2008年2月 2日

映画>エノケンの鞍馬天狗

『エノケンの鞍馬天狗』(近藤勝彦監督/1939)。

エノケンが白装束の鞍馬天狗となって京都の町を右往左往し、桂小五郎を助けたりしながら、新撰組を右往左往させるというような映画。

エノケンについては、『ちゃっきり金太』という作品が、たいそうヨイという話なのだが、この先もなかなか観られそうにない。黒澤明の『虎の尾を踏む男たち』で、強力をやった時の印象がよかったので(何しろ大河内傳次郎を相手にまわして、あの存在感)、テレビでエノケンと聞くととりあえず録画することにしている。

新撰組といえば、昭和のはじめに子母沢寛が「新撰組始末記」を書くまでは、幕府に味方した朝敵としてカタキ役としての扱いであり、今のように女性ファンが大勢つくなどということはあり得なかったらしい。

しょせん歴史なんてゴシップでござんしょ。ってバーナード・ショウが言ったってね。と立川談志はいったけれど、ただ一巻の小説で180度転換してしまうのだから、その通りだろう。さらに談志流にいうと、「幕末の動乱に乗じて田舎から刀さげて出てきた百姓の連合赤軍みたいなもんでしょ。戦闘で死んだやつより粛正で死んだやつの方が多いっていうじゃない」ということになるのかもしれない。

あんまりいうと、現代の新撰組ファンに怒られるからこのへんで(^^;)。ぼくが郷中教育を受けた薩摩人であることも、多少割り引いていただければと思う。

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