映画を3本観ること

プロジェクターというのは、要するにあたりが見えないほどに部屋が真っ暗になるわけで、そうなると映画を観るなら観るで、一度始まってしまえば、もう映画を観るよりほかにないわけです。
テレビで映すよりも画面が大きい分、感動が大きいということはなくて、これは不思議なくらいにまったくそういうことはないのですが、それでも画面への集中度はかなりちがい、「さあ映画を観るぞ、最後まで観るぞ」といった覚悟のようなものは不要になりました。始まってしまえば、ぐいぐい引っ張られて最後まで観てしまいます。
今夜は、暗くなるまで待ってから、三本の映画を観ました。
一本目『マスター・アンド・コマンダー』。映画の内容については、こちらに書いた通りですが、大画面になって初めて気づくシーンもありました。エンディングの「敵の船医と戦闘配置」については、これまで2回観た時にはなんのこっちゃらわからなかったのですが(たしかにわかりにくいエンディングですが)、今回ようやくわかりました。それにしても、ほんの今しがた別れた捕獲船の後を追うのに、何で戦闘配置なのかはいまだにわかりません。
二本目、黒澤明監督『用心棒』。数え切れないほど観ている映画です。始まった瞬間から、「わあ、すげえ」「こりゃすげえ」と何度も声に出してつぶやきながら、ソファから身を乗り出す態勢となり、そのまま最後まで観てしまいました。
とにかく、構図がとてつもなく完璧で、画面の力強さがすごいですね。これはテレビでは気づきませんでした。どの画面を切り取っても画として完璧なのです。こんな画面の強さで人を離さない映画は、ほかに『市民ケーン』で経験しましたが、黒澤がスゴイということの意味が、ようやくわかった気がしました。
今回のもうひとつの発見は、小林まことの「一、二の三四郎」は、桑畑三十郎の表情に代表される黒澤的ユーモアをベースにしているにちがいないということ(^_^;)。
三本目、『太平洋航空作戦』(ニコラス・レイ監督/1951)。以前、DVDを買ったきり観てなかったものです。迫力ある実写フィルムをまじえたヒューマン戦場ドラマってとこなんでしょうけど、まあ、テレビドラマみたいでどってことなかった。むしろ、こんな甘いやつらに負けたのかという気持ちを、日本人としてはおさえきれない(^_^;)。
昨夜は、『ロード・オブ・ザ・リングス-王の帰還』を観たのでした。戦闘シーンはさすがに大迫力ですが、これは映画館でも観て、テレビでも観ているので、その追体験の部分が大きいのか、そんなに驚きはありませんでした。
画面の美しさとしては、プロジェクターはトリニトロン管テレビには遠く及びませんので、そのせいもあるのかもしれません。オーディオにも盆栽派ともいうべき人々がいるように、AVでも画面サイズはほどほどでも質の良さに快感を覚える人がいても不思議ではなく、ぼくはそちらの方なのかも。