秋山さんに「雑魚正宗」を送っていただいた。不思議なもので、がちゃん、ばたん、ばるるるると郵便屋さんがバイクのスタンドを降ろして郵便受けを開け、すみやかに去っていった音を聞いただけで、「雑魚正宗がきた」とわかったのである。

雑魚正宗は1.9mの小物竿で、1.7mに縮めるマルチレングスもついている。1.9mと1.7mにどんなちがいがあるのかなと、南国の黒潮育ちのわたしなどは想像できなかったのだが、いざ縮めてみるとなかなかこれは具合がよいような気がする。たぶん、テナガエビの穴を狙っていて、これはちょいと短い方がいいなあというようなことがあるのだろう。

調子は、張りがあってしっかりしているけれど、硬いという感じではない。もともと、どのジャンルに属する竿なのかも見当がつかないので、硬い・柔らかいの基準がぼくにはわからないのだけど、要するにこのサイズはこのサイズなりに、万能に使えるのではないかと思う。手に持った感触はとてもいい。

写真にあるように、何か由緒正しそうな端布のようなもので作った竿袋がついていた。タナゴのシモリ仕掛けやエビ針も同封していただいた。自分だけ申し訳ないのだけど、替え穂も送っていただいた。

そして、写真を撮るのもおそれおおい、坊主よけのお札までついている。これは安倍晴明神社での祈願つきだ。「梅干を見たら、これを取り出して祈るべし」と書いてある。梅干しは、見るだけでも坊主になるくらい強力なボーズ神だったのだ。今度釣りに行くときは、あいつを黒焼きにして友人の竿に振りかけてみようかと思う。

5歳の頃、初めて買ってもらった竿が、1.8mの六角竿だった。手元が竹の六枚貼りで、クジラ穂がついていた朱色の竿。あれ以来、こんな長さの竿は使ったことがない。まず手始めにハゼに出かけてみよう。そしていよいよ、テナガエビの探索なのだ。