映画>わが谷は緑なりき
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『わが谷は緑なりき』(ジョン・フォード監督/1941)。
19世紀末、ウェールズの炭鉱町で働くモーガン一家の物語。
なんという叙情性だろう。生涯、記憶に残るにちがいない名作。
4:3画面なので、プロジェクター85インチほどで視聴。画面はひたすらに美しい。観終わった後、2時間ほど眠れず、翌朝は朝食を食べながら、オクサンに30分ほど、この映画の話をした。家族にもっと優しくなろうと思いつつ、タマゴヤキを食べながら、まだ泣きそうに感動していた。
それにしてもこのモーガン親父は、それぞれ男らしい息子たちに恵まれた。そのうち二人は、炭鉱に見切りをつけてアメリカへ渡り、二人は解雇され、一人は死ぬ。最後に残った、まだ声変わりもしない末っ子とともに働きながら、自分も落盤事故で死ぬ。その日、女房には「いい女房だ」と、息子には「お前は立派だ」と言い残して。
男は、どうしても自分で道を切り拓かなくてはならない。その道はまた、不変のものでは決してない。何がどう変わろうと、その時々に最善をつくして生き抜いていく、自らもたどってきたその姿を見ることが、父としての気苦労であり、息子への愛情であり、喜びでもあるのだろう。
ぼくは、自分に息子がないことのさびしさを、いつかこの映画をふたたび観て、思うことがあるにちがいない。
映画の言葉。
『父のような男に、死という言葉はない。』
そうともさ。あのウェールズの親父は、アメリカ人が時々思い出す良心とか誠実とかいうものの、ご先祖様の一人だ。