何年か前、霧島の麓で1時間に60ミリの雨というのに遭遇したことがあった。ほんとにタライをひっくり返したような勢いであって、車のワイパーなどはまったく効かず、真っ白な視界の中、車を路肩に寄せてしばらくなんにもできないでいた。どわわ、どわわといった感じの音響があたりを包んで、心細いことなんであった。

昨日は、鹿児島市垂水で1時間に110ミリという雨が降ったらしい。どんなんや、と想像してみるが想像できない。雨といえる程度を超えている。何かをひっくり返したような、というもののタトエ方をしようとしてみたのだが、適当なものが思いつかない。もはや水が天から降ってくるというよりも、地上の一切のまるごとが、逆さまに天なる海に落ち込むようなものなのではないか。

大体、梅雨の末期には局地的大雨になるというのが、ここんとこの相場なのだけれど、温暖化のせいだか雨の勢いが昔とはちがう。

昨年の台風では宮崎市の広い範囲がひどく冠水して、うちにも避難指示が出た。冠水した家の苦労は、お話にならないほどで、みな怒りと情けなさに静かに耐えていた。それも何ヶ月もだ。昨日の110ミリ/hの雨だって、たまたま鹿児島市に降っただけで、わが家に降らなかったのは僥倖というものだった。

かと思ったら、930hPaとヤケクソに強い台風3号が接近している。8日に沖縄南部、コースによっては南九州をかすめるか、最悪の場合直撃になるかもしれない。

このなんともいえない雰囲気、南九州に住んでいない人にはわからないだろうな。