタンツギにも祈りを捧げ、余った焼酎を三人でちびりと飲んで、『富美丸』の行く末の安からんことを願う。

そして、「ピーッ」というけたたましいブザー音とともに、ディーゼルエンジンが目覚め、でんでこ、でんでこ、でんでこ、でんでこといって、港を静かに滑り出していったのだった。

日向工業港は、実に殺風景な港である。その殺風景の主である大きな精錬所の前の、きわめて殺風景な水域を過ぎ、小さな岬を回ると、すぐに豊かな尾末湾の風景となる。ここが、われわれのメインとなるべき釣り場。船着き場から、超スロー航走で10分もかかからない距離だ。

すぐ前には乙島があり、少し遠くに枇榔島 の影が浮かぶ。門川漁港の防波堤や、五十鈴川の河口も見える。非常に小さなエリアに、磯あり、汽水あり、砂浜ありで、いろんな魚がいそうだ。

せっかくなので、キス釣りをやってみることにしたら、本調子とはいえないまでも、ぽつぽつと釣れる。ハリス6号、丸セイゴ16号、巨大アオイソメ一匹づけ、などというイタズラを試みると、間髪を入れず、26センチくらいのマダイの子が2匹も釣れる。

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流星号さんのキス竿が大きく曲がり、とてもとれそうにないというので、船を寄せていくとタコ(スナダコ?)であった。こいつはいただいて帰って、茹でて刺身で食べたら、しゃきしゃき、こりこりとして旨みが豊かで、思いがけずうまい。というか、ちょっと目をみはるほどうまかった。

キスも天草のに負けないくらい、こくがあっておいしい。マダイは、三年ものくらいで産卵に参加するには微妙なサイズなのだが、いわゆる麦わらダイの季節ということもあり、ぱさぱさしてて旨みがない。こいつは、釣れてもしばらくはリリースだなあ。魚を傷めないように、次からは細軸のハリを使おう。ちなみに下の写真は、塩をして冷蔵庫で一夜干しにしたもの。

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ちょい釣り、試し釣りのはずだったのが、思わず熱中してしまい、帰港した時には、あたりはすっかり暗くなっていた。こんなに夢中になって釣ったのは、いつ以来だったか。5日に合流するCHAPさん、しげさん、勝三郎さん、あるぽさんの鮎組の皆さんに、今日のような一日が賜らんことを。