本>寄席はるあき

『寄席はるあき』(安藤鶴夫著 河出文庫 2006)。68年に刊行されたものが、今年になって文庫化。やっぱ、落語ブームとやらはほんとの話らしい。 安藤鶴夫は直木賞作家だということだけど、子供の頃からバアヤに負われて寄席に通った寄席マニアであり、斯界のご意見番のようなものでもあったらしい。なんとか先生がほめてくだすった、 …

本>岩城宏之「森のうた」「フィルハーモニーの風景」

なんか岩城さんづいちゃったようで、2冊読んだ。この人は文章も天才的だという話は聞いていたけれど、これまで読んでなかった。 「森のうた」は、芸大時代の山本直純との、はちゃめちゃ青春記。戦後さほどたっていない時代、芸大の木造校舎を舞台に、指揮棒を振りたくてたまらない作曲科のナオズミと打楽器科のイワキが、学生たちをだまくら …

黒鉄ヒロシを読む

黒鉄ヒロシの『赤兵衛』と『清水の次郎長(上/下)』を読む。このヒトの洞察力の深さというのは、志ん生とか芥川なみなので、次郎長は重たくて仕方ない。赤兵衛とセットで読まないと、どうにかなる。幕末の暗殺ものは、もっと暗くて重いらしいが、別に読まなくてもいいか。 黒鉄ヒロシについては、また平熱の時にでも。 一言だけいってお …

本>マネー・ボール

『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著/ランダムハウス講談社) オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンのお話である。ひさしぶりにわくわくする面白い本に出会った。 戦績的には名門といえるチームでありながら、なぜか人気の方はぱっとせず、オーナーも野球をビジネスと割り切る筋金入りの渋ちんである …

本>ホーンブロワーその後

フォレスターの『ホーンブロワー』、あれから一気に順を追って5巻まで読んだ。『海軍士官候補生(1)』『スペイン要塞を撃滅せよ(2)』『砲艦ホットスパー(3)』『トルコ沖の砲煙(4)』『パナマの死闘(5)』という流れ。 全10巻なのだけど、フォレスターが最初に書いたのが5巻、6巻、7巻で、これが好評だったので若い頃の話や …

本>ホーンブロワー・シリーズ

夏になると、ベッドで海の本が読みたくなる。いわゆる海洋冒険小説が妙に恋しい。『女王陛下のユリシーズ号』や『孤独の海』、『駆逐艦キーリング』も、たしか夏に読んだ。 で、以前からタイトルだけは知っていた『ホーンブロワー・シリーズ』を読み始めた。第1巻『海軍士官候補生』。英国海軍ものなのだが、ユリシーズやキーリングのように …

本>失踪日記

失踪したいくらい忙しいので、ここに逃げてきた。たいした酒飲みでなくて幸いである。 吾妻ひでおにいかれていたのは、1978年頃から数年間。『吾妻ひでおに花束を』(1979年)も、当然持っていた。『不条理日記』と『メチルメタフィジーク』が大好きで、美少女系とか少年誌系は、あまり好きではなかった(ほんとである)。 以前紹 …

本>赤塚不二夫1000ページ

和田誠責任編集「赤塚不二夫1000ページ」である。1975年に発行されたベスト版なのだが、いいタイミングで出されたとしかいいようがない。それ以降の赤塚さんは・・・なのだから。 ギャグ漫画は時代に鋭く反応しながら、その時代その時代の笑いをつくっていくものなのだから、今読むのはつらいかもしれないなと思っていた。今、この時 …

本>下落合シネマ酔館

こないだ浦安のやまさき十三さんを訪ねた時、この本をもらった。十三さんと赤塚不二夫の映画に関するスラプスティックな対談集である。 やまさき十三さんは、『釣りバカ日誌』の原作者であり、ちょっとジャック・ニコルソンに似た渋い風貌のお方である。なぜだかぼくはこの方と縁があり、お会いするのは三度目だった。最初は取材旅行に同行、 …