姿三四郎

黒澤明のデビュー作の方ではなくて、やれば出来るさ 出来なけりゃ~ と美空ひばりが歌う、あの『姿三四郎』である。渡辺邦男監督、1970年。主演は、ご存知竹脇無我。

いや~、相撲の次は柔道ときたものであります。この竹脇無我の三四郎は、昔テレビでもやっていたのだと思う。いろいろ、よく覚えていた。桧垣源之助、村井半助、矢野正五郎なんて名前から、小学生の頃の記憶が、むくむくとよみがえるわけです。

こういう映画に論評は野暮ちん。ひたすらにこにこ、上機嫌でみればよし。それにしても三四郎の師匠である講道館矢野正五郎役の高橋幸治は、やはりこの時代から怖い。後に史上最高の信長役俳優といわれるわけだけれど、あの高橋信長の狂気をはらんだ目が、もうこの時代からある。この人、存在感が大きすぎてスーパー主役級になれなかったのではと思われるほど、画面のなじみがよくない。いい意味で。

このくらい、画面に出てきただけで他の役者の存在を打ち消すような違和感を振りまくのは、昔の柳澤慎吾くらいではないのか。タイプはちがうけど。