まだ痛いので、まだ書く。

とある自転車屋さんのおばちゃんに、実は久々の自転車でお尻が痛いのだが、これは、どのくらいで慣れるものだったでしょうか。と、真面目と困惑がほどよくまじった作り笑顔でもって聞いてみたところ。

「慣れない人も多いんですよねえ。パットの入ったレーサーパンツをはいてはどうでしょうか」

冗談ではない。あんなものはくくらいなら、自転車なんか乗らないのだ。大体、子どもの教育によくない。東京はどうか知らんが、鹿児島の男が、あのような格好をして世間をうろうろするには、勇気以上のものがいる。

二軒目。同じように聞くと。

「いやあ。お尻は人それぞれ千差万別ですからねえ。サドルとの相性があるんですよねえ」
と、謎のようなことをいう。

もういい。わかった。要するに尻が痛いくらいで、いろいろいうなということだろう。
自分で判断して、ジェル入りのサドルカバーを買った。
乗ってみると、少なくとも衝撃は半減くらいはする。
これを作った人に心から感謝したい。

もうひとつ、いいことを思いついた。
パット付きレーサーパンツをインナーではけばよい。
その上に、チノパンなりジーンズなりをはく。
これで衝撃は半分の半分になる寸法だ。

そもそも、スポーツタイプのサドルが尻が痛くなるのは、細く硬く作ってあるからだ。細いのは、長距離を走る際のマタズレ防止のために必要だろうから許すとして、必要以上に硬いのは、どうもあまりにストイックにすぎるのではないかと思う。
聞けば、サドルに慣れるとは、お尻にサドルに耐える筋肉のようなものがついた状態になることをいうらしい。

どうするんだ。そんなとこに筋肉なんかつけて。

ふと、昔、インタビューした中野浩一氏のことを思い出した。
あの方、前から見ると普通の人なのだが、後ろから見ればゴリラだったのだ。