ブレードランナー 2049

『ブレードランナー』(リドリー・スコット監督/1983-1991)。

レーザーディスク版の『ブレードランナー』は、長岡鉄男の視聴によく使われていたものだったので、いつか見たいと思っていた。近所のレンタル屋にようやく入ったので、さっそく借りてみた。これは、91年に出た「ディレクターズカット最終版」というやつで、オリジナル版とはだいぶちがうらしい。

場所は、近未来の東京。宇宙に奴隷として駆り出されていったアンドロイドが反乱を起こし、地球に舞い戻ってきたのを、一人ひとり抹殺していく。その役目を負うのがブレードランナーと呼ばれる男たち。原作はディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」。

まあ、とにかくこの映画。昼間の明るいシーンというものが皆無だ。全部夜で、真っ暗け。明かりがあるところも、六畳間で徹夜麻雀したみたいに妙に煙ってかすんでいて、すっきりとした見通しのいい空間というのが一度も出てこない。つまり、そういう世界だということなんだろう。

トーキョーは、狭くごみごみとして、青いネオンのうずまく中に小さな屋台みたいな食い物屋が、軒を並べていたりする。かと思うと、巨大なビルが立ち並ぶ中を、エアカーが走っていたりもする。まあ、新宿の東口と西口を、思いきり誇張するとこうなる。

その暗い世界で、ブレードランナーの物語が展開するのだが、黒が弱いということになっている液晶プロジェクターでも、十分に楽しめた。映画としてはハリソン・フォードの演技が、この救いのない世界の、救いのない話に、うまく空気穴をあけてくれていたと思う。