テレビ台兼用スピーカー(2)
さて、長岡鉄男師設計のテレビ台兼用スピーカー【凱旋門】の後継を考えるという壮大な話を、これから30分なり1時間なりでまとめる無茶をやろうとしているわけである。
まず、基本方針として、凱旋門があまりによく出来ているので、基本構造は踏襲することにする。というか、今、これ以外に思いつかない。とりあえずこれで思考を続けていって、いけそうになければ変更すればよいということにする。まずはサイズから考えてみる。
MX-127AV凱旋門は、幅70cm、奥行き42cmというサイズである。現代の薄型テレビに対応させようとすれば、横幅は最低でも100cmはほしい。置き場所さえあれば、いくら大きくても構わないのだが、強度との兼ね合いということが出てくる。
凱旋門の場合、両サイドを幅10cmの柱(これもスピーカーの容積になっている)で支え、そこに70cmの天板が乗っているので、宙に渡されている部分は50cmしかない。同じ構造を採用するとして、幅が100cmになれば支えのない部分が80cmになり、幅が120cmになれば、100cmになる。42インチテレビの重量は30kgほどだから、これでもつのか心もとない。テレビを載せたとたんに落城・崩壊ということはないだろうけれど、いずれ真ん中がたわんでくるのではないか。
後部に支えの板をつけるという方法もあるけれど(市販品にはこのタイプも多い)、それは最後の手段として、強度とサイズの折り合いのつく構造を、さらに考えてみたら、ラックの幅はどうなるのだということに思いいたった。
フルサイズのAV機器の横幅は42cm前後だから、凱旋門の50cmというのは理想的なサイズである。これが80cmでは空間が無駄になり、100cmでは強度的に無理がある。それならいっそ、真ん中にも幅10cmの柱を立ててみたらどうのか。左右、真ん中に幅10cmの柱を立てて、50cmずつのラック幅を確保するとすれば、全体の横幅は130cmということになる。これなら、堅牢無比。次世代凱旋門のサイズは、横幅130cm、奥行き42cmでいいのではないか。
次はユニットの構成。これもやはり凱旋門を踏襲して、フルレンジ3本とする。これも、今、これ以外に思いつかない。問題は凱旋門と同じFE127Eが使えるかという点だ。もともと、凱旋門の設計はユニット側からみると、かなり常識的でないことになっている。メーカー推奨バスレフの容積が大体10リットル。センターが受け持つ容積が10.3リットルだそうだから、これは良いとして、左右ユニットは18リットルを背負っている。単体では、ちょっとやらない設計だろうと思う。ただし、構造として、バスレフのようでもありダブルバスレフのようでもあるから、ダブルバスレフとしたら、これでも良いことになるのかもしれない。
次世代凱旋門(仮に【凱旋門130】とする)の場合、ざっと計算してみると総容積は79リットルに達する。それぞれ均等に受け持つとして、1ユニットあたり26リットル。完全にダブルバスレフとして動作するなら適正な範囲なのかもしれないけれど、ちょっと大きすぎるのではないかという気がする。推奨箱の2.5倍はさすがに悩む。
そこで、とりあえずFE167Eを引っぱりだしてみる。こちらはバッフル径がFE127Eに比べて41mm大きいので、その分、容積が増えて総容積が約99リットルとなる(計算は大丈夫だろうな)。FE167Eの推奨ボックスの容積は15リットルだから、これでも2倍強ということになる。そのくらいは許容範囲ともいえるのだが、純粋なバスレフとして動作させても大丈夫なのか、ダブルバスレフ的な動作を促すような設計にすべきなのか、そこらへんはよくわからない。
ちなみに、こんな作例もあった。内容積は36リットルくらいになる。
http://www.asahi-net.or.jp/~bk3k-andu/av/av22.html
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あれからフォステクスのサイトをのぞいてみたら、FE127EもFE167Eも廃盤になっていた。いわゆるAV対応の防磁型は全滅だ。まあ、ブラウン管がなくなったのだから、防磁型もなくなるのは道理ではあるけれど、ちょうど使い勝手のいいユニットがなくなるのは困る。
何か適当なユニットはないかと探してみたら、FF165Kというちょっと意外なものにぶつかった。標準箱はバスレフ25リットルだから、このまま使えそうだ。ただ、どうもFFなんとかKというだけで、バックロードホーンもばりばり鳴らすツワモノかつクセモノの印象があって、確かにm0…7.8g、Q0…0.2とFE168EΣより低い。大体、作例もほとんど聞かないから、こいつはうっかり手が出せない。でも、こういうクセモノがかえってAV用にはいいということもあるから、むずかしいといえばむずかしい。
一応、無理やり今の段階でのスペックを出しておく。
【凱旋門130】
横幅:130cm
高さ:45cm~50cm(ユニットによる)
奥行:44.5cm
ユニットA:FE127×3(バスレフ・もしくはダブルバスレフ 総容積79リットル)
ユニットB:FE167E×3(バスレフ 総容積99リットル)
ユニットC:FF165K(構造はFE167Eと同じ。ユニットは冒険だが、案外AV向き?ただし低音不足で玉砕もありうる)
少し容積を減らすための案として、三本の柱を容積として使わず、吸音材など埋め込んでしまう方法もありか。これによって、FE127Eでユニットあたり20リットル、FE167Eで27リットルと無難なセンには近づく。
さらにバージョンとして、いっそ柱そのものをなくして、既存のテレビ台の上に置いて使う、超扁平なスピーカーボックスとする方向も。この場合、横幅は70cmでも90cmでも120cmでも、それなりの音はすると思う。