17日~18日の暴落を導き、決定的にしたのは東証とマネックス証券だったことを忘れずにいたい。

17日の前場が始まる前の一般的な見解としては「ライブドア事件はライブドア一社の問題であり、日本経済のファンダメンタルズに何の影響もなく、市場への影響も限定的」というものだった。

しかし、マネックス証券の「ライブドア及び関連銘柄の代用有価証券無価値化」で雰囲気は一変する。これは信用取引を行う場合、所有している株式の掛け目(通常80%)の3倍までの運用が可能なところを、評価ゼロにしてしまうわけだから、ライブドア関連株を持ち、信用取引を行っている人にとっては、その場で追証が発生することになり、単に持ち株が下がるということの何倍もの衝撃だった。現金を用意するか、売りたくない株を売ってでも追証にしなくてはならないわけで、業績・株価とも好調な銘柄まで売りに出された。

話はマネックス証券の顧客だけにとどまらず、他の証券会社も追随するのではということから、市場は売り一辺倒になり、あの暴落が始まったわけだ。この時点で導火線に火をつけたのはマネックス証券であったことは重大だ。上場廃止になったわけでもない銘柄を、捜索が入ったというニュースが流れた時点でゼロ評価にしてしまうということは、株主利益というよりも顧客の安全をまったく考慮していない。

このマネックス証券は、ゴールドマンサックス社と関連が深い会社であることも、話をややこしくしている。G社が市場の安値を促進させるために、マネックスにあの処置をとらせたのではないかという憶測が広がっているが、冗談にしては深刻すぎる。G社、マネックスが自社売買で売り方針を立てる一方で、ライブドア株の無価値化を決定すれば、市場は彼らのものだ。

ライブドア捜索の報道を受けて寄り付き115円安で始まった17日だったが、前場はそれなりに底堅く、市場は16000円を強い抵抗ラインに振り子を戻そうという動きに見えた。事実、17日の前場を終えた時点の日経平均は前日比54円77銭高の16322円80銭。朝日新聞は「ライブドアショックも何のその!」という記事を掲載している。

悲劇はその30分後に始まった。後場の開始とともに(おそらくはマネックス証券のニュースが伝わったことで)、相場は全面安となり、結局前日比462円安の15805円95銭で終わった。

翌18日は朝からボードをウオッチしていたことは、こちらに書いた通りだが、前場までは前日のショックから抜け出そうという市場のエネルギーを感じる展開だった。第二の悲劇は後場開始30分後の午後1時に始まる。東証が「システムの限界を超える可能性があるので、売買はなるべくまとめて行ってほしい。約定が400万件を超えたら、その時点で取引を停止する」という発表を出したことから、売りそこないを恐れた投資家たちのパニック売りが始まってしまった。

今回の2日間の暴落で、日本経済は30兆円を超えるお金がどこかへ消えていってしまったわけだが、その直接の原因を作ったのはライブドアではなく、東証とマネックス証券だ。このことは覚えておかなくてはならないと思う。