映画>ブルースブラザース

『ブルースブラザース』(ジョン・ランディス監督/1980)。
スターウォーズに続いて、こちらはオクサンと長女を部屋に呼び、三人で観た。前回は約20年前にレンタルビデオで観ていて、たぶん二回目なのだが、ほとんどどんな映画なのか忘れていた。
内容はうろ覚えなのだが、ぼくにとっては大事な映画なのだ。なぜなら、挿入歌の「Everybody needs somebody」を、ぼくはライブで何回となく聴いている。いろんな場所で、たぶん20回くらいは聴いているはずだ。これにはちょっと説明がいる。
80年代中頃、久留米にオール・ザット・ジャズ・バンドというアマチュアバンドがいた。久留米というのは変な町で、10代の若い衆が50年代のアメリカンポップス、いわゆるオールデイズをやる伝統芸があった。チェッカーズもそうだった。おそらくはそういう下地があって、当時『ブルースブラザース』の音楽をそっくりコピーして演奏するバンドが出現した。それがオール・ザット・ジャズ・バンド。
本家の方は、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの二人が黒装束にサングラスで、ほかは普通の格好をしていたけれど、久留米の分家は8人ほどのメンバー全員が黒装束でキメていた。どうも格好いいようなコミカルなような不思議な味のあるバンドで、ぼくは大好きだった。リーダーでボーカルだった野田かつひこ君という人は、今思えば19歳くらいだったはずで、よくもあんなバンドをうまいことまとめていたものだと思う。
もうひとつ、「Everybody needs somebody」をやっていたバンドがあって、ザ・フィフティーズといった。これはポプコンのつま恋本選会で審査員特別賞かなんか受賞したバンドで、当時久留米ではもっとも人気があったんじゃないかと思う。「放課後ロックンロール」なんて曲でデビューした頃、ぼくは久留米を離れたのだけど、まあラッツ&スターをさらに50年代寄りにシフトというか純化したようなバンドだった。
彼らの演奏で聴いた「Everybody needs somebody」はとてもよくて、あの脳天気なノリの良さが、ほんとにハッピーな気分にさせてくれたわけである。
で、『ブルースブラザース』。はっきりいって、あんなにドシャメシャな映画だとは思わなかった。とにかく大変モノが壊れる映画でもある。クルマなどは何十台となく壊れるし、アパートやガソリンスタンドは爆破され、ショッピングモールも丸ごと破壊される。
その何分の一かを、時限爆弾や火炎放射器によって破壊するベルーシを恨む女こそが、さっき観たスターウォーズのレイラ姫、キャリー・フィッシャーその人であったのだ。これには驚いた。
ゲストも超豪華で、レイ・チャールス(楽器屋の主人)、アレサ・フランクリン(ソウルフード屋の女房)、ジョン・リー・フッカー(路上の歌うたい)、ジェームス・ブラウン(歌い踊る牧師)といった伝説のヒトビトが、惜しげもなく登場し、芝居をし、歌う。こういうゴージャスさには、ほんとにまいってしまう。「ありえねー」のが映画であるとすれば、これこそが映画だともいえる。
で、家族の反応だが、オクサンは横になったりナナメになったりしながら観ていた。この人にはバキバキのメタルでも聴かせないとだめだ。長女は、おそらく初めて聴くジャンルの音楽だと思うけれど、非常に熱中して観ていた。特にベルーシとエイクロイドのダンスに驚いた様子だった。
人は、こうして賢い大人になっていく。